黄茶って何? 君山銀針に迫る

[2006.08.24] Written By

以前、君山銀針をシリーズで説明してきましたが、話が途中で途切れておりました。

実は、君山銀針は私のブランドの中、最も高級な茶葉の一つです。

君山銀針は、ロシアのプーチンさんの来中の際も贈り物として献上されました。
私が優れた君山銀針を入手できる理由は、私の協力会社が君山銀針の生産会社を所有しているからです。つまり、君山銀針の生産会社と直接取引をすることで、偽りのない最高品質を買うことが出来るのです。
しかし、最高品質の君山銀針は高いです。本当に高いです。世の中、最高の君山銀心を仕入れようと思っていたけど、高さの余り挫折された方も多くいらっしゃると思います。
一番最上級のグレードの君山銀針は、本当に黄色く、まるまると太っております。
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それもそのはず、君山銀針は春に初めて生えてきた新芽から作られる「黄茶」だからなのです。
黄色のお茶って?と思われるでしょう。緑茶でも紅茶でもなく、その中間の「黄色」とはどんなお茶なのでしょう?
緑茶の基本は:酸化酵素を熱で失活→揉捻→乾燥です。
紅茶の基本は:揉捻→酸化酵素による酸化→乾燥(酵素の失活)です。
中間の黄色を出すためには、紅茶のように酸化しすぎても駄目、緑茶のようにフレッシュなままでも駄目なのです。そのため、黄茶の生産工程は非常に複雑で、様々なノウハウを必要とします。同じ社内でも君山銀針の生産工程の中枢は秘密にされているそうです。
実は、君山銀針の生産工程のうち、最も大切で、茶葉を黄色に変える行程は、「悶黄」と呼ばれます。
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写真:高級品は一番最初の新芽のみを使って作られるため、芽が産毛に覆われております。
多少中国茶に興味のある方は、過去に「悶黄とは何だろう」と思い、インターネットや本で調べられたかと思います。私も以前そうしました。でも、どのサイトも本にも同じようなことしか書いてないのです。多くのサイトには悶黄とは微生物による発酵と書いてあります。微生物発酵?!それでは、君山銀針はプーアル茶のような黒茶になってしまいます。
勿論、「微生物による発酵」は誤った情報です。生産会社の技術者に「日本では悶黄は微生物発酵と考えられている」と話をしたら、笑われてしまいました。
実際、黄茶の悶黄は謎に包まれた工程で、これまで殆ど明らかにされておりませんでした。
実は、先月湖南農業大学でのお茶の勉強をした際、悶黄の謎を科学的視点から解明するのは私の大きな目的の一つでした。そして・・・・・習いました。具体的な作業方法から科学的な見地までバッチリと学習してきました。
そんなわけで、次回は、「悶黄」の謎について具体的に説明したいと思います。

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