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日本でも昔作られていたプーアル生茶
- [2014.10.29] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
日本でも昔からプーアル茶が作られていた事をご存じでしょうか?この質問をすると、多くの人が乳酸発酵茶である「碁石茶」、「阿波番茶」等を連想されると思いますが、これらのお茶はプーアル茶とは性質の異なるお茶です。雲南省には太古の昔より、お茶を漬け物のように乳酸発酵させた食品がありました。上記のお茶は雲南省やミャンマーの少数民族に伝わる漬け物を起源としており、プーアル茶とは全く関連性がありません。では、日本で作られていたプーアル茶とはどのようなお茶なのでしょうか?プーアル茶の生産方法を理解するとその答えが見えてきます。
プーアル茶には生茶と熟茶がある
プーアル茶には「生茶」と「熟茶」と呼ばれるお茶があります。この2つの種類のお茶は何れもプーアル茶と呼ばれこそするものの、全く異なる製法により作られ、性質も全く異なるお茶です。実際、雲南省におけるもっとも伝統的なプーアル茶は生茶をさします。700-800年の歴史を有する生茶に対し、熟茶は1970年代に開発されたお茶で、40年程度の歴史しかありません。プーアル熟茶はプーアル生茶を原料として、微生物発酵によって作られます。よく見かける茶色の水色のお茶はプーアル熟茶と呼ばれるお茶です。
プーアル生茶の製法は基本的に緑茶と同じ
生茶は基本的に緑茶と製法が全く同じです。唯一の違いと言えば、人により殺青をやや軽めに行う点、乾燥を天日で行う点です。以下に緑茶とプーアル生茶の製法の違いを示します。製法を見る限り、基本的にプーアル生茶は緑茶の一種と言えます。プーアル生茶の茶葉は緑色をしており、新茶の水色はクリーム色をしております。緑茶は機械による熱風乾燥であるのに対し、プーアル茶は天日乾燥です。天日乾燥の場合、1日かけてゆっくり乾燥するため、その間、成分のマイルドな酸化や微量に残存している酵素による酸化発酵が行われます。それに対し、緑茶は短時間で乾燥します。作り方を見る限りは、プアール茶は緑茶の一種と言えます。
- プーアル生茶:萎凋(ごく短時間) → 殺青(釜炒り)→ 揉捻(お茶を揉むこと)→ 天日乾燥
- 緑茶 :萎凋(ごく短時間、日本茶の場合は萎凋無し)→ 殺青(釜炒りまたは、蒸す)→ 揉捻 → 機械乾燥
日本でも無意識に作られていたプーアル生茶
日本のお茶生産ですが、昔は全国各地の各農家にはお茶の木があり、自家用のお茶は各家庭で作られておりました。各家庭単位でお茶を作る場合、
蒸し or 釜炒り → 手揉み → 乾燥
の手順で作られますが、昭和の初期などは各家庭には乾燥機等あるはずもなく、家庭によっては天日による乾燥が行われておりました。天日乾ししたお茶は、製法的にも他でもないプーアル生茶です。

ときどきプーアル生茶生茶を初めて飲まれたお客さんから、「昔実家で飲んだ緑茶にそっくり」という意見を聞くことがあります。ある意味、プーアル生茶は緑茶のもっとも原型となる製法であり、プーアル生茶に準ずる緑茶は雲南省だけでなく日本各地でも作られていたものと思われます。
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