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緑茶の効果と効能
緑茶には、たくさんの効果効能があることが分かっています。健康や美容に役立つ成分がたっぷり入っているのです。気になる緑茶成分の特徴や、効果的な飲み方を解説しています。おいしく続けられる緑茶選びの参考にしてください。

緑茶の成分と効果効能

様々な成分が含まれている緑茶は、おいしいことはもちろん、効果効能も注目されています。緑茶に含まれている成分と、その特徴を解説します。

がん予防に、コレステロールに、抗酸化作用に、注目のカテキン

カテキンは緑茶特有のポリフェノールで、スッキリとした透明感のある味のもとでもあります。緑茶に含まれる成分の中でも特に注目度が高いカテキンは、たくさんの働きがあると分かっているのです。

代表的なのはがん予防の働きです。カテキンの活性酸素を消去する作用・突然変異を抑える作用によると、考えられています。

また、血中コレステロールを低下させる働きも知られています。緑茶を多く飲む人ほど血中コレステロール値が低いということが分かっているのです。

病気や老化につながる活性酸素を消去する抗酸化作用も、カテキンの特徴です。

抗ウイルス効果が期待できるカテキン・ストリクチニン

カテキンには、抗ウイルス効果があるという研究結果が報告されています。実験ではインフルエンザA・B型はもちろん、新型の感染を抑制するという働きも認められました。

つまり、緑茶のカテキンは、これまでになかったウイルスにも対抗できる可能性があるのです。

また、緑茶のポリフェノールにストリクチニンというものもあります。こちらもカテキン同様に抗ウイルスの働きが認められている成分です。

二日酔いにカフェイン

カフェインは眠気をすっきりさせるだけでなく、二日酔いにも役立ちます。アルコールの代謝がスムーズに行われるからです。

アルコールは体内に入ると、まず肝臓でアセトアルデヒドに分解されます。次に酢酸に分解され、全身の筋肉や脂肪組織で水と二酸化炭素に分解され、体外に排出されるのです。

二日酔いは、アセトアルデヒドの分解が不十分だと起こります。カフェインは、この不十分な分解をサポートするのです。

睡眠の質改善にテアニン

アミノ酸の一種であるテアニンには、リラックス効果があるといわれています。テアニンを摂取すると、リラックス時に表れるα波が出現するのです。

テアニンについての研究では、摂取後の睡眠に対する満足度が高くなる、という結果が出ています。起床後のすっきり感が高まり、実際の睡眠時間よりも長く眠っていた、と感じる人もいるそうです。

美容にも健康にも嬉しいビタミンC

緑茶にはビタミンCがたっぷり含まれています。同じお茶でも紅茶にはビタミンCが含まれていませんし、烏龍茶にもごくわずかしか入っていません。

ビタミンCには抗酸化作用があることが分かっていますので、様々な病気の予防に役立つことが考えられます。

また、コラーゲンの生成にも必要な成分です。そのため、美容にも健康にも役立ちます。

アンチエイジングに役立つビタミンE

抗酸化作用があることで知られているビタミンEは、アンチエイジングに役立ちます。

老化は酸化と言い換えることが可能です。細胞が酸化することで、シミやシワなどができます。ビタミンEには、その酸化を抑える働きがあるのです。そのため、アンチエイジングに役立ちます。

また、酸化は、生活習慣病にも関わるものです。ビタミンEは、病気の予防につながる成分といえます。

歯を強くするフッ素

歯を酸に強い膜で覆うフッ素は、虫歯予防に役立ちます。フッ素そのものに抗菌作用があるので、虫歯菌が増殖するのを抑える働きも期待できるのです。

また、歯の再石灰化を促す働きも確認されています。フッ素には、歯そのものを強くする働きがあるのです。

フッ素は、若芽よりも成長した葉に多く含まれる成分です。そのため、フッ素のより多く含まれている緑茶を飲むなら、一番茶より番茶をおすすめします。

緑茶の種類別とれる成分の特徴

一口に緑茶といっても、その種類は様々です。煎茶・深蒸し茶・釜炒り茶・番茶・粉茶・玉露・抹茶など、たくさんの緑茶があります。

それぞれ製法や、茶摘みの時期が違うので、同じ緑茶でも含まれる成分は違います。成分を意識して緑茶を飲むなら、茶種による違いを意識して選ぶと良いでしょう。

テアニンたっぷりの玉露

玉露はテアニンをたっぷり含んでいます。それは、玉露が「被覆」といって、日光を遮る覆いの中で育てられているからです。

覆いがされることで、テアニンがカテキンへ変化するのを抑えられます。その結果、玉露はテアニンたっぷりに仕上がるのです。

テアニンを意識して緑茶を飲みたいなら、玉露を選びましょう。

抹茶はビタミンEもたっぷり

抹茶は原料である碾茶という緑茶を粉末にしたものです。飲むときには、お湯を加えて茶筅で撹拌します。

ビタミンEはお湯に溶けない成分です。そのため、お茶の葉を丸ごと飲める抹茶は、ビタミンEもたっぷりとれます。

お茶の葉そのものに含まれているビタミンEの分量は、抹茶よりも煎茶の方が多い、というデータがあります。しかし、煎茶はお湯を注いでいれ、残った茶葉は捨ててしまうため、ビタミンEはほとんど摂取できません。

ビタミンEを意識して緑茶を飲むなら、抹茶が最適というわけです。

緑茶の成分を引き出す!おいしい緑茶のいれ方

効果効能を意識して緑茶を飲むなら、積極的に摂取したい成分によって、いれ方を変えましょう。ポイントはお湯の温度です。緑茶の成分は溶け出しやすい温度がそれぞれ違います。その性質を利用して、おいしく効果的な緑茶をいれましょう。

カテキンをとるなら高温でサッと

抗酸化作用や血中コレステロールの低下など、様々な働きが知られているカテキンは、80度以上の高温でお湯によく溶け出します。カテキンを積極的に摂取したいなら、お湯の温度は高温がおすすめです。

高温でいれる場合には、通常の蒸らし時間だと苦くなり過ぎてしまうことがあります。通常の蒸らし時間が1分なら10~30秒にする、といった具合に、蒸らし時間を少し短めにすると、おいしく仕上がるでしょう。

テアニンをとるなら低温でじっくり

リラックスや睡眠の質向上に役立つテアニンは、50度くらいのお湯で溶け出します。そのため、テアニンをたっぷり摂取したい場合には、ぬるめのお湯で緑茶をいれるのがおすすめです。

蒸らし時間は少し長めにして、じっくりいれると、旨味のある味わいに仕上がります。

注意したいのは、ぬるめのお湯で緑茶をいれる場合でも、お湯は1度沸騰させたものを使うことです。沸騰させることで水道水のカルキ抜きができますし、味に甘みが出ます。

沸騰させたお湯を冷ますには、湯飲みを活用するのがおすすめです。湯飲みにお湯を入れると、約20度お湯の温度が下がります。これを目安にすると、温度の調節がしやすいでしょう。

過ぎたるは及ばざるが如し

健康や美容に役立つ成分がたっぷりの緑茶ですが、緑茶に限らず飲み過ぎには注意しましょう。健康的な食品である緑茶ですので通常の飲み方では一切問題にはなりません。しかし、例えば一日に100杯程度摂取した場合はどうでしょう?

飲むタイミングや同時摂取がおすすめの成分も解説するので、緑茶を飲むときの参考にしましょう。

タンニンが貧血につながる可能性

タンニンとは、ポリフェノールの親戚です。様々な働きが期待されているタンニンですが、飲み過ぎたり、飲むタイミングが悪かったりすると、貧血につながる可能性があります。

金属と結びつきやすいタンニンは、食事でとった鉄とくっつきやすい性質があるのです。その結果、鉄分が体に吸収されるのを邪魔します。

タンニンが貧血につながるのを予防するには、食事中や食後すぐの飲み物に緑茶を選ばないことです。緑茶は食間に飲むことをおすすめします。

シュウ酸のとり過ぎに注意

シュウ酸は、とり過ぎると尿路結石に結びつく可能性があります。尿の中に含まれるシュウ酸の量が増えることで、結石ができやすくなるからです。

尿中のシュウ酸を減らすには、カルシウムの摂取が効果的といわれています。カルシウムはシュウ酸と結びつき、腸からシュウ酸が吸収されるのを抑えるからです。

おいしいから飲む!緑茶習慣で自然体に健やかに

緑茶には、体に役立つ成分がたくさん含まれています。すごいのは、そうしたたくさんの成分を、日々自然と飲むだけで摂取できることです。

「健康のために!」「美容のために!」と気合を入れて続けようとするのではなく、まずは「おいしい」と感じる緑茶を探してみましょう。毎日飲めるおいしいお茶が、自然に健やかさを育んでくれます。

<参考サイト>
お茶百科
http://www.ocha.tv/
【対談】質の良い睡眠とは?テアニンとは?|伊藤園の公式オンラインショップ「健康体」https://www.kenkotai.jp/shop/pages/interview_vol51.aspx
お茶の成分分析表
http://minorien.jp/university/seibun.pdf
貧血の食事 | 食事療法のすすめ方 | 東京都病院経営本部
http://www.byouin.metro.tokyo.jp/eiyou/hinketsu.html
尿路結石症の食事(再発予防)
http://www.asahikawa-med.ac.jp/dept/mc/urol/25.pdf
カテキンの効果・作用 | 日本カテキン学会
http://www.catechin-society.com/effect_02.html

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