現地からのレポート:2025年の雲南省のお茶の状況について

[2025.04.05] Written By

3月25日より雲南省に来ております。
こちらには5月まで滞在し、現地でのお茶の生産や流通・品質管理を行います。
本コラムでは、今年2025年のお茶の生育状況、相場観などについてインプレッションを述べたいと思います。

気候とお茶の生育状況

今年は中華正月以降乾燥しておりましたが、20日以降4日ほど連続して雨が降り、それによって、お茶の発芽が始まりました。

気温は例年並みで3月はやや肌寒い日々でしたが、4月に入り半袖で過ごせるような気温になりました。非常に暖かかった昨年と比べると、今年の方が気温が低く、また、中華正月以降の降水量が少なかったこともあり、お茶の生育は全体に1週間ほど遅れています。茶摘みが本格化するのは来週からになりそうです。

品質について

今年は3月に1度雨が降って以来、それ以降全く雨が降っておりません。このため、お茶は成長が極めて遅く、茶葉のサイズも例年よりも小さく感じられます。 その結果、今年のお茶の品質は極めて高く、非常に理想的な味香りです。

黄砂の影響

雨が全く降らず、晴天の日々が続いているのですが、一つ懸念事項があります。

今年雲南省に来て非常に気になったのは、晴れているにもかかわらず、大気が黄色く曇っており、まるで曇り日のような日照状態が続いている点です。雲南省の人々は「雨が降らないから粉塵が舞っているのだろう」と話していましたが、過去には雨が降らない年でも大気が澄んでいる年もあり、また、日によって大気の曇り具合にばらつきがあることから、この説明には納得できませんでした。

特に3月の下旬には周囲が黄色くかすみ、車のボンネットには黄色い砂埃が積もっていました。これらの状況は、まさに日本で毎春に経験している黄砂と非常によく似ています。

加えて、タクシーのドライバーや生産者など、周囲の人々が一斉に「風邪をひいた」と話し、目を真っ赤にして辛そうにしていました。しかし、どう見ても風邪というよりは、黄砂アレルギーの症状に見えました。私自身も目が赤くなり、鼻水、頭痛や体のだるさといった症状が現れ、黄砂アレルギーにそっくりの症状に悩まされました。

今年の3月の後半は黄砂の影響が顕著で、日本や北京などでも黄砂警報が発令されていました。一般的に、黄砂は偏西風の影響で新疆周辺の砂漠から東へ飛来することが多いですが、風向きによっては雲南省やさらに南方のタイまで飛散することがあるとされています。

実際に中国の黄砂観測サイト(中国語で沙塵暴)を調べたところ、3月下旬には雲南省に大量の黄砂が飛来しているデータが確認されました。これらの事実を踏まえると、今年の雲南省における異常な大気の曇りや住民の症状は、黄砂の影響によるものであると考えられます。

黄砂の影響と思われる白黄色に霞んだ空

白茶とプーアル生茶の生産への影響

私たちは、3月から4月中旬までの、比較的気温が低く天気が安定し、湿度が低い時期には、全力で白茶の生産を行っております。白茶の製茶に関しては、湿度さえ低ければ品質には影響がありません。そのため、黄砂によって日照が減少している点は特に問題ではありません。

ただし、4月中旬以降はプーアル生茶の本格的な生産が始まるため、日照は重要な問題となります。生産者によると、過去にも天気が良いのに大気が曇っていて日光が届かない年があり、そのような年には製茶に影響が出たとのことです。今後、黄砂の影響と天候がどう推移するか非常に心配です。

 

価格について

中国では経済の鈍化に伴い、お茶の価格には下落傾向が見られます。
特に有名産地や、低標高で人気度の低い産地では、生の茶葉の価格が2〜3割ほど下落しています。

一方、私たちが仕入れているような、山間部の標高が高く、樹齢の高い木から採れる高品質なお茶の産地では、品質の良いお茶を求める人々の需要が根強いため、価格の下落は緩やかです。

ミャンマー地震の影響について

先日発生したミャンマーの大地震により、約1,000キロ南に位置するタイの首都バンコクでは、大きな被害が発生し、建設中の高層ビルが倒壊するなどの報告がありました。一方、私たちが現在仕入れを行っている雲南省の臨滄市永徳県や鎮康県は、ミャンマーとの国境から数十キロの距離に位置しており、今回の地震の震源地からは約400キロメートルしか離れておりません。

しかし、実際には体感では震度3程度の揺れに留まりました。

今回の地震は、ミャンマー中部を南北に縦断するザガイン断層が主な活動領域となっており、震源地周辺では大きな揺れが観測されました。一方、雲南省はザガイン断層の東側に位置しており、地質的な特徴が異なるため、同じプレート境界付近であっても地震の影響が異なることがあります。地盤が固く、揺れが吸収されたこともあり、雲南省では揺れが比較的小さかった可能性が高いと考えられます。

これまで雲南省の様々な建築物を見てきましたが、少しでも大きな揺れがあった場合、建物は確実に崩れると確信しています。それだけに、実際に揺れを感じた時には心の底から焦りましたが、幸いにも大きな揺れではなく、胸を撫で下ろしました。正直なところ、揺れを感じた瞬間は「終わった」と思ったほどです。それだけに、大した揺れでなく本当に幸運でした。

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