ブドウのような甘いフルーツ香がする鳳慶野生白茶を発売

[2015.06.18] Written By

カメリアタリエンシス種の野生のお茶を用いて白茶を作りました。鳳慶野生白茶(フォンチン/フェンチン)の名称で発売しました。

地図中の赤丸の地域が鳳慶です。

紅茶の産地で有名な鳳慶の山奥で採れた野生茶

HOJOでは既に幾つもの野生のお茶を発売しておりますが、「野生」と名の付くお茶は、自然の山に生えているお茶で、農家で作ったお茶ではありません。
鳳慶野生白茶は臨滄の鳳慶という地域の山に自生する野生茶です。鳳慶という地名は知っている人には非常によく知られている地域です。実は鳳慶は雲南紅茶の有名産地です。
ただ、鳳慶野生白茶は紅茶とは全く関係無く、鳳慶の奥地にある山で収穫されました。

アクセス困難な地域ゆえに限定量のみ入手

実はこのお茶の産地は非常に切り立った山の奥地であることから、アクセスが容易ではありません。今年のシーズン前、生産者に特注依頼をするために訪れたのですが、その後、このお茶が生産できるかどうかが分からない状況が暫く続きました。と言うのも、3月の末に雨が何日か続いたこともあり、山道が非常に滑りやすく、現地に行くことが非常に困難な状況となりました。その結果、お茶摘みを依頼していた農民が、行くのを渋りだしました。幸いにもその後天気が続いため、何とか、お茶積みをして貰うことが出来ました。このような状況から予定していた数量よりも少ない量しか仕入れることができませんでした。

毛茶の状態の鳳慶野生白茶

毛茶をいれたところ

嵩の点と熟成保存のために緊圧

最初は散茶の状態で販売することも検討していたのですが、カメリアタリエンシスの野生茶はもともとの茶葉のサイズが大きく、嵩がありすぎることから、当初の計画を変更し、餅茶に緊圧することにしました。出来上がった茶葉は迷彩色の服のようなカラフルな色をしており、ある意味非常に美しい茶葉です。緊圧したもう一つの理由は、白茶は熟成によりフルーツのような香りを形成するためです。

味重視のため長時間の萎凋

近年、中国で最も白茶が生産されるのは福建省です。近年の福建省における白茶の傾向としては、見た目が異常に気にされます。福建省のお茶市場へ行くと、多くの人は見た目で白茶を選んでおり、そのことは白茶の生産方法にも影響しております。白茶は本来長時間萎凋をした方が、味がまろやかになり、甘みが増し、舌に残るざらつきも減少します。しかし、見た目を重視した場合、短時間の萎凋で仕上げた方が、緑色が残り見た目は美しくなります。
私はあくまで味香り重視で作りたかったため、萎凋に関しては3日間、多くの茶葉が褐色化するまで萎凋しました。このために、鳳慶野生白茶の外観は軍隊の迷彩服のようになっております。ただ、ひとくち飲まれると、長時間萎凋をする意味を理解して貰えるはずです。

野生白茶

これまでに体験したことのない香り

鳳慶野生白茶を初めて飲んだときは正直衝撃を受けました。味は非常に透明感があり、やわらかく、ふくよかさと深い喉越しを伴います。人によって感じ方は異なるでしょうが、若いマンゴ、蘭の花のような、ブドウのような、パイナップル、ライチの香りを伴う、お茶とは思えないような甘い香りがします。香りがあまり強く感じられない一般的な白茶とは一線を画し、花やフルーツの香りが明瞭に感じられます。もちろん、熟成を加えることで、より濃厚な香りに変化するのでしょうが、私としては今のままの香りでも十分に満足です。もし熟成をすることで、より濃厚な香りを作り上げたい場合、未開封の状態で3年ほど保管されることをお薦めします。もちろん、3年以上保管しても良いのですが、3年も保管すれば十分に変化を体感できるはずです。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

この記事に関連するHOJO Teaの商品


関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …

最新の記事 NEW ARTICLES

単株茶を含む2022年産の鳳凰単叢老欉を3種類発売
単株を含む、鳳凰単叢の老欉を3種発売しました。今回発売したお茶は以下の三種類です。何れも標高1200mの茶園産の茶葉原料から作られており、濃厚な香りと深い後味がする素晴らしいお茶です。 鳳凰単叢老欉夜来香 2022 鳳凰 …
東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …
雲南省の稀少茶、大雪山野生白茶2024を発売
大雪山野生白茶2024の散茶を発売しました。 このお茶は、私達が実際に現地雲南省の産地に滞在し、現地で生産管理しながら作り上げたお茶です。 雲南省における野生茶の定義 これまで何度も説明しておりますが、雲南省 の人々は例 …
HOJO独自の新製法で実現した香り高い紅茶:雲南での挑戦
雲南省に1.5ヶ月滞在した期間中、良質な白茶やプーアル茶の生産はもちろん重要な課題でしたが、今回の大きな目標は、小ロット生産にも対応した新しい紅茶の生産方法を開発することでした。 一般的に雲南紅茶といえば、当店のラインア …
2024年の雲南省お茶シーズン:予想外の気温と収穫の混乱
長い雲南省の仕入れを終え、現在マレーシアのクアラルンプールに滞在しております。輸入したお茶の評価や海外用のお茶の発送など細かな手配が必要なため、クアラルンプールの会社に来月まで滞在予定です。 今年はシーズンの最初である3 …
2024年の白茶:理想的な天気と現地滞在で品質は上々
私たちが雲南省で力を入れているお茶の一つは白茶です。白茶は昔から、福建省と雲南省で作られてきました。 福建省の白茶は製茶はよく管理されている反面、慣行農園方式で肥料を用いた農業をしているため、原料の質に関して、私は満足で …
雲南のおもてなし文化:食事に込められた思い
中国では、挨拶代わりに「你吃饭了吗?」、つまり、「ご飯食べた?」と言うのが一般的ですが、雲南省にいると、色んな局面で、「吃饭」「吃饭」、ご飯食べていきなさいと言われます。ただ、長く雲南省に携わると、これらのご飯への誘いは …
野生茶を求め雲南省臨滄市南西部の山村へ
現在、雲南省臨滄市の南西部にてお茶の仕入を行っております。 当店にとって重要な商品の1つに野生茶があります。野生茶は製茶はもちろんですが、原料確保が一番大きな課題です。 今回、新たに野生茶が有る場所があるらしいと言う情報 …
雲南省のお茶産地にてプーアル茶、白茶、紅茶の生産
3月24日から中国の雲南省臨滄市の南西部、永德、鎮康県にてお茶の仕入れ、生産を行っております。 雲南省は世界一と言っても過言で無い極上の原料がある反面、生産に対する管理が甘いため、出来合のお茶を仕入れたのでは、理想とする …

PAGETOP