無名異焼
台湾や中国を旅行中、旅先で飲んだお茶の味が美味しかったため、同じお茶を買って帰ったものの現地で体験したような香りじゃなかったという経験はありませんか?このような場合、現地の茶商にだまされたと考えがちです。しかし、多くの場合、だまされているわけではなく、現地でお茶をいれるのに使用した水の水質と自宅で使用した水の水質の違いが原因であることが殆どです。
私の場合、年間を通じて様々なお茶の産地を訪問しますが、多くの場合自社の商品サンプルを品質指標として持参します。自分で販売しているお茶だけに、味香りについてはしっかりと分かっているお茶な訳ですが、中国や台湾の水でいれると、今まで飲んだ事もないような味になることがあります。

美味しいお茶の産地は、水も美味しい

中国でも台湾でも、歴史的に有名なお茶の産地は概して水が美味しく感じられます。美味しいと言っても規準は沢山ありますが、美味しい水はボディがしっかりしており、同時にほどよいレベルのコクがあります。これは土に含まれるカルシウムや鉄分のバランスが関係します。特にカルシウムの存在はお茶の香りを豊かにし、また、ふくよかでボディのある味を作り出します。特に発酵茶を飲む際にはボディ(ふくよかさ)がとても重要です。発酵茶の場合、香りが重要な個性であるため、ボディは香りが口いっぱいに広がる感覚を引き出す上で重要なようそです。

良い水を探し求める代わりに、茶器を使ってお茶の香りを高める

良い水が手に入れば日本にいながらにして、台湾や中国で味わったような味香りがたのしめる訳です。ただし、誰もがボディ豊かな水を得られるわけではありません。良い水を常に入手するにはかなりの苦労、更には知識が必要になります。
良い水を探し求める代わりにお勧めするのが、ボディを高める性質のある土から作られた茶器を使ってお茶をいれることです。カルシウムミネラルを多く含む土から作られた茶器をつかってお茶をいれることで、例えボディが軽めの水を使用しても、お茶は強いボディで広がりのある香りへと変化します。例えば、私が販売している茶器のなかに、清水謙氏作の無名異土というシリーズがあります。無名異土は佐渡島の相川金山周辺で採掘された、鉄分を豊富に含み、原土の状態では赤~オレンジ色をした土です。この土は不思議にボディ・ふくよかさを増し、お茶の香りを豊かにする性質があります。特に、ダージリンや台湾の烏龍茶のような香りが重要な烏龍茶を無名異土でいれた場合、驚くほど華やかな香りへと変化します。
古琵琶湖

無名異土のアップグレードに成功

昨年、無名異土の性能をより高めることに成功しました。これまでボディ豊かな性質の土だったのですが、コクについてはやや不足気味に感じられました。そこで、精製方法を見直すことで土をより細かくしました。土が細かくなると、陶器を構成する粒子も細かくなることから、より多孔質へと変化し、表面積が大きくなります。この改善をしたことで、無名異土のコクが飛躍的に強くなり、同時にボディについても以前よりも強くなりました。無名異土以外にも、古琵琶湖土や近日中に発売予定の、渡辺陶三氏作の無名異上赤はボディを高める性質があります。

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