Fermentation_4.jpg

烏龍茶の部分発酵(半発酵)について解説します。まず、烏龍茶とその他のお茶の違いを、発酵と言う切り口で説明します。

お茶による加工法の違い

  1. 緑茶:酸化に関与する酵素を熱で失活するため、ポリフェノールがそのまま残っています。ポリフェノールは、分子量(サイズ)が大きいため空気中に揮発しません。そのため、香りはあまり感じられません。(揮発しないと言うことは、香りが感じられないと言うことです。)その代わりにポリフェノール特有の苦い味がします。
  2. 紅茶:ポリフェノールが酵素により深く酸化されます。酸化されたポリ-フェノールは、一部は小さなサイズに分解されます。小さくなった分子は、簡単に揮発するため、「香り」が感じられるのです。更にお互いにくっつき(重合し)、大きな分子になったものは、タンニンと呼ばれ紅茶特有の味に寄与します。
  3. 烏龍茶:ポリフェノールを軽度に酸化し、ポリフェノールがお互いにくっつき合う(重合する)前に発酵を止めてしまいます。烏龍茶には香りに関係する物質が多く含まれ、逆に渋みに関与するタンニンが殆ど含まれません。

理解しやすい紅茶の発酵

紅茶の発酵は実に分かり易く、茶葉→茶葉を磨り潰す→発酵→乾燥です。リンゴを磨り潰すと、やはりポリフェノールが酸化され、褐変(お互いにくっつきタンニンを形成)します。紅茶の発酵はこれと全く同じ現象です。リンゴの場合、レモンや塩を塗ることで酸化が止まりますが、紅茶の場合熱をかけることで酸化を止めるのです。レモンでも酸化は止まりますが、レモンティーになってしまいます。

制御が難しい烏龍茶の発酵

烏龍茶の発酵には微妙に調整された「中途半端さ」が大切なのです。中途半端という言葉は変ですが、全く酸化しない緑茶、全て酸化させる紅茶の中間に位置するのが烏龍茶です。言い換えるならば、職人次第で味も香りも全く異なる物に仕上がります。烏龍茶の一連の発酵は揺青と呼ばれます。まず、萎凋が終了した茶葉は職人により竹で出来た笊を斜めにしたところに、バラバラと落とされます。本当にバラバラと落とすだけなのです。ただ、ムラが生じないよう、均一に落とすことが大切であり、よく見るとかなり技術のいる作業です。この落下すると時に、茶葉が笊と擦れ合い、或いは、笊にぶつかり、茶葉の縁にごく僅かな傷が付くのです。傷が付いた場所は空気中の酸素に触れることで発酵が開始されます。笊には一回だけバラバラと落とした後、茶葉を笊一面に広げ、棚にて一定時間発酵をさせます。この工程は数回繰り返され、茶葉からは何とも言えない花のような、果物のような香りが出てくるのです。
Fermentation_8.jpg
バラバラと落としつつ、同時に笊に茶葉をまんべんなく広げます。これらの作業を、正確にてきぱきとこなしておりました。
Fermentation_5.jpg
発酵棚に入れる前に、茶葉の状態をチェックします。
Fermentation_2.jpg
作業員は違うのですが、同じ監督のもと、皆同じ動きをしておりました。
fermentation9.jpg
最後に茶葉を竹製のドラムに入れ、グルグルと回します。
Fermentation_1.jpg

驚くべき事に、それぞれの笊からは異なる香りが感じられます。実は、同じ茶園の茶葉でも木が異なると香りも微妙に異なるのです。但し、最終的にブレンドされることで一定の香りに標準化されます。笊による発酵が終了したところで、茶葉は竹で出来たドラムに入れられグルグルと回転されます。この段階では更に効率的に茶葉に傷を付けます。回転処理の時間・回数により発酵の度合いが変わります。台湾の高山茶とことなり、中国の伝統的な鉄観音や岩茶、広東烏龍の場合、何度も処理され、昨日の写真でも示しましたが、縁の赤い部分がより厚くなっております。
Fermentation_6.jpg

Fermentation_3.jpg
既に数回の揺青を経過した茶葉は、縁の部分から徐々に赤変するのです。
Fermentation_7.jpg
この写真の茶葉はやや発酵しすぎです。また、茶葉の縁が黒くなっているのは、品質的に良くありません。発酵の最後には、加熱処理を行い、発酵を止めます。ここで加熱を行わないと、発酵が進み続け、出来の悪い紅茶になってしまいます。
発酵は烏龍茶の味と香りを決めるうえで非常に重要な工程です。職人の腕の見せ所であり、同じ台湾でも会社によってやり方は随分異なります。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

2022年産の鳳凰単叢老欉柿花香単株と桂花香単株を発売
2022年産の鳳凰単叢老欉単株茶を2種類発売しました。 何れも極めて樹齢の高い木ゆえに、非常に奥行きのある、長い余韻のお茶です。濃い後味に加え、1年以上の熟成による、濃厚な香りをお楽しみ戴けます。 鳳凰単叢老欉柿花香 単 …
ダージリンファーストフラッシュとオータムナル紅茶を発売
ダージリンを2種類発売しました。今回の新商品は、Arya茶園の春摘みファーストフラッシュのルビーと秋摘みオータムナルのルビーです。春摘みのルビーは4月に仕入れ、その後無酸素状態で熟成させることで、香りをさらに高めました。 …

最新の記事 NEW ARTICLES

HOJO独自の新製法で実現した香り高い紅茶:雲南での挑戦
雲南省に1.5ヶ月滞在した期間中、良質な白茶やプーアル茶の生産はもちろん重要な課題でしたが、今回の大きな目標は、小ロット生産にも対応した新しい紅茶の生産方法を開発することでした。 一般的に雲南紅茶といえば、当店のラインア …
2024年の雲南省お茶シーズン:予想外の気温と収穫の混乱
長い雲南省の仕入れを終え、現在マレーシアのクアラルンプールに滞在しております。輸入したお茶の評価や海外用のお茶の発送など細かな手配が必要なため、クアラルンプールの会社に来月まで滞在予定です。 今年はシーズンの最初である3 …
2024年の白茶:理想的な天気と現地滞在で品質は上々
私たちが雲南省で力を入れているお茶の一つは白茶です。白茶は昔から、福建省と雲南省で作られてきました。 福建省の白茶は製茶はよく管理されている反面、慣行農園方式で肥料を用いた農業をしているため、原料の質に関して、私は満足で …
雲南のおもてなし文化:食事に込められた思い
中国では、挨拶代わりに「你吃饭了吗?」、つまり、「ご飯食べた?」と言うのが一般的ですが、雲南省にいると、色んな局面で、「吃饭」「吃饭」、ご飯食べていきなさいと言われます。ただ、長く雲南省に携わると、これらのご飯への誘いは …
野生茶を求め雲南省臨滄市南西部の山村へ
現在、雲南省臨滄市の南西部にてお茶の仕入を行っております。 当店にとって重要な商品の1つに野生茶があります。野生茶は製茶はもちろんですが、原料確保が一番大きな課題です。 今回、新たに野生茶が有る場所があるらしいと言う情報 …
雲南省のお茶産地にてプーアル茶、白茶、紅茶の生産
3月24日から中国の雲南省臨滄市の南西部、永德、鎮康県にてお茶の仕入れ、生産を行っております。 雲南省は世界一と言っても過言で無い極上の原料がある反面、生産に対する管理が甘いため、出来合のお茶を仕入れたのでは、理想とする …
2022年産の鳳凰単叢老欉柿花香単株と桂花香単株を発売
2022年産の鳳凰単叢老欉単株茶を2種類発売しました。 何れも極めて樹齢の高い木ゆえに、非常に奥行きのある、長い余韻のお茶です。濃い後味に加え、1年以上の熟成による、濃厚な香りをお楽しみ戴けます。 鳳凰単叢老欉柿花香 単 …
ダージリンファーストフラッシュとオータムナル紅茶を発売
ダージリンを2種類発売しました。今回の新商品は、Arya茶園の春摘みファーストフラッシュのルビーと秋摘みオータムナルのルビーです。春摘みのルビーは4月に仕入れ、その後無酸素状態で熟成させることで、香りをさらに高めました。 …
標高2100mのシングルガーデン産プーアル生茶、 火地古樹生茶2021を発売
火地古樹生茶2021を発売しました。 このお茶は、小さな単一茶園(シングルガーデン)のお茶のみから加工されたプーアル生茶です。 https://hojotea.com/item/d147.htm シングルガーデン産のお茶 …
ペットボトル入りのお茶の味に大きく影響するビタミンCの存在
近年、多くの人々にとって、お茶を飲むということはペットボトル入りのお茶を飲むことが普通な今日この頃ですが、本コラムでは、ペットボトル入りお茶の特徴的な味に焦点を当ててみたいと思います。 酸化防止目的のビタミンCの添加 コ …

PAGETOP