奈良県の月ヶ瀬でスゴイお茶(日本茶・緑茶)が出来る理由

[2011.11.23] Written By

奈良の月ヶ瀬という土地をご存じでしょうか?
非常に美しい名称の場所ですね!
ここは名張川沿いに位置する村で、大和茶、しかも、極めて優れた品質のお茶の産地です。
この土地はその昔琵琶湖の底だったと言われており、ゆえに周辺にはかちかちでとても掘れないほどに粘土質の赤土が出土します。
この月ヶ瀬の村を抜けていく名張川ですが、その先へ行くと木津川となり、更に、淀川へと続きます。
その昔、水路が交通の中心だった頃には、この木津川水系で作られるお茶は京都へと水路で輸送され、宇治茶として販売されました。
月ヶ瀬一帯のお茶もつい数年前までは宇治茶として販売されていたのですが、産地表示が義務化されて以来、宇治茶として販売できなくなりました。
それもそのはず、月ヶ瀬という地域は、京都と三重、更には滋賀との県境に位置しております。月ヶ瀬自体は奈良市なのですが、三重県も京都府も徒歩圏内です。
月ヶ瀬という地域ですが、極めて品質の優れたお茶が出来る土地です。
その理由に、この地域は、日本でお茶の収穫が一番遅い地域としても知られており、何と、6月に1番茶を摘みます。
ゆっくり時間をかけて成長したお茶は、細胞も細かくミネラルを豊富に含みます。
また、この地域は良質の土の産地でもあります。
車で30分も走れば信楽、また、車で5分-10分も走れば伊賀です。何れも、良質の朱泥の産地だった地域です。
月ヶ瀬にも天然の土を販売してる会社があるほどで、この地域には極めて高品質な土が豊富にあります。
私は常々お茶の旨味=低品質の指標だと思っております。
旨味はアミノ酸を主体としており、窒素肥料が豊富に与えられた結果によるものです。
野菜でも果物でも、窒素肥料を与えて品質が上がる物は全くありません。例えば、私の実家ではリンゴ農家をやっておりますが、窒素肥料を与えたら、リンゴは甘みもコクもない全く美味しくない品質へと変貌します。
私が月ヶ瀬のお茶に興味を感じたのは、旨味ではなく、ミネラルを豊富に含み、味が濃くて深い、本来のおいしいお茶が見つかると思ったからです。
月ヶ瀬02
春に月ヶ瀬を訪れた際に撮影した写真です。名張川と左上には茶園が見えます。
月ヶ瀬01
自然農法ゆえに雑草は草かきで取り除き、茶木のまわりに敷き詰めていきます。大変手間のかかる作業です。
月ヶ瀬03
お茶の木の説明を受けている私:ひげが妙に濃いですねえ。ちゃんと剃らんといけませんね(笑)
月ヶ瀬04
私が購入している農家では完全無農薬による自然農法を実施しております。写真は茶葉を食い荒らすミノムシを手で取り除いているところです。

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