ジャスミン茶との格闘 | お茶の専門店HOJO

私のネットショップで一番売れ筋だったジャスミン茶が切れており、一番商品が動く時期だというのに未だ入荷の見通しがついておりません。
実は昨年はお茶の収穫高が低く、それ故に普段だったら通年在庫を持っているお茶会社が、事も有ろうに夏の時点で在庫を切らしてしまったのです。
これまでこだわって質の高いジャスミン茶を取り扱っていただけになかなか代わりが見つかりません。既に、30種類以上のジャスミン茶をサンプルとして取り寄せ、試飲を重ねましたが、未だに満足の行く製品が見つからず困っております。
高品質のジャスミン茶の基準は？というと。

1. ３月に収穫された茶葉
2. 5-6晩かけて新鮮なジャスミンの花でじっくり香り付けが行われていること。
3. 保存状態が良く、酸化していないこと。

このうち、２に関しては比較的容易に達成することが出来ます。ジャスミンパールと呼ばれるコロコロした球状のジャスミン茶の殆どが２の条件を満たしていると言えます。
ところが、１）の条件と３）の条件を同時に満たしている製品が極めて少ないのが実情です。実際、香りが猛烈に良いだけのジャスミンパールは簡単に入手できます。
しかし、本当に良質のジャスミン茶は味が円やかで、ボディがしっかりとしており、長時間湯にしたしても苦味が感じられません。このような特徴は３月摘みの緑茶から作られたジャスミン茶のみでしか味わうことが出来ません。
4月や5月に摘まれたジャスミンの場合、味は濃くてしっかりしている物の、円やかさに欠け、どちらかというとシャープではっきりとした味がします。また、長いこと淹れすぎると僅かに苦味も感じられます。人によっては此方の方が味がしっかりし手いて良いという場合もあります。
今年のジャスミン茶は５月の末にならないと出荷されません。茶葉は３月に採れますが、ジャスミンの花が咲くのが５月の中旬だからです。それまで待つわけにはいかないので、何としても、私の基準に適合するジャスミン茶を探し出します。
ジャスミン茶を楽しみにしてくださっているお客様、もう少しお待ちください。
因みに、昨年の在庫切れに懲り、今年は大量に先行予約することにしました。

著者・文責：北城 彰（Author：Akira Hojo）株式会社HOJO代表（CEO）

お茶の専門家として、中国、台湾、インド、日本のお茶を仕入れ、自社ブランドにて日本国内及び世界に販売。年間3ヶ月は中国台湾の現地に滞在し、生産管理、仕入れに従事。マレーシアの首都クアラルンプールThe Gardens Mallにて直営店HOJO Tea SDN BHDを運営中。

静岡県立大学大学院　食品栄養科学 修士（Master of Food and Nutritional Sciences）

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