香りが強く個性豊かな日本茶を求めた結果、標高800mの茶園を見つけました。

[2009.06.02] Written By

本山蛇塚煎茶

最近、海外のお客様を中心に日本茶の需要が増加しております。そこで、もう少し日本茶のラインアップを強化したいと思い、それに伴い茶園に行ったり、いろんなお茶を試飲しました。これまで取り扱っていた本山煎茶はどちらかというと、日本茶らしい、旨味重視、且つ、緑のすがすがしさが感じられるお茶でした。
似たような個性のお茶では、現行の本山煎茶と特徴が重複してしまいお客さんとしても面白くありません。
そこで、新規のお茶を探索するに当たり、「しっかりとした個性を持っていること」を重要なポイントとして、お茶選びを行いました。
日本茶の個性と言っても、旨味に注目した場合、その極限は玉露であり、煎茶で玉露のような旨味を追求した場合、被せ茶になってしまいます。
苦みに注目した場合、その極限は深蒸し茶であり、既にジャンルとして完成しております。
そこで、どのような個性を重視するかと考えた場合、やはり香りではないかと考えました。
但し、香りは日本茶があまり得意としない分野であり、それだけに、日本茶の香りで「個性」と呼べるだけの、特徴を出す為には、よほど、茶園、品種、作り方のどれかが変わっている必要があります。
今回、着目したのは高い山で作られているお茶です。
本山茶の中でも、藁科川の更に上流の、蛇塚と呼ばれる地域があります。標高は750-800m程度で、お茶の栽培限界に限り無く近い高度です。台湾の場合、高山茶は2400mもの高地で作られておりますが、台湾自体が沖縄よりも南に位置しており、とても暖かいことと、烏龍品種が耐寒性が高いことがお茶の栽培高度が高い理由です。
お茶のシーズンは低地ほど早く始まります。
お茶だけでなく、桜が咲くのも暖かい地域ほど早いのは当然です。
牧ノ原や、金谷、菊川の低地では暖かいため、お茶のシーズンが始まるのがとても早く、4月の内から新茶が出てきます。日本人は旬の物を妙に喜ぶ傾向があり、初物のお茶にはとても高い値段で取引されます。
しかし、皮肉にも高山でとれた良いお茶は、市場に出てくるのはとても遅く、蛇塚のお茶が市場に出るのは、5月の中旬でお茶のシーズンとしては最後の最後であり、当然、市場では良い値段が付きません。しかし、高山の気候は大変素晴らしいお茶を作り出します。茶は昼の間強い紫外線を浴び、積極的に光合成を行います。反面、夜間は温度がとても低く、昼間作られた物質は殆ど消費されず、茶葉に蓄積されます。これが、美味しいお茶が出来る理由です。
残念ながら、高い値段で取引されない高地のお茶は、品質へのこだわりを持った茶商に買って貰うしかなく、品質を極力上げるために様々な努力がされておりました。

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