プーアル茶の天日乾燥

プーアル茶にはプーアル生茶と熟茶という2つの種類があります。生茶の茶葉は緑色をしており、飲み心地は緑茶や白茶にそっくりです。それもそのはず、プーアル生茶と緑茶は生産方法が全く同じです。ある意味プール生茶は緑茶の一種なのです。以下、緑茶とプーアル生茶の生産における基本工程です。

  1. 萎凋
  2. 殺青
  3. 揉捻
  4. 乾燥

緑茶とプーアル茶の違いは乾燥方法の違いのみ

緑茶とプーアル生茶の製法における決定的な違いは乾燥方法の違いです。緑茶は一般的に熱風で乾燥するのに対し、プーアル生茶は天日乾燥を行います。天日乾燥をすることで、プーアル生茶特有の香りと飲み心地が形成されます。

(プーアル茶のうち、数百年の歴史をもち、お茶のマニアが夢中になるお茶はプーアル生茶の方です。プーアル茶というと茶色をしており、カビ臭かったり、椎茸の原木のような誇りっぽい香りがするお茶を想像される人も少なくないかと思いますが、それはプーアル熟茶です。しかも、香りがカビ臭いのは非常に質の悪い発酵工程に問題があるお茶の香りです。)

プーアル茶の乾燥

乾燥を終了したプーアル生茶

手作り・工場製に関係無くプーアル茶は全て天日乾燥

海外のお客さんと話をしていると、「大工場ではでは天日乾燥の代わりに、熱風乾燥をしている」という論説を展開する人がおります。ただし、これは現地に行ったことのない人の空論にすぎません。
雲南省の工場にしてみれば、天日干しはエネルギーコストはゼロです。あえて、燃料費のかかる熱風乾燥をするはずがありません。雲南省では工場の大小、立地に関係なくプーアル生茶は天日乾燥で生産されます。

プーアル茶の天日乾燥

プーアル茶の天日乾燥

プーアル茶の天日乾燥

天候はプーアル茶の質を左右する重要な要素

プーアル生茶は天日乾燥で乾燥されるため、天気の善し悪しはお茶の最終的な品質を左右する非常に重要な要素です。標高が1500m以上あるお茶の産地では、天気の良い日であれば半日も乾せばお茶は完全に乾燥します。
しかし、曇りが続いたり、雨が降るなど、湿度が高いと1日干し続けてもお茶は乾燥しません。この結果、お茶の表面は艶が無くなり、まるで天気の悪い日に洗濯物を干した様な不快な臭いが形成されます。
一旦、不快な臭いが形成されると、その後、更に天日乾燥をしても元に戻すことは出来ません。烏龍茶や紅茶の火入れ機で低温で火をいれると、不快臭は劇的に軽減されますが、雲南省でその様な装置を使用するのは事実上不可能です。
こうなると、天気の良い日に乾燥されたお茶を正しく選び抜くことが非常に重要となります。

プーアル茶の天日乾燥

乾燥途中のプーアル生茶

プーアル茶の天日乾燥

天日乾燥を行う環境も大切:写真の様にお茶を道端で乾しているような生産者は他の点についても管理が行き届いていない。

ブレンド前にお茶を選ぶことの重要性

私にとって、重要なのはお茶がブレンドされる前に選ぶことです。小規模の生産者であっても、日々生産されるお茶の品質は一定でないため、一番摘み茶の生産が終わると、全てのバッチをブレンドします。ただし、一旦ブレンドしてしまうと、適切に乾燥された茶葉もそうでない茶葉も一緒になってしまいます。より完璧なお茶を選ぼうと思ったら、ブレンド前に質的に優れたバッチのみを選び出す方法が重要となります。

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