
- ホーム >
- お茶の種類
雲南省の少数民族が作ったプーアル生茶
- [2012.05.14] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
前回のブログでも述べましたが、折角の良い原料を使用しても、加工を丁寧に行わない場合、お茶の価値は下がります。
皮肉にも、良い原料がある産地ほど、外部からの情報・要望が生産者に届いておらず、それゆえに加工も何百年前と同じ原始的なやり方で行われております。
例えば、有名産地になると、2つの流れに影響を受けます。
① 漢民族、特に広東省などのお茶業者が、現地に原料の1次加工工場を設置し、管理の行き届いた設備で生産が行われる。
② 頻繁にバイヤーが来るために、お茶に問題があると、その声が生産者にも届く。生産者はより売れるように、設備を改善し続けている。
以上の現象から、有名な産地ほどお茶は比較的丁寧に加工されております。
但し、有名産地は、農家が変に賢くなっており、肥料、農薬、選定、過剰な茶摘みが行われており、品質が「え?」と言うくらい低いのが特徴です。にもかかわらず、値段だけが異常に高く、いくら丁寧に製茶がされても私が購入する理由は全くありません。
このような問題を避けるために、私は山奥の無名な産地を訪れるようにしているのですが、無名な産地には良い原料がある物の、加工に関しては問題だらけです。
香りに関する問題は、① 殺生工程による問題 ② 環境の問題 ③ ハンドリングの問題の3つに大別されます。
まず、殺生ですが、薪窯の場合、どんなに名人がやったとしても温度管理はほぼ不可能です。
火が強すぎたり弱すぎたりするわけですが、多くの場合、釜炒りが強すぎて大豆のような香りが生じます。
私はこれを大豆臭と勝手に呼んででおりますが、この香りは釜炒りの温度管理不良による物です。
また、殺青パンを換気の良くない軒下などに設置している農家が多く、その場合、煙が充満することから茶葉には煙臭さがつきます。
別の問題としては、生産したお茶を農家では一時的に倉庫や家の中で保管しますが、炊事などで生じた煙が充満しやすい立地にあるために、保管しているストックが煙り臭くなることがあります。
ハンドリングにおける問題ですが、これはお茶摘みの後に、原料生茶葉をどう取り扱ったかが影響します。
乱暴に扱った場合、プーアル茶は赤や茶色に変色します。変色していると言うことは、加熱処理(殺青)前に傷がついたことを示唆しております。
あまり赤い部分が多いお茶は、見た目も悪いし、香りも爽やかさに欠けます。
ただ、上記の問題があるから、「じゃあ買いません」と言うわけではありません。
上記の様な香りに多少の問題があるお茶でも、「原料の質があまりにも高く」、「値段があまりにも安かった場合」、私は買います。
勿論、程度にもよります。あまりに煙り臭かったり、茶葉が焦げている場合は、買いません。
微妙な煙臭や、微妙な大豆臭は、その後熟成させることでお茶自体がフルーティに変化するために目立たなくなります。
微妙な大豆臭があるが為に、献上茶クラスの喉越しのお茶が、信じられないほどに安い値段で売られていることもあり、そう言ったお茶はある意味「掘り出し物です」。
実際に販売する際には、お茶の香りを詳細に記述した上で販売しますので、それぞれ私がどのような意図で購入しているか理解して貰えるかと思います。
上記の様な少数民族茶は、値段が手頃なので、プーアル茶熟成派には要検討して頂きたいお茶です。
最近はドラム式の殺青装置もよく見かけます。地元では、機械式と言って見下されたりしますが、実際には自動制御であるため、お茶がかなり良い品質に仕上がります。
1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!
メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
- メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!
- 大雪山野生生茶2025年版 散茶少量入荷のお知ら
- 大雪山野生生茶2025年の散茶を発売しました。 https://hojotea.com/item/d27.htm 今年は生産できた量が非常に少なく、雲南省の標高2000mを超える山林に自生する茶樹から、毎年春にごく限られ …
- 白岩山古樹生茶2025 散茶|標高2300m・限定量入荷
- 白岩山高山茶2025の散茶を発売しました。 白岩山は、私たちがプーアル茶を製造している産地の中でも最も標高が高く、標高2300mの茶園から茶葉を収穫しています。 非常に限られた数量のみの入荷となっておりますので、ぜひお早 …
最新の記事 NEW ARTICLES
大雪山野生生茶2025年版 散茶少量入荷のお知ら
- 大雪山野生生茶2025年の散茶を発売しました。 https://hojotea.com/item/d27.htm 今年は生産できた量が非常に少なく、雲南省の標高2000mを超える山林に自生する茶樹から、毎年春にごく限られ …
白岩山古樹生茶2025 散茶|標高2300m・限定量入荷
- 白岩山高山茶2025の散茶を発売しました。 白岩山は、私たちがプーアル茶を製造している産地の中でも最も標高が高く、標高2300mの茶園から茶葉を収穫しています。 非常に限られた数量のみの入荷となっておりますので、ぜひお早 …
雲南省の自然栽培茶で作った釜炒り緑茶
- 雲南春尖緑茶を発売しました。 標高2100mにある自然栽培のお茶を原料とした、プーアル茶クラスの長い余韻が特徴のお茶です。 雲南省という比類なき茶葉原料の産地 私はお茶の会社を創業して20年間の間、あらゆるお茶産地を訪問 …
産地の潮州・汕頭で人気の鳳凰単叢八仙2022を発売
- 2021年以来となる鳳凰単叢八仙の新ロットを発売いたします。 今回発売するお茶は、2022年産のお茶です。数年の熟成期間を経て非常に良い状態に仕上がりましたので、販売することにいたしました。 https://hojote …
大雪山野生白茶 散茶 2025年産の新茶を発売
- 大雪山野生白茶2025を発売しました。 https://hojotea.com/item/w11.htm 雲南省の山に自生するカメリアタリエンシスを原料に、今年も現地で原料選別から製茶まで関わって生産しました。 野生茶な …
2025年産の古樹白茶と古樹白牡丹を発売
- 2025年産の古樹白牡丹と古樹白茶、2種類を発売しました。 いずれも無農薬・無肥料で作られたお茶です。 実は少し前から販売していましたが、公式にはお知らせしていなかったため、本記事を書きました。 生産者と共に作り上げるお …
東山生茶2024年産餅茶を発売
- 東山生茶2024の餅茶を発売しました。2024年産の東山は、以前に散茶を発売し、短期間で売り切れとなりました。今回発売する2024年産の餅茶は同じ原料から作られたお茶です。餅茶は作りたては香りが比較的穏やかな傾向がありま …
雲南省の自然栽培茶を使った薪火釜炒り焙じ茶の開発
- 現在、私たちは雲南省に滞在し、お茶の生産に取り組んでおります。シーズンも終盤に差しかかっていますが、この時期は特に成長が遅く、質の高いお茶が収穫期を迎えるため、最後まで気が抜けません。プーアル茶と紅茶の製造を主軸としなが …
料理から見る雲南の多様性:少数民族・四川料理の交差点
- 雲南省に長期滞在してお茶を作っているわけですが、雨の日や生産予定の無い日は、近隣の街のホテルに滞在しております。 ホテルに滞在しているときは、外食するのですが、私達にとって、現地での食事はお茶作りと同等に興味があり、非常 …
渡辺陶三作:秋津無名異、野坂粗土急須他入荷
- 佐渡島の無名異焼作家、渡辺陶三氏の茶器が多種類入荷しました。 今回は、特に、秋津無名異酸化焼成と野坂炭化還元の急須・茶壺が多数入荷しました。 https://hojotea.com/categ/teaware.htm 秋 …
- HOJO通販新着
- 特集
- メールマガジンバックナンバー
- お茶の種類
- お茶の産地
- 茶器・急須
- お茶のコラム-雑学-歴史-文化
- お茶を楽しむ
- お茶の作り方-製法
- お茶の品質を決める各種要素
- お茶の成分と効能
- お茶の安心と安全
- 食品
- お茶ビジネスの運営・記録
- 趣味活動
- お茶のランキング-おすすめ
- お茶に関する動画
- お茶に関するQ&A
- メディア掲載

- an anにてジャスミンパールが紹介されました。
- an an 「マガジンハウス出版」 No.1865、2013年7月24日号「夏のお取り寄せ」特集で弊社のジャスミンパールが紹介されました。
- マレーシアの全国紙 “Star Newspaper”に掲載して貰いました。
- 先日、マレーシアの全国紙「Star Newspaper」でHOJOの特集をしてくれました。 Starはマレーシアで最も購読数の多い新聞で、マレーシアのメディアでは最も影響力の大きな新聞です。 新聞の内容は、茶器によりお茶 …

住所:Lot No. T-215, 3rd Floor, Mid Valley City, Lingkaran Syed Putra 59200 Kuala Lumpur