IMG_1963
先週から雲南省に滞在しお茶の仕入を行っております。茶園や生産者の工場を訪問したことで、今年のお茶の状況が見えてきました。

お茶の生育状況

今年は中国全体を通じて気温が低く、また、雨が少ない乾燥した天候が続いております。この状況は、昨年とは真逆(昨年は非常に温度が高く、雨が降り続きました。)で、その結果、雲南省に関してはお茶の生育が10日ほど遅れております。

IMG_2018 IMG_1791  IMG_1760 IMG_1910
昨年は3月20日に雲南省入りしたのに対し、今年は3月26日に雲南省入りしました。今年は1週間予定を遅らせたにもかかわらず、去年の初日(3月20日)よりもお茶の生育状況は明らかに遅れております。プーアル茶の生産は今週に入りようやく始まり、お茶は成長順に少しづつ収穫されております。
シーズンが遅れているのはお茶に限ったことではなく、地元の市場を視察したところ、例年だとお茶の生産時期に市場に出回るハーブ・果物類が未だ殆ど市場に出てない状況でした。

IMG_2068 IMG_2070 IMG_2075 IMG_2074

この状況が続いた場合お茶の質は極上

雨が少なく・気温が低い状況において、お茶は非常に時間かけてゆっくりと成長します。長い時間をかけて成長したお茶はミネラルやポリフェノールなどの味に寄与する成分が濃厚ゆえに、余韻が強く、コクの深いお茶になります。既に、白茶、数種類のプーアル茶、野生紅など多種類のお茶の品質確認を行いましたが、原料の品質については例外なく非常に満足の行く内容でした。今から1週間が1番茶の生産のピークとなりますが、この1週間を連続的な雨が降ることなく乗り切れた場合、今年のお茶は極めて良い品質となります。

IMG_1771

紅茶については過発酵気味のお茶に注意が必要

紅茶の場合、環境の温度が低い場合、発酵工程の管理が非常に難しくまります。温度が低い日に生産されたお茶については、発酵時間が長くなるために、お茶が過発酵気味になりやすくなります。
このような状況下では、日によって仕上がり(特に香り)が左右される可能性があるため、生産者には生産日ごとにバッチを分けて貰っており、各バッチ毎に品質を精査した上で仕入を行うことで、過発酵のお茶を仕入れないようにしております。

値段はほぼ昨年並み

中国全体の経済がやや冷え込んでいること、また、中国茶の主要な輸出先であるヨーロッパの経済が冷え込んでいることから、お茶市場も冷え込んでおります。ただし、高品質のお茶については、安定した需要があり、お茶の値段自体は例年とあまり変わりません。前回のブログでも説明しましたが、唯一、野生茶に関してのみ値段が高騰しております。これは、鳳慶を中心とする紅茶加工業者が今年から野生の紅茶生産に参入してきたためです。限られた供給量の野生茶が需要過多になったために値段が10-20%高騰しております。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

雲南省の自然栽培茶で作った釜炒り緑茶
雲南春尖緑茶を発売しました。 標高2100mにある自然栽培のお茶を原料とした、プーアル茶クラスの長い余韻が特徴のお茶です。 雲南省という比類なき茶葉原料の産地 私はお茶の会社を創業して20年間の間、あらゆるお茶産地を訪問 …
産地の潮州・汕頭で人気の鳳凰単叢八仙2022を発売
2021年以来となる鳳凰単叢八仙の新ロットを発売いたします。 今回発売するお茶は、2022年産のお茶です。数年の熟成期間を経て非常に良い状態に仕上がりましたので、販売することにいたしました。 https://hojote …

最新の記事 NEW ARTICLES

雲南省の自然栽培茶で作った釜炒り緑茶
雲南春尖緑茶を発売しました。 標高2100mにある自然栽培のお茶を原料とした、プーアル茶クラスの長い余韻が特徴のお茶です。 雲南省という比類なき茶葉原料の産地 私はお茶の会社を創業して20年間の間、あらゆるお茶産地を訪問 …
産地の潮州・汕頭で人気の鳳凰単叢八仙2022を発売
2021年以来となる鳳凰単叢八仙の新ロットを発売いたします。 今回発売するお茶は、2022年産のお茶です。数年の熟成期間を経て非常に良い状態に仕上がりましたので、販売することにいたしました。 https://hojote …
大雪山野生白茶 散茶 2025年産の新茶を発売
大雪山野生白茶2025を発売しました。 https://hojotea.com/item/w11.htm 雲南省の山に自生するカメリアタリエンシスを原料に、今年も現地で原料選別から製茶まで関わって生産しました。 野生茶な …
2025年産の古樹白茶と古樹白牡丹を発売
2025年産の古樹白牡丹と古樹白茶、2種類を発売しました。 いずれも無農薬・無肥料で作られたお茶です。 実は少し前から販売していましたが、公式にはお知らせしていなかったため、本記事を書きました。 生産者と共に作り上げるお …
東山生茶2024年産餅茶を発売
東山生茶2024の餅茶を発売しました。2024年産の東山は、以前に散茶を発売し、短期間で売り切れとなりました。今回発売する2024年産の餅茶は同じ原料から作られたお茶です。餅茶は作りたては香りが比較的穏やかな傾向がありま …
雲南省の自然栽培茶を使った薪火釜炒り焙じ茶の開発
現在、私たちは雲南省に滞在し、お茶の生産に取り組んでおります。シーズンも終盤に差しかかっていますが、この時期は特に成長が遅く、質の高いお茶が収穫期を迎えるため、最後まで気が抜けません。プーアル茶と紅茶の製造を主軸としなが …
料理から見る雲南の多様性:少数民族・四川料理の交差点
雲南省に長期滞在してお茶を作っているわけですが、雨の日や生産予定の無い日は、近隣の街のホテルに滞在しております。 ホテルに滞在しているときは、外食するのですが、私達にとって、現地での食事はお茶作りと同等に興味があり、非常 …
渡辺陶三作:秋津無名異、野坂粗土急須他入荷
佐渡島の無名異焼作家、渡辺陶三氏の茶器が多種類入荷しました。 今回は、特に、秋津無名異酸化焼成と野坂炭化還元の急須・茶壺が多数入荷しました。 https://hojotea.com/categ/teaware.htm 秋 …
雲南白茶、理想を形にする現地生産
3月25日に雲南省に入り、現在まで白茶の製造に取り組んでいます。 本コラムでは、雲南省における白茶生産の実情や、その品質、管理のあり方についてご紹介します。 何故雲南省で白茶を作るのか 白茶といえば、まず思い浮かぶのは福 …
現地からのレポート:2025年の雲南省のお茶の状況について
3月25日より雲南省に来ております。 こちらには5月まで滞在し、現地でのお茶の生産や流通・品質管理を行います。 本コラムでは、今年2025年のお茶の生育状況、相場観などについてインプレッションを述べたいと思います。 気候 …

PAGETOP