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カメリアタリエンシス種の野生のお茶を用いて白茶を作りました。鳳慶野生白茶(フォンチン/フェンチン)の名称で発売しました。
紅茶の産地で有名な鳳慶の山奥で採れた野生茶
HOJOでは既に幾つもの野生のお茶を発売しておりますが、「野生」と名の付くお茶は、自然の山に生えているお茶で、農家で作ったお茶ではありません。
鳳慶野生白茶は臨滄の鳳慶という地域の山に自生する野生茶です。鳳慶という地名は知っている人には非常によく知られている地域です。実は鳳慶は雲南紅茶の有名産地です。
ただ、鳳慶野生白茶は紅茶とは全く関係無く、鳳慶の奥地にある山で収穫されました。
アクセス困難な地域ゆえに限定量のみ入手
実はこのお茶の産地は非常に切り立った山の奥地であることから、アクセスが容易ではありません。今年のシーズン前、生産者に特注依頼をするために訪れたのですが、その後、このお茶が生産できるかどうかが分からない状況が暫く続きました。と言うのも、3月の末に雨が何日か続いたこともあり、山道が非常に滑りやすく、現地に行くことが非常に困難な状況となりました。その結果、お茶摘みを依頼していた農民が、行くのを渋りだしました。幸いにもその後天気が続いため、何とか、お茶積みをして貰うことが出来ました。このような状況から予定していた数量よりも少ない量しか仕入れることができませんでした。
嵩の点と熟成保存のために緊圧
最初は散茶の状態で販売することも検討していたのですが、カメリアタリエンシスの野生茶はもともとの茶葉のサイズが大きく、嵩がありすぎることから、当初の計画を変更し、餅茶に緊圧することにしました。出来上がった茶葉は迷彩色の服のようなカラフルな色をしており、ある意味非常に美しい茶葉です。緊圧したもう一つの理由は、白茶は熟成によりフルーツのような香りを形成するためです。
味重視のため長時間の萎凋
近年、中国で最も白茶が生産されるのは福建省です。近年の福建省における白茶の傾向としては、見た目が異常に気にされます。福建省のお茶市場へ行くと、多くの人は見た目で白茶を選んでおり、そのことは白茶の生産方法にも影響しております。白茶は本来長時間萎凋をした方が、味がまろやかになり、甘みが増し、舌に残るざらつきも減少します。しかし、見た目を重視した場合、短時間の萎凋で仕上げた方が、緑色が残り見た目は美しくなります。
私はあくまで味香り重視で作りたかったため、萎凋に関しては3日間、多くの茶葉が褐色化するまで萎凋しました。このために、鳳慶野生白茶の外観は軍隊の迷彩服のようになっております。ただ、ひとくち飲まれると、長時間萎凋をする意味を理解して貰えるはずです。
これまでに体験したことのない香り
鳳慶野生白茶を初めて飲んだときは正直衝撃を受けました。味は非常に透明感があり、やわらかく、ふくよかさと深い喉越しを伴います。人によって感じ方は異なるでしょうが、若いマンゴ、蘭の花のような、ブドウのような、パイナップル、ライチの香りを伴う、お茶とは思えないような甘い香りがします。香りがあまり強く感じられない一般的な白茶とは一線を画し、花やフルーツの香りが明瞭に感じられます。もちろん、熟成を加えることで、より濃厚な香りに変化するのでしょうが、私としては今のままの香りでも十分に満足です。もし熟成をすることで、より濃厚な香りを作り上げたい場合、未開封の状態で3年ほど保管されることをお薦めします。もちろん、3年以上保管しても良いのですが、3年も保管すれば十分に変化を体感できるはずです。
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