プーアル茶の釜炒り width=

現在、雲南省の臨滄に位置し、ミャンマーとの国境からそう遠くない、高山地帯の村を訪れております。たまたま、プーアル生茶の毛茶(荒茶)を選ぶためにある農家を訪れたところ、ちょうど茶葉の殺青を行っておりました。

 

色々なプーアル生茶の加工法

プーアル生茶の加工は非常にシンプルですが、それでも地域により加工法が異なることに最近気がつきました。例えば、チンマイ周辺では、夜に殺青(窯で茶葉を炒めることで過半数の酵素を失活させる工程)を行い、茶葉は翌朝まで保管することで、微発酵を促し、烏龍茶のような花のような香りを引き出します。プーアル茶の生産では、殺青のさい、完全に酵素を失活させず、一部の酵素を意図的に残すことで、茶葉が微発酵できる余裕を残すことが重要なポイントです。

萎凋後の茶葉

 

臨滄で一般的な手法

それに対し、私が特に力を入れている臨滄のエリアでは、短時間の萎凋をした後、殺青が行われ、その後、即日内に、天日乾燥が行われます。発酵工程が短いために、出来上がったお茶は、概して香りが弱く、香りを引き出すには数年間の保管が必要です。このタイプの場合、香りの個性があまり強くないため、お茶が熟成した際にスッキリとした熟成香ができます。臨滄のお茶は質が良いため、香りが弱めでもお茶のコクとボディが強く、味にこだわりのあるお客さんに人気があります。

プーアル生茶の釜炒り工程

 

過酷な殺青作業

雲南省では多くのお茶農家は少数民族により構成されており、作業の全てが手作業で行われるのがほとんどです。殺青は一定の温度にて7-10分位茶葉を炒めます。頻繁に手返しすることで、茶葉への熱の通りを均一にし、焦げないように管理しなければなりません。ただし、温度が非常に高い為、私のような素人がチャレンジした場合、確実に火傷します。手返しを完璧に行わなかった場合、茶葉の一部が焦げ、独特の焦げ臭が生じます。殺青はプーアル茶を作る上で最も重要な工程であり、殺青技術の優劣は、そのままお茶の品質に反映します。

 

プーアル生茶の釜炒り

プーアル生茶

 

プーアル茶の釜炒り

 

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