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四川省初日は成都からバスで数時間走り、名山という街に行きました。
名山は四川省を代表する緑茶の産地として知られております。
四川省の緑茶と言われて、直ぐに名前が浮かぶ人は、かなりの中国茶マニアだと思います。
実は四川省は中国最古の緑茶の生産地として知られております。(少なくとも、四川の人はそう思っております。)
四川省における緑茶の生産の歴史は、2000年以上前から続いており、緑茶が生産されていた記録は四川省の寺などに絵や文字として残っているそうです。
蒙頂山でも最も古いお寺:その昔、お茶は僧侶達により作られていたそうです。
お茶の歴史の話になると必ず登場する陸羽ですら、7世紀の人ですから、彼が茶経を書く700-800年前から四川では緑茶が作られていたことになります。
現地の人の話によると、四川にも野生茶があるようで、四川のお茶は他地域から入ってきたと言うより、四川のあった野生茶を栽培したところから始まったようです。
名山で最も有名なお茶と言えば、蒙山で採れる蒙頂甘露という緑茶です。
このお茶はちょうど蘇州のピーローチュンにそっくりのお茶で、若い芽から作られます。
今回は蒙頂山周辺の生産者を訪問し、同時に蒙頂山を1日がかりで周り、茶園の様子を視察しました。
名山地区に到着して気がついた点は、お茶屋が異常に多いことです。バスで走っていると、道沿いのあちらこちらにお茶屋さんがありました。
2000年もの歴史を持つ地域なので無理もない話ですが、余りに観光地化していると言うのが第一印象でした。
先ずは蒙頂甘露の生産でとても有名な工場を訪問しました。
この工場の社長は、蒙頂甘露に関する本なども執筆しており、この地域でも大変有名な方です。
ただ出して頂いたお茶を見ると、芽の色が非常に緑色をしていることが気になりました。
蒙頂甘露の歴史に関して色々教えて頂きました。
今の季節、外に出て土手の草の色を見てみてください。
土手に生えているハルジオンも、ススキも、黄緑色をしております。
これが本来の自然な色なのです。
ただ、このような土手草も一旦肥料が入ると、色が濃い緑色へと変化し、急激に成長します。
私にとって緑色は不自然な色であり、窒素経の肥料や深刈り剪定を示しております。
見た瞬間に、このお茶は買うことが出来ないと感じました。
実際に香りを評価してみても、やはり喉越しが殆ど有りません。
肥料が入ったお茶にはミネラルが蓄積されないため、喉越しは殆ど感じられません。
何故これほどの有名工場でも、この程度の品質なのか茶園管理がどうなっているのか興味があったため、午後はタクシーをチャーターし蒙頂山のあちこちを視察しました。実際に蒙頂山に登ってみると、山の上にも観光客が溢れており、どこの茶園も「青々」というのが相応しい、濃い緑色の茶葉を付けておりました。
殆どの茶園では窒素経の肥料が使われており、また、殆どのお茶の木は深く剪定が行われておりました。
その昔、蒙頂甘露は自然栽培でじっくりと作られたからこそ美味しいお茶が出来たはずなのです。
今では蒙頂甘露の殆どは現代農法で作られており、生産量重視の育て方ゆえに成長が早すぎて感動するようなレベルのお茶が出来ません。
蒙頂山の茶園:一見、黄緑に見えますが、実際は緑色。葉のサイズも非常に大きい。
剪定が毎年行われ、肥料が施肥されているために、葉は大きく艶がある。
あれだけ観光客が次から次へと来るとなると、生産量が低い自然栽培ではなく、高生産量が期待できる現代農業に傾くのも無理有りません。
私が蒙頂甘露を買ったかどうかですが、勿論買いました。
但し、私が購入した先は、無肥料農法を徹底した生産者です。
続く、、、
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