奈良月ヶ瀬の紅茶と緑茶がもうすぐ入荷!

[2017.06.03] Written By

先週、奈良県の月ヶ瀬のお茶生産者を訪ねました。この時期はちょうどお茶の収穫シーズンの最中であり、茶園や加工現場を見ながら特注のお茶について詳細な打ち合わせをすることが出来ました。今年、月ヶ瀬のお茶から仕入を計画しているお茶を幾つか紹介したいと思います。

特別にお願いして実生のお茶のみを使用

私の仕入れ先である月ヶ瀬のお茶生産者は無農薬による農業にこだわっております。また、肥料に関しても、植物(草木)由来の堆肥のみと、徹底した自然栽培を実施しております。私が仕入れているお茶は、特定の茶園のみからのみ茶葉を回収し、生産していただいております。特に私がこだわっているのは「実生」といって、種から撒かれたお茶です。世の中一般では「在来種」と呼ばれるお茶です。世の中にはヤブキタを初め、ベニフウキ、オクミドリなどのような様々な品種がありますが、基本品種物のお茶はクローン栽培、つまり、挿し木や接ぎ木で作られております。実生のお茶との違いは根の形状に現れます。実生のお茶は、根が真っ直ぐと地中深くに伸びるのに対し、挿し木で作られた品種物のお茶の根は地表付近を横に広がります。お茶の後味の濃さに影響するミネラルやポリフェノールを重要視する私にとっては、地中深くまで根を伸ばす実生のお茶がとても重要なのです。以下、今年特注生産を行ったお茶です。

マスカテルフレーバーのする紅茶

今年は月ヶ瀬のお茶で紅茶を特注しました。白茶を作るときのように甘い香りで室内が充満するほどに長時間萎凋し、その香りを最大限に活かすために、短めの発酵時間にて仕上げました。強い蜜香(マスカテルフレーバー)がするお茶を作りました。

お茶の萎凋

お茶の発酵

浅揉み煎茶

お茶を揉む作業は、熱を伴い、また、揉めば揉むほど細胞が空気に触れやすくなるため、お茶はより酸化します。出来るだけ生のお茶の香りを逃がさず、何煎もいれられるお茶を目指し、今年も浅揉み煎茶を特注しました。今年はお茶を風通しのよい林に置くことで自然なレベルでの萎凋を行い、更に、蒸す時間を極力短くすることで、より強いフローラルな香りを引き出しました。

月ヶ瀬在来煎茶

HOJO定番の月ヶ瀬在来煎茶です。月ヶ瀬の地域は数百万年前は琵琶湖の湖底でした。その後琵琶湖が今の位置に移動すると同時に当時湖底だった地域は川などで浸食されました。現在、鉄分を多く含む当時湖底にあった粘土質の赤土は山の頂上にのみ残っているため、高い品質のお茶を作るためには、①山の頂上、②老木、③無窒素肥料(もちろん無農薬)の茶園であることがポイントとなります。HOJOの月ヶ瀬在来煎茶は特に理想的な茶園産のお茶を特別に分けていただいており、「うまみ」ではなくお茶本来の味、ミネラルによる長い余韻が強く感じられるお茶です。日本国内だけでなく、クアラルンプールの店舗、また、ヨーロッパやアメリカのワインを好まれるお客様に特に喜ばれているお茶です。

月ヶ瀬在来洗茶用の茶葉が摘まれた直後の茶園

以上のお茶ですが、入荷後、乾燥や必要に応じて低温による火入れ処理を行ったのち、順次発売をしたいと思っております。

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