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雲南省では、樹齢が高い茶樹ほど品質が高くなると理解されており、そのため樹齢を示す言葉が、お茶の名称やグレードに頻繁に用いられます。なかでも、古樹、老樹、喬木といった呼称は広く使われていますが、それぞれの意味や実際の使われ方については、必ずしも正確に理解されているとは言えません。ここでは、これら3つの言葉について、用語としての意味と現地での現実的な運用の両面から整理します。

古樹・老樹

古樹と老樹は、基本的には同じ意味合いで使われており、樹齢の高い茶樹を広く指す曖昧な表現です。何歳以上を指すかという明確な年数基準は存在せず、数十年のものから300〜500年以上とされるものまで含まれることがあります。その範囲は、販売者や文脈によって変わります。

「老樹」は比較的、現地での口語的な表現として使われることが多く、一方の古樹は近年の市場でお茶の名称に多用される用語です。古樹は老樹よりもさらに樹齢が高い印象を与え、100年以上、あるいはそれ以上を暗示する場合もありますが、これについても公的な定義や基準は存在しません。

何歳から古樹あるいは老樹と呼ぶかは定められておらず、各農家が保有する茶園の状況によって、その範疇は大きく変わります。例えば、私がお付き合いしている農家は、臨滄市でも最大規模に属する古樹茶園を保有しており、樹齢300年前後の茶樹が当たり前のように何百本も存在します。そのため、彼らにとって古樹や老樹と呼ぶ対象は、500年近い樹齢とされるような巨木になり、そのような茶樹は単株茶として、1本の木からのみ製茶されます。

一方で、保有する茶園の茶樹が比較的若く、最も古いものでも50〜80年程度という農家の場合、その50年や80年の茶樹を古樹や老樹と呼び、特別なお茶として高値で販売する例も普通に見られます。

私達の仕入れ先の農家が保有する巨大な古樹茶

2つの異なる意味を有する喬木

雲南省には、喬木という分類があることをご存じでしょうか。喬木とは樹齢を示す言葉ではなく、茶樹の仕立て方と、それによって形成される樹の形を指す言葉です。本来、お茶の木は栗や桜、松と同じく、上へ上へと伸びる性質を持っています。その性質に素直に従い、自然の木のように剪定を前提とせず、幹を立ち上げて真っ直ぐ上に伸ばした茶樹を喬木と呼びます。一方で、低い位置で刈り込まれ、低木状に管理される日本や台湾、中国の緑茶生産地に見られるような現代茶園の茶樹は、たとえ樹齢が古くても喬木とは呼ばれません。

重要なのは年齢ではありません。樹齢30年でも50年でも、剪定せずに幹を立てて育てれば喬木ですし、極端に樹齢が高くても、低木仕立てであれば喬木ではありません。喬木かどうかは、あくまで剪定の有無で決まります。

上で説明したように、古樹は樹齢による区分で、長い年月を経た茶樹を指します。一方、喬木であるかどうかは樹の形の話であり、樹齢そのものは関係ありません。

しかしながら、近年の雲南省における実際の運用を見ると、喬木という言葉が本来の農学的な意味で用いられる場面は多くありません。多くの場合、台地茶ではないが、老樹や古樹茶と呼ぶには樹齢が若い茶樹を示す言葉として使われています。

要するに、雲南省における喬木の本来の意味は、頂芽を切らず、木として本来の姿のまま育てられたかどうかという点にありますが、実際の市場では、古樹茶と比べて樹齢が若い茶樹を示すための便宜的な表現として用いられることが多いのが現実です。

写真(上・下)の様なお茶の木は、若いですが台地茶では無いため、かと言って、古樹茶でも無いため、生産者によっては台地茶と区別するために、「喬木」という名称を用いる場合があります。

 

とはいえ、喬木という言葉を使いこなしているのは漢民族を中心としたある程度教育レベルの高い人達であり、山村などへ行くと、「喬木」という言葉自体誰も知りません。

低木仕立ての台地茶

なお、日本や台湾、インド、スリランカの茶園に見られるような低木仕立てのお茶は、中国雲南省では台地茶、あるいは茶園茶といった名称で区分されます。台地茶は、特別な品種だから大きくならないのではなく、上に伸びようとする先端の成長点を、剪定によって繰り返し切り落としているためです。成長点が常に更新されることで幹が立ち上がらず、低い位置で枝と芽だけが増え続けます。

この仕立て方は、自然に任せて木として育てるのではなく、人為的に大きさと形を固定する方法です。例えるならば、茶樹を盆栽のように低木に仕立てているとも言えます。

雲南省でも四双版納、普洱県や大理周辺、臨滄北部などには現代茶園が沢山あります。

台地茶・茶園茶

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