• ホーム >
  • お茶のコラム-雑学-歴史-文化

中国でバスの事故
私はお茶の仕入れのために中国へは頻繁に足を運びます。私にとって産地へ足を運ぶのは重要な仕事の1つで、日本のオンラインショップとマレーシアの店舗販売用の茶葉原料を仕入れるのが目的です。私は1年の内、合計すると1ヶ月半から2ヶ月位を産地で過ごしている計算になりますが、中国国内での移動には殆どバスを使用します。私が主に行く地域は山間部が多く、バスが唯一の交通手段であるためです。バス以外の選択肢がないにもかかわらず、中国ではバスの事故が非常に多く、バスでの移動はかなり危険を伴います。

潮州から厦門に移動する際に事故に遭遇

今回の鳳凰単叢烏龍茶の仕入れの旅でも私の乗ったバスは事故に遭遇しました。
今回の事故は、自動車専用道路にもかかわらず、車線を逆走してきたバスが右折しようとしました。(中国は左ハンドル)にもかかわらず私の乗ったバスの運転手は意図的に減速しませんでした。お互いにどちらかが妥協すると思っていたのでしょうが、どちらのドライバーも妥協せず、結局、激突しました。激突はかなり激しく、フロントガラスは割れ、乗客は鼻血を出したり、歯が折れたり、社内は騒然となりました。車内に居合わせたイギリス人と話をしましたが、彼は今回でバスの事故にあうのは3回目だそうです。以前遭遇した事故では、人が外に飛び出したそうで、今回の事故は未だマイナーなケースだと言っておりました。

事故後の驚きの対応

しかし私が一番おどろいたのはその後の対応でした。直ぐに代わりのバスが来ると思いきや、待てど暮らせどバスが来ません。バスの運転手と車掌は、乗客に問い詰められ、オロオロと電話をかけているばかりでした。多くの乗客は、厦門で高速鉄道に乗る予定だったようで、皆殺気立っておりました。
警察が来たのは事故から1時間30分後、それも遠巻きに写真を何枚かとり、3分ほどでそそくさと引き上げてしまいました。警察はバスの中すらのぞきませんでした。事故当時、台風が接近していたことから外は雨だったのですが、レッカー会社はバスを修理に持って行きたいといいだし、早くその場を離れたい運転手の思惑とも同調したことから、乗客は雨の中外に降ろされ、バスは去ってゆきました。レッカー会社の人は、「もうすぐ大雨になるから、近所に停車しているバスにお願いすれば雨宿り位させてらえるかもしれませんよ」と言い残して去ってゆきました。「おまえがバスを持っていかなければ良いんだろう?」と私は呆れるばかりでした。

バスを修理するからと、乗客は全員降ろされました。

早い者勝ち

バスが去り、雨の中バスの車掌と乗客のみが取り残されました。いつまでたっても代わりのバスが見つからず、一瞬、「チケット代を返すから皆、後は各自で対応してください。」と車掌が言い出しました。ただ、流石に乗客達も、その状況を許すはずもありません。乗客の激しい抵抗により最終的に11人乗りの「バン」が手配されました。さっきまで大型バスに乗っていただけに、「バンでは乗客が乗り切れなないだろ!」とまたも乗客と激しく口論になり、何とか2台目のバンも手配されました。

1台目のバンが来たときは、先を争うように男性達が乗り込み、気が付けば女性と子供だけが取り残されておりました。私は2台目のバスに乗ったのですが、私以外は全員女性でした。

厦門の場合、バス停や空港があるのは島内です。ただし、島内の中心部に行くにはインターをおりてから1時間位走る必要があります。ところが、インターをおりた時点でバンの運転手は、「もうここでいいでしょ?」と言い出しました。まだ、目的地に着いてないのに「おりろおりろ」としつこく、再び乗客と大口論になりました。幸い、潮州出身の女性は非常にタフな人が多く、ドライバーはこてんぱんに言い負かされておりました。無事にホテルに着いたのは予定よりも半日遅れでした。

取り残されたのは女性ばかり

中国人に思いやりの心がないわけではない

この記事から勘違いして頂きたくないのは、中国の人にも思いやりの心があるし、良い人たちは沢山おります。ただ、会社で問題が発生した際、それに対応するための適切な仕組み・マニュアルが欠如しているように思います。そうなると、仕事中に起きた事故でも個人の責任で解決しなければならなくなり、当事者は会社と乗客の板挟みになります。そうなると当事者としては自己保身に走ってしまうため、今回のような対応になってしまうのかもしれません。ただ1つ言えるのは、中国におけるバスの運転手の多くは、あまりに危険運転のしすぎです。人の命を預かっているという意識は明らかに欠如しているように思います。

今回の事故で学んだこととしては、今後。安全性を重視した移動計画を立てることが大切と思いました。中国では自分の身は自分で守るしかないと言うことです。移動距離、移動手段、使用する道路の質、また、チケットを購入するタイミングも重要です。出発ギリギリに買うと一番後ろの席になりやすいので、それだけは避ける必要があります。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

大雪山野生生茶2025年版 散茶少量入荷のお知ら
大雪山野生生茶2025年の散茶を発売しました。 https://hojotea.com/item/d27.htm 今年は生産できた量が非常に少なく、雲南省の標高2000mを超える山林に自生する茶樹から、毎年春にごく限られ …
白岩山古樹生茶2025 散茶|標高2300m・限定量入荷
白岩山高山茶2025の散茶を発売しました。 白岩山は、私たちがプーアル茶を製造している産地の中でも最も標高が高く、標高2300mの茶園から茶葉を収穫しています。 非常に限られた数量のみの入荷となっておりますので、ぜひお早 …

最新の記事 NEW ARTICLES

大雪山野生生茶2025年版 散茶少量入荷のお知ら
大雪山野生生茶2025年の散茶を発売しました。 https://hojotea.com/item/d27.htm 今年は生産できた量が非常に少なく、雲南省の標高2000mを超える山林に自生する茶樹から、毎年春にごく限られ …
白岩山古樹生茶2025 散茶|標高2300m・限定量入荷
白岩山高山茶2025の散茶を発売しました。 白岩山は、私たちがプーアル茶を製造している産地の中でも最も標高が高く、標高2300mの茶園から茶葉を収穫しています。 非常に限られた数量のみの入荷となっておりますので、ぜひお早 …
雲南省の自然栽培茶で作った釜炒り緑茶
雲南春尖緑茶を発売しました。 標高2100mにある自然栽培のお茶を原料とした、プーアル茶クラスの長い余韻が特徴のお茶です。 雲南省という比類なき茶葉原料の産地 私はお茶の会社を創業して20年間の間、あらゆるお茶産地を訪問 …
産地の潮州・汕頭で人気の鳳凰単叢八仙2022を発売
2021年以来となる鳳凰単叢八仙の新ロットを発売いたします。 今回発売するお茶は、2022年産のお茶です。数年の熟成期間を経て非常に良い状態に仕上がりましたので、販売することにいたしました。 https://hojote …
大雪山野生白茶 散茶 2025年産の新茶を発売
大雪山野生白茶2025を発売しました。 https://hojotea.com/item/w11.htm 雲南省の山に自生するカメリアタリエンシスを原料に、今年も現地で原料選別から製茶まで関わって生産しました。 野生茶な …
2025年産の古樹白茶と古樹白牡丹を発売
2025年産の古樹白牡丹と古樹白茶、2種類を発売しました。 いずれも無農薬・無肥料で作られたお茶です。 実は少し前から販売していましたが、公式にはお知らせしていなかったため、本記事を書きました。 生産者と共に作り上げるお …
東山生茶2024年産餅茶を発売
東山生茶2024の餅茶を発売しました。2024年産の東山は、以前に散茶を発売し、短期間で売り切れとなりました。今回発売する2024年産の餅茶は同じ原料から作られたお茶です。餅茶は作りたては香りが比較的穏やかな傾向がありま …
雲南省の自然栽培茶を使った薪火釜炒り焙じ茶の開発
現在、私たちは雲南省に滞在し、お茶の生産に取り組んでおります。シーズンも終盤に差しかかっていますが、この時期は特に成長が遅く、質の高いお茶が収穫期を迎えるため、最後まで気が抜けません。プーアル茶と紅茶の製造を主軸としなが …
料理から見る雲南の多様性:少数民族・四川料理の交差点
雲南省に長期滞在してお茶を作っているわけですが、雨の日や生産予定の無い日は、近隣の街のホテルに滞在しております。 ホテルに滞在しているときは、外食するのですが、私達にとって、現地での食事はお茶作りと同等に興味があり、非常 …
渡辺陶三作:秋津無名異、野坂粗土急須他入荷
佐渡島の無名異焼作家、渡辺陶三氏の茶器が多種類入荷しました。 今回は、特に、秋津無名異酸化焼成と野坂炭化還元の急須・茶壺が多数入荷しました。 https://hojotea.com/categ/teaware.htm 秋 …

PAGETOP