中国広東省潮州の鳳凰山にて茶葉国際品評会金賞の鳳凰単叢烏龍を飲む

[2010.09.29] Written By

以前にも書きましたが、中国にお茶の買い付けに行くと、必ず通り抜けねばならない登竜門があります。
お茶を買う時は、売り手、買い手の双方が、お互いの技量を見極める事から始まります。
試飲を始める際、どのようなお茶が欲しいのかと聞かれます。
この際に、「香りの強いお茶」とか、「こんな種類の香り」が欲しいという意見を言った場合、安物のお茶が出されます。
お茶のことを良く理解してない人は香りの強さを気にします。お茶を良く理解している人は、逆に、香りの質、香りの深さを気にします。
私の場合、喉韻と呼ばれる、「喉越し」「後味」を重視している事を相手に伝えるようにしております。
或いは、中国語で「回甘」、つまり、喉の周りで感じられる甘い後味という意味の言葉を使うときもあります。
これらの言葉はお茶のことをどこまで理解しているかを計る指標でもあり、これらの言葉を用いて品質を説明できることは、その人のお茶に対する理解度が有る一定レベル以上であることを示唆します。
因みに、最初に出てくるお茶は決して高品質ではありません。
お茶を飲むと、必ず、意見を求められます。
この際に、「美味しいですね」とか、「良いお茶です」と適当に返事をした場合、お茶の味の分からない輩だと判断されます。
正しくは、①喉韻の強度、②香りの質に対する意見、③香りの強度を切り分けて、意見を述べることが重要です。
例えば、「香り質に関しては素晴らしいが、喉越しが殆ど感じられない。」等々
より強い喉越しのお茶を求めると、次に値段が倍くらいのお茶が出されます。値段が倍と言っても、品質が倍とは限りません。
お茶が出された段階で、再び同様の意見が求められます。
この繰り返しをすることで、自分の理想とする喉越し強度のお茶を探しだし、同時に値段とのバランスをとる必要があります。
中国では喉越しの強度は明確に値段と比例しております。比例と言っても正比例ではなく、喉越し強度と値段の関係は対数比例しております。
喉越しが強いお茶は素晴らしいですが、ある程度の段階でバランスをとらないと、値段はとんでも無く高くなり、売り物にならなくなります。
今回、鳳凰山で試飲をしたわけですが、お茶会社の主が、私のお茶鑑定能力を非常に高く評価してくださりました。
主は私が品質を良く理解している事を喜んでくださり、最終日に凄いお茶を淹れてくれました。
そのお茶はお茶会社のご主人が国際茶葉品評会で金賞を受賞したお茶で、樹齢500年の木から作られた鳳凰烏崠八仙単叢と呼ばれるお茶で、1kgが卸価格で162万円のお茶です。
1回に8-10gの茶葉を使うため、私が飲んだ分だけで16200円もするわけです。(汗)
お茶は、滑る様に喉に流れ落ち、香りが何時までも持続し、凄まじい品質レベルでした。鳳凰烏龍は只でさえ、香りが強く、茶葉とは思えない様なフルーティな香りがするため、それに喉越しが加わると、世界最強と言っても過言ではないくらい凄まじい品質のお茶となります。今回は、国際品評会金賞の八仙は仕入れませんでしたが、樹齢数百年物の鳳凰烏崠八仙単叢を日本用に仕入れました。こちらも相当に高いレベルの品質です。値段帯は獅峰龍井茶レベルかと思います。
また、マレーシアの店舗では鳳凰烏崠花蜜香単叢と言って、中国茶葉品評会で金賞を受賞したお茶を販売予定です。
ところで、驚くべき事に、今回試飲した国際茶葉品評会金賞受賞のお茶は前回雲南省で試飲した布朗山の生プーアル茶と同レベルの喉越し強度でした。このお茶は毛沢東の献上茶として用いられたこともある銘茶です。
布朗山の生プール茶は非常に高かったため、自分用にだけ数百グラム購入し、販売用には購入しませんでした。今になって、店の販売用に仕入れなかったことが非常に悔やまれます。
ある意味、トップクラスの鳳凰烏龍茶を戴いたことで、今年、仕入れ損ねた布朗山プーアル生茶の品質の凄まじさを再確認することが出来ました。
布朗山生プーアル茶は高いと言っても、100gが10000-15000円程度です。来年は必ず仕入れたいと思います。
八仙2
国際品評会で金賞受賞の鳳凰烏崠八仙単叢

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