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現地発!2018年の雲南省のプーアル茶の状況
- [2018.04.04] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
3月31日より雲南省へ来ております。数日こちらに滞在し茶園や生産者を訪問したことで、今年の雲南省におけるお茶の詳細情報を入手しましたのでレポートしたいと思います。
標高は高品質のお茶の必須条件
私が現在いる場所は、臨滄の南西部の鎮康県周辺です。日本から出発した場合、早くて2日、不慣れな人だと3日は移動にかかる場所です。この周辺は2000m級の茶山が数時間内の距離に豊富にあります。無肥料無農薬の老木からなる茶園が多く残っており、良質な原料の宝庫と言える場所です。
お茶の収穫時期は年ごとに変化
通常、お茶の収穫時期は年ごとにぶれます。農作物は陰暦に準じて成長すると言われているため、私達が使っている陽暦のカレンダー毎年ブレが生じるのはごく自然と言えます。また、中華正月以降の、雨の量がお茶の成長に大きく影響することから、毎年新茶の収穫時期は同じではありません。
比較的低地のよく手入れされたお茶の木(自然栽培ではないお茶の木)
昨年は中華正月〜4月まで殆ど雨が降らず、加えて、低温が続いておりました。4月上旬に入りようやくお茶が成長を始めたのですが、4月の中旬〜5月の末まで雨が降り続いたことで、生産量が極めて少なく、その結果、多くの加工業者に関し新茶の生産量は例年の1/3程度でした。今年も中華正月以降殆ど雨が降っておりませんが、気温は高めに推移しております。この為、お茶の成長は昨年と同じく遅れているものの、収量は昨年よりも多くなると予想されております。ただ、値段に関しては、今年も少なからず昨年の影響を大いに受けており、昨年の分も取り返そうとする生産者の思惑が価格に反映しており、どの産地を見てもお茶の販売価格が20%ほど上昇気味です。但し、実際に茶園をまわり生茶の取引価格を調査すると、昨年とほぼ同じかやや高い程度であり、恐らく、よりシーズンが進むことで例年並みの値段に落ち着くと思われます。但し、野生茶に関しては値段がじわじわと上昇しております。野生の紅茶の需要が増加し、原料の取り合いとなっている事が影響しております。
若いお茶の木は成長が早いのが特徴です。
良いお茶ほど後に出てきます
臨滄地域では既にプーアル茶の生産が始まっております。中国では、緑茶に関し、清明節の前に収穫されたお茶を「明前茶」と呼び珍重する傾向があります。この慣習ゆえに、プーアル茶にも同様の概念を当てはめる人がおります。また、「お茶の品質は早い程良い」と考えている業者も少数ですが存在し、早摘みのお茶は比較的高い値段が付きます。但し、早摘み=低い標高&若い木&肥料栽培です。現在摘まれているお茶は1300m〜1600m程度の標高の比較的若い木からなる茶園産で、正直あまりよい品質ではありません。私が予約している2000-2400mクラスの茶園産のお茶の収穫は、あと2週間か3週間先になりそうです。
シーズン前に産地入りすることで生産条件を打ち合わせ
私の場合、雲南省で仕入れているお茶の殆どを特注で作っております。原料及び、生産のパラメーターを全て指定し、生産予約をすることで欲しいお茶を腕のよい茶師に確実に仕上げて貰っております。但し、お茶のシーズンが始まる前に入念に打ち合わせをする必要があり、それゆえに、シーズン前に現地入りをしております。特に雲南省の人は、実際に顔を見ると、ようやくエンジンがかかる傾向があり、シーズン前に産地に来るのはとても重要です。
大雪山野生白茶の萎凋工程:今年は非常に理想的な商品が出来そうで嬉しいです。
また、銀針のような単芽からなる白茶や、野生茶の生産は今が生産のピークを迎えており、ここ数日は、特注で作ったお茶の品質確認作業に追われておりました。
大雪山野生プーアル茶は必要量を作り上げ、既に仕入れを完了しました。理想的な仕上がりに満足しております。
今年の課題は生産→緊圧→出荷の時間短縮により鮮度を維持すること
今年はお茶の生産から緊圧までの時間を短縮することで、新鮮なお茶の香りを最大限に保ちつつ日本に届けたいと思っており、その為に、生産後1週間以内に緊圧を行い、現地で立ち会い、餅茶の品質を再確認した上で、即出荷してしまおうと考えております。
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