ジャスミンパールの生産事前打ち合わせ2016

[2016.07.23] Written By

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福州に数日間出張してきました。目的はジャスミン茶の生産の打ち合わせ、ベースとなる緑茶の決定を行うためです。ジャスミン茶ですが、春に緑茶を予約し、次に、花が咲いたら、お茶とジャスミンの鮮花を繰り返し混ぜる事で、緑茶にジャスミンの香りを吸わせます。ジャスミン茶はHOJOにおいて非常に人気のあるお茶であり、私も仕入には非常に力を入れております。この為、福州には毎年訪問し、仕入と、加工方法に関する入念な打ち合わせを行っております。

福建省ではジャスミン茶の原料緑茶が不足

近年、ベースとなる緑茶の生産量が極端に減り、それに伴い、値段が激しく高騰しております。理由は、以前の記事でも説明したとおり、白茶の生産が加速的に増え、その結果、同じ地域の同じ品種から作られるジャスミン茶のベース緑茶があまり作られなくなりまし。白茶の生産が増えた理由ですが、中国での白茶の熟成がブームになったことで、白茶を生産した年に売り切る必要が無くなり、生産者は白茶を作っている限りは売れ残りを心配する必要が無くなりました。生産者の多くが緑茶の生産をやめ、白茶の生産に切り替えました。市場全体でベース緑茶の供給が絶対的に不足したことから、仕入れ値が上昇しました。特に、高品質でかつ、日本の農薬基準を満たすお茶は供給量が極めて不足しているのが現状です。

昨年と同じ規格を踏襲しつつも品質はやや向上

HOJOでは2014年までは芽の部分、2015年からは芽+茎のみを使用したジャスミンパールを取り扱っておりました。芽のみから作られたジャスミンパールは過去数年仕入れ値が激しく高騰し、気がつけば私が現在取り扱っているお茶(芽+茎)の品質の2.5倍になってしまいました。あまりに値段が高いこと、また、芽+茎でも飲んだときの香りや味わいは大きく変わらないことから、今年も昨年同様に芽+茎のグレードを仕入れることにしました。既に、ベースの緑茶を決めておりますが、今年は余韻が強く、軟らかい飲み味のお茶を仕入れることが出来ました。
2016-07-14 15.14.10

今年は普段飲みに適した廉価なジャスミンパールも発売予定

更に今年から「普段飲み用」として1芯2葉の緑茶をベースとしたジャスミンパールも仕入れることにしました。このタイプは、値段的にはやや廉価ですが「葉が2枚」出てから収穫されていることから、お茶の味がしっかりしており、人によってはこちらのタイプを好まれる場合があります。また、ご飯時に飲む場合などは、より味がしっかりしており、食事の味に負けません。出来るだけ、普段飲みとして使っていただけそうな値段帯で提供したいと思っております。

今からがジャスミン茶加工の本番

今の時期に打ち合わせをする理由ですが、ジャスミンの花が咲くのが7月〜9月、つまり、今からが着香工程を行う上で最も重要な時期であり、今のタイミングが最適だからです。私の場合、ジャスミン茶の取扱量が比較的多いために、ベースの緑茶の選定から、着香の方法、回数、タイミング等、全て特注で行います。緑茶はジャスミンの鮮花と混ぜると、香りを吸収すると同時に水分も吸収します。この為、着香後には乾燥することで水分を落とす必要がありますが、乾燥には熱を伴うため、乾燥方法によってはジャスミンの香りが酸化します。また、最後から2番目の乾燥時に水分量を極力落とし、最終着香を行った後には乾燥を行わない、提花(Ti-hua) と呼ばれる香りの付け方をするテクニックもあります。この方法だと、最後に乾燥工程が無いことからより新鮮な香りが茶葉に残ります。着香は多くやればいいわけではありません。あまり、回数を重ねると、ジャスミン茶の色合いが褐色になる場合もあります。このように、ジャスミン茶を作る上で、着香の制御は非常に重要なポイントとなります。

実際の生産が行われるのは8月、そして、入荷は農薬のテストなどを行った後の9月頃になる予定です。

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