布朗山でのプーアル生茶の買い付け

[2011.04.22] Written By

今回の雲南省の旅で最初に訪れたのは布朗山という地域です。
布朗山は四双版納郡の南部に位置しており、その昔から良質のプーアル茶が作られることでよく知られている地域です。この地域は完全に少数民族で構成されており、今回お茶を購入したのは布朗族とハニー族でした。
布朗山のような超田舎地帯での買い付けをする場合、基本的にお茶を試飲する機会はありません。お茶を飲めるような環境ではなく、農家で大切に保管されているお茶を検品して買う買わないを決めます。
基本的に、農家の人々はお茶に関する知識は非常に乏しく、値段は木の樹齢で決まります。木の樹齢が古いほどに値段が高くなり、若い木ほど安くなります。
但し、実際には品質は樹齢だけでなく、土壌の質、肥料の種類、お茶の品種、標高などの様々な要素により決まるため、樹齢による値段の設定は、お茶の品質とは相関しておりません。
この為、お茶が飲めなくても品質評価をしなければなりません。プロの間で用いられる品質評価は、香りによる判断です。乾燥した茶葉を鼻に近づけ、一気に香りを嗅ぐことで香りの質量を評価します。
品質の高いお茶は、香りが下、つまり、胸に流れ、品質の低いお茶の場合、上、つまり鼻から抜けてゆきます。香りの種類がどうのこうのではなく、まずは、香りの流れ方を評価します。
例え香りの良いお茶があったとしても、香りが軽い(上に抜ける)場合、香りが豊かさに欠けるため購入はしません。つまり、香りの質量が一定条件を満たした時点で初めて香りの質を評価します。
香りの質量は、ミネラルを反映しており、香りの種類は有機化合物を反映しております。
私の役目は、片っ端から香りを嗅ぎ、品質を振り分け、値段を見た上で買う買わないを決めることです。
但し、次ぎ次と訪れた村や山で、様々なお茶を数十キロ、数百キロ単位で買うため、それに対する支払いやその後の輸送方法が重要なポイントになります。
私の場合は、既に5-6年一緒に働いている、ロジスティック担当の中国人青年がおります。彼は私について色んな場所へ行き、私が買ったお茶の支払いをし、中国国内で脱酸素パックし、運び出す役目を担っております。長いこと一緒に仕事をしており、私が信頼している人物です。彼にはお互いに取り決めした割合のコミッションを支払うことで、私と持ちつ持たれつの関係になっております。この仕組みは非常に効率的に機能し、人に頼らないで直接お茶を買うことが出来ます。
毎年雲南省を訪れることで、様々な村や生産者と信頼関係を築きあげております。非常に効率的な買い付けを行っているため、将来は国内卸などの原料供給もしたいと願うところです。
B01.jpg
作りたてのプーアル生茶:この様な状態で出されます。この香りを嗅ぎ、品質の評価をします。
b04.jpg
茶摘みをするハニー族の女性:この人の家に泊めてもらったのですが、翌日は1日中農作業を手伝わされました。少数民族の男性は概して怠けており、殆どの農作業と重労働は女性が担当します。
b05.jpg
b06.jpg
茶摘みをする布朗族(プラン族)の女性
b07.jpg
同じく茶摘みをするプラン族の女性
B02.jpg
少数民族の典型的な家:家は村の人々が協働して作られます。
b03.jpg
少数民族の庭作では、プーアル生茶が作られておりました。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

大雪山野生茶(生茶)2023年・2024年産 同時発売
大雪山野生生茶の2023年産と2024年産を発売しました。 2023年産については、マレーシアの倉庫で1年間熟成しております。 https://hojotea.com/item/d27.htm   雲南省でも入 …
佐渡無名異焼作家の渡辺陶三作:野坂粗土還元急須が入荷
野坂粗土還元焼成の茶器を発売しました。 今回入荷したモデルは、茶壺(後手急須)、フリーカップ、マグカップの3点です。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_reduction.htm …

最新の記事 NEW ARTICLES

大雪山野生茶(生茶)2023年・2024年産 同時発売
大雪山野生生茶の2023年産と2024年産を発売しました。 2023年産については、マレーシアの倉庫で1年間熟成しております。 https://hojotea.com/item/d27.htm   雲南省でも入 …
佐渡無名異焼作家の渡辺陶三作:野坂粗土還元急須が入荷
野坂粗土還元焼成の茶器を発売しました。 今回入荷したモデルは、茶壺(後手急須)、フリーカップ、マグカップの3点です。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_reduction.htm …
佐渡島の渡辺陶三製作:野坂粗土酸化焼成の茶器が入荷
佐渡島の陶芸家、渡辺陶三氏による「野坂粗土酸化焼成」の茶器を発売いたしました。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka.htm   野坂は佐渡島の沢根にある地区名で、相川金山に …
2300mの野放茶園産、高山白茶を発売
高山白茶を発売しました。 このお茶の茶園には、次の2つの特徴があります。 1. 標高2200-2300mに位置する茶園 2. 完全に野生化したお茶の木で構成される野放茶園 非常に理想的な環境ゆえに、お茶の品質も素晴らしく …
標高2100mの無農薬・無肥料茶園産の高山紫茶2024
2024年産の高山紫茶を2種類発売しました。 https://hojotea.com/item/d53.htm 2種類とも、同じ生産者が同じ地域内に保有する茶園の茶葉ですが、茶園の位置が異なり、また、生産日も異なります。 …
大雪山野生茶(普洱生茶)2024の散茶を限定発売
大雪山野生茶は、雲南省臨滄市永徳県の大雪山に自生する野生のカメリアタリエンシスから作られたプーアル生茶です。 野生茶とは 野生茶とは、樹齢が高いお茶や野生化したお茶ではなく、山に自生している天然のお茶を指します。 過去に …
鳳凰単叢烏龍茶の産地、潮州市鳳凰鎮を訪問(2024)
先月、鳳凰単叢烏龍茶の産地である潮州市鳳凰鎮へ、仕入れと生産者との打ち合わせを兼ねて出張しました。ちょうど台風の時期と重なり、山から潮州に戻れなくなるなどのハプニングもありましたが、無事に仕入れを終えました。鳳凰鎮にはこ …
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥急須、宝瓶各種入荷
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥の茶器が入荷しました。 今回入荷したのは、丸型宝瓶、急須、絞り出し、茶海です。 https://hojotea.com/item/maekawa_iga.htm 数百年前に古琵琶湖の湖底に沈殿した …
佐渡島:渡辺陶三作、無名異上赤茶壺と宝瓶が入荷
渡辺陶三氏作の無名異常赤急須および宝瓶が入荷しました。今回の入荷品は、後手タイプが中心です。 https://hojotea.com/item/tozo_joaka.htm 非常に稀少な上赤 「上赤」は、佐渡島の相川金山 …
非常に稀少な野生茶、永徳野生白茶2024を発売
永徳野生白茶を発売しました。このお茶は2021年に一度発売されましたが、瞬く間に売り切れ、その後の入荷はありませんでした。質が高く、個性的な香りで当店でも非常に人気の高いお茶です。 永徳野生茶は、雲南省臨滄市永徳県で、牛 …

PAGETOP