ウンカ以外にもあったダージリンティ、マスカテルの秘密

[2006.12.11] Written By

マスカテルフレーバーの秘密は、ウンカだけではありません。実は、エステートのマネージャーが教えてくれたもう一つの秘密があります。

 
それは、Thrips(ティリップス・スリップス)と呼ばれるとても小さな虫です。この虫に噛まれた茶葉は、ウンカに噛まれた場合と同じく、黄色く変色し、表面がでこぼこになります。ティリップスは茶の柔らかい部分を好んで食べるため、花や芽の部分に多く見られます。6月のウンカの発生時期には、茶園はティリップスで一杯になるそうです。マスカテルフレーバーが特に強い場所などは、茶園を歩いただけで、ティリップスが体中に付着する位いるそうです。
今回、特別にティリップスを見せてくれるとのことで、茶園に同行しました。今の時期は非常に寒いため、茶の表面にティリップスを見つけることは出来ません。ティリップスは芽や花の中に隠れているのです。マネージャーは少し黄色く変色した、芽や花を次々と採集し、分解し始めました。「いたいた!」と言うので、見たのですが、何も見えません。「どれどれ?」と言って、よく見ると、物凄く小さな虫がいました。ウンカのように美しい、妖精のような姿ではなく、どちらかというと、「ミニはさみ虫」と言った形状をしておりました。
不思議な物で、お茶はどの昆虫の攻撃に対しても黄色く変色するわけではなく、ウンカとティリップスの2種類にのみ、反応をするそうです。その他の虫が汁を吸った場合、茶色く変色し葉枯れの原因になるそうです。
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葉の付け根に付いている埃みたいなのがティリップスです。
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ティリップスにより黄色く変色した芽
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花びらを開くと、ティリップスがおりました。
THIRIPS_1.jpg

実は他にも、お茶が良い香りを作り出す秘密があります。それは環境ストレス、つまり、過激な環境下で生育すればするほど、お茶は頑張って生き抜こうとするために、茶葉に含まれる成分が濃香になり、濃いフレーバーを作り出します。例えば、石が多い痩せた土地はお茶にとって、非常に住み心地の悪い環境なのです。このような土地で育ったお茶は、全体的に黄色っぽい葉になります。
この他に、雨の良く降る時期、降らない時期も同様の関係にあります。また、寒い時期ほど美味しいお茶が作られます。
これら環境ストレスと品質との関係を良く把握することで、良質なダージリンティは何時何処で入手出来るかと言うことが見えてきます。

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