奈良県大和高原産の無農薬無肥料の自然栽培茶、都祁在来煎茶を発売

[2022.11.14] Written By

奈良県奈良市の都祁白石町(旧)産、無農薬無肥料の実生春摘み茶から作られた煎茶、都祁在来煎茶を発売しました。

https://hojotea.com/item/g48.htm

古代日本の中心地との説もある都祁

都祁(つげ)は、奈良県の北東部、大和高原に位置する地名です。かつて、都祁は都祁村でしたが2005年に奈良市に併合されました。
現在も、都祁は地名として残っており、都祁在来煎茶の産地は都祁白石町という地域になります。

都祁村は古代日本史を語る上では非常に興味深い地域です。
この地域には三陵墓古墳群史跡のような前方後円墳をはじめ、白石国津神社・雄神神社・都祁山口神社のような、古代日本と関わりの深い重要な文化遺産が点在しております。

多くの神社は大国主命との関わりが深く、この地域は旧出雲村だったとの説もあります。
古事記では、大国主命が天照大御神(渡来人と思われる)に葦原中津国(日本)を国譲りをしておりますが、その当時の日本の中心地(都)は都祁の辺りだったのかもしれません。

ミネラルが豊富な土壌

都祁在来煎茶の茶園は、国津神社・雄神神社から徒歩圏内の、山の斜面に位置しております。
古代の史跡が多く残る都祁は川などによる浸食を受けにくい土地であり、茶園周辺は粘土質で鉄分を多く含む、褐色森林土壌に覆われております。

都祁在来煎茶が極めて奥行きのある余韻を呈する1つの要因は、褐色森林土壌に含まれる豊富な鉄分ではないかと推察されます。

無農薬無肥料の茶園

都祁在来煎茶は、数十年以上、無肥料無農薬の自然栽培で管理された茶園で作られております。

都祁在来煎茶の茶園と生産者

私達は、生産者が保有する複数の茶園ごと、それぞれの品質を評価し、気に入った、単一茶園のお茶のみを仕入れております。


美味しいお茶を求めたとき、その答えは、「健康に育ったお茶」ではないかと私達は考えてます。
健康的な植物の代表は、自然の草木と仮定すると、健康なお茶とは、自然の植物に近い状態で育ったお茶と言えます。

自然の植物は、窒素源を生態系にのみ依存しており、限られた量の窒素で生きております。
しかし、肥料(窒素肥料)を与えると、植物細胞の窒素濃度が高くなります。その結果、お茶の木は大量の葉緑素を合成し、光合成を活発に行うことで、勢いよく成長しようとします。

肥料を施肥して栽培されたお茶は、成長速度が速く、細胞が肥大化することで、細胞密度が低くなります。
結果、収量が増えるかわりに、後味が薄くなり、奥行きの無い扁平な味になります。
肥料栽培のお茶は、例えるなら、人で言う所のメタボに近い状態と言えます。

化学肥料不使用を売りとしている生産者も散見されますが、私達は、化学肥料でも、有機肥料でも窒素肥料である限り、お茶への影響は同じだと考えております。
尚、同じ肥料でも、草や落ち葉から作られた、炭素性の肥料はお茶や野菜を自然な状態に維持するため問題ありません。

無肥料で栽培すると農薬も不要に

自然の草木を観察すると分かりますが、自然の草木は何も農薬を与えてないにもかかわらず、害虫も付かず、何年も元気に生き続けております。。

窒素系の肥料を与えるからこそ、植物(お茶)は昆虫を引き寄せるわけで、それゆえに、農薬が必要となるのです。
例えば、自然の草木であっても、肥料を与えた場合、葉が大きく、色は非常に濃い緑に変化し、同時に虫害を受けるようになります。

無肥料のお茶は、窒素濃度が低いことに加え、ポリフェノールやテルペンなどを多く含みます。これらの生理活性物質は、味香りに寄与する面が大きく、濃厚な味、フルーツや花のような香りを形成します。
虫が殆ど付かないため、自然の植物同様、消毒を必要としません。都祁在来煎茶の生産者も害虫が殆ど付かないという点を強調されておりました。

無肥料栽培のお茶は、成長が遅いため、活発な光合成を必要としません。この為、葉緑素が少なく、全体に黄緑色をしている点が特徴です。

実生のお茶

都祁在来煎茶は実生のお茶から作られております。
実生とは種から撒かれたお茶のことであり、日本では在来種と呼ばれます。
本来、在来種とはツキノワグマ、ニホンカモシカ、ヤマトイワナなど日本古来の動植物に対して用いる名称です。
お茶は元々、中国から渡来した植物であることから、在来種という名称は本来適切ではありません。とはいえ、日本のお茶業界では実生のお茶の事を在来種と呼ぶため、HOJOでも分かりやすく在来という名称を用いております。

ヤブキタ、オクミドリ、ベニフウキのように、品種名の付くお茶は挿し木によって植えられます。
種をまくと、交配することで雑種が生まれるため、特定の品種を作る為には、挿し木か接ぎ木が必須なのです。

挿し木と比べ、実生のお茶は、根の構造が全く異なります。
以下の写真を見ていただくと違いは一目瞭然です。

左が挿し木(品種もの)、右が実生(種から栽培)

種から撒かれたお茶の木は、直根と言って、ゴボウのように長い根を形成します。この為、地中のミネラルを吸収しやすく、より、濃い後味のお茶となります。

都祁在来煎茶の味香り

都祁在来煎茶の香りは花系の香りですが、全体に控え目です。

最大の特徴はなんと言っても、非常に長い余韻、濃くて、体の奥に落ちていくような深い後味です。
余韻の長さという点では、HOJOの日本茶の中で最大であり、素材の良さが際立っております。

製茶はやや荒削り感がありますが、素材の良さゆえに、飲みごたえのあるお茶です。

都祁在来煎茶のお買い物はこちらから

袋小 :   30g / 価格 864円(税込み)
クリックして買い物カゴへ

缶入り:   100g / 価格 2,592円(税込み)
クリックして買い物カゴへ

袋大 :   200g(100gを2袋) / 価格 4,968円(税込み)
クリックして買い物カゴへ

お値打ちパック :600g(100gを6袋) /  価格 12,528円(税込み)
クリックして買い物カゴへ

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

この記事に関連するHOJO Teaの商品


関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

東山生茶 2024の散茶を発売
東山生茶 2024の散茶を発売しました。実は、東山の散茶を販売するのは今回が初めてです。 https://hojotea.com/item/d63.htm 雲南省臨滄市鎮康県の高山地帯で収穫された老樹茶 東山生茶2024 …
鳳凰単叢老欉蜜蘭香 2023を発売
鳳凰単叢老欉蜜蘭香2023を発売しました。 https://hojotea.com/item/houou.htm 鳳凰単叢は広東省潮州市を代表する烏龍茶で、老欉は樹齢の高い茶樹から収穫された茶葉を使ったお茶を指します。 …

最新の記事 NEW ARTICLES

東山生茶 2024の散茶を発売
東山生茶 2024の散茶を発売しました。実は、東山の散茶を販売するのは今回が初めてです。 https://hojotea.com/item/d63.htm 雲南省臨滄市鎮康県の高山地帯で収穫された老樹茶 東山生茶2024 …
なぜお茶は渋いのか?渋味の原因と仕組みを紐解く
お茶には渋味を全く感じないものもあれば、非常に強い渋味を持つものもあります。では、この渋味の原因は何なのでしょうか?ここでは、渋味の原因とそのメカニズムについて解説します。 渋味の原因 渋味は、お茶の成分が口腔内のタンパ …
鳳凰単叢老欉蜜蘭香 2023を発売
鳳凰単叢老欉蜜蘭香2023を発売しました。 https://hojotea.com/item/houou.htm 鳳凰単叢は広東省潮州市を代表する烏龍茶で、老欉は樹齢の高い茶樹から収穫された茶葉を使ったお茶を指します。 …
湯を沸かす熱源によって変わるお茶の味香り
お茶を淹れる際に使うお湯ですが、やかんの材質によってお湯の味が変わることはよく知られておりますが、実は、やかんの材質以外に、湯を沸かす熱源の種類によっても味が大きく変化することをご存じでしょうか? 同じヤカンでも、熱源に …
棠梨山古樹熟茶2023を発売
棠梨山古樹熟茶2023年(とくりさん)を発売しました。 https://hojotea.com/item/d155.htm 棠梨山は中国語でTan Li Shanと発音し、永徳県の中心地である徳党鎮の北側斜面に位置する山 …
東山生茶・白毫銀針・茉莉銀針の3種類のお茶を発売
東山生茶2023、白毫銀針、茉莉銀針の3種類のお茶を発売しました。 東山生茶2023 https://hojotea.com/item/d63.htm 東山生茶2023を発売しました。東山生茶は当店でも非常に人気の高いお …
大雪山野生茶(生茶)2023年・2024年産 同時発売
大雪山野生生茶の2023年産と2024年産を発売しました。 2023年産については、マレーシアの倉庫で1年間熟成しております。 https://hojotea.com/item/d27.htm   雲南省でも入 …
佐渡無名異焼作家の渡辺陶三作:野坂粗土還元急須が入荷
野坂粗土還元焼成の茶器を発売しました。 今回入荷したモデルは、茶壺(後手急須)、フリーカップ、マグカップの3点です。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_reduction.htm …
佐渡島の渡辺陶三製作:野坂粗土酸化焼成の茶器が入荷
佐渡島の陶芸家、渡辺陶三氏による「野坂粗土酸化焼成」の茶器を発売いたしました。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka.htm   野坂は佐渡島の沢根にある地区名で、相川金山に …
2300mの野放茶園産、高山白茶を発売
高山白茶を発売しました。 このお茶の茶園には、次の2つの特徴があります。 1. 標高2200-2300mに位置する茶園 2. 完全に野生化したお茶の木で構成される野放茶園 非常に理想的な環境ゆえに、お茶の品質も素晴らしく …

PAGETOP