黄茶の中でも極めて入手が難しいお茶、君山銀針

[2013.05.21] Written By

君山銀針
君山銀針の新茶が入荷しました。君山銀針は私にとって思い出のお茶です。じつは私がお茶の会社を始めた際、最初に視察に行った産地が君山島でした。

 

君山島で作られるから君山銀針

君山銀針は中国湖南省、岳阳の北東15kmに位置する洞庭湖に浮かぶ島、君山島で作られた黄茶の名称です。実際は、君山島外でも君山銀針風のお茶はたくさん作られており、市場では君山銀針として流通しております。但し、本物の君山銀針を入手したい場合、君山島産のお茶にこだわる必要があります。なぜ君山島産のお茶がそれほど特別かというと、2つの理由があります。

  1. 昔から維持管理されている茶の老木が残っている。
  2. 土質ゆえにお茶がふくよかになる。
君山島の茶園

君山島の茶園

君山島産の君山銀針の長所

君山島の場合、お茶の樹齢が古いだけでなく、お茶は全て自然栽培に近い有機農法で管理されております。これにより、君山島で作られたお茶には島外で作られたお茶にはない、「コク」があります。また、君山島の土壌で作られ他お茶は、ボディがあり、とてもふくよかで丸みのある味がします。高品質の君山銀針がトロリとした味わいなのはこれが理由です。

グラスを上下する君山銀針

 

トップグレードの殆どが政府関係者に

お茶を仕入れる上で問題となるのは君山島を所有するのはただ1社のみと言う点です。龍井茶のように、複数の生産者がお茶を作っているのではなく、本当に文字通り1社しか君山銀針の生産に従事しておりません。このため、値段も、販売量も全てにおいて独占的に管理されており、近年では入手する事自体が非常に困難となりました。君山銀針の多くは、政府関係者や富裕層の会社オーナーなどから事前に予約が入っており、贈り物としてその殆どが消費されます。君山銀針の品質定義をしっかりと理解してない場合、サンプルを試飲してもそれがどのグレードにあたるのか判断が付きません。良くある話ですが、君山銀針の最高級品をリクエストしたとしても、実際に手に出来るお茶は、緑茶タイプであったり、2番摘み茶、場合によっては島外で生産されたお茶であることが殆どです。

君山銀針のサイズ

君山銀針の茶葉

 

稀少ゆえ入手出来たのは1kg以下

君山銀針は、デリケートで優しい香りがするお茶です。例えるなら、採れたてのタケノコの身のような、また僅かに花のような香りが特徴のお茶です。香りが強いお茶ではないため、ボディとコクがお茶を楽しむ上でとても重要になります。今回入手した君山銀針は、君山島の老木(在来種)の1番茶からつくられた最も質が高いとされる黄茶です。入手出来たのは1kg以下と、極めて稀少なお茶です。おそらく短期間で在庫が無くなることが予想されますゆえ、興味のある方は、是非早めにご検討ください。

君山銀針の茶葉

君山銀針の水色

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