高山紫茶とは、雲南省臨滄地域の高標高の茶山で採れる、紫性を示す茶樹の原料から作られるお茶を指す呼称です。現地では古くから紫茶と呼ばれてきおり、古い木になると樹齢数百歳と思われる老茶樹も存在することから、近年選抜育成された紫絹茶などの選抜品種とは明確に別の系統のお茶です。

紫茶の分布と希少性

臨滄の高標高地帯に存在する紫茶は、雲南省西双版納州で 1985年 に発見され、選抜育種された紫絹茶や、一般に雲南省で紫芽と呼ばれている紫色の芽を持つ茶とは別系統のお茶です。

当店で紹介しているタイプの紫茶は分布が極めて限られており、産地は臨滄南西部の永德県と鎮康県の一部に集中しています。

近年、この紫茶に注目が集まり、鎮康県などでは栽培に取り組む農家も見られますが、それらはいずれも樹齢の若い茶樹です。その点から見ても、高山紫茶のような100歳を超える老木由来の高山紫茶は幻のお茶と言っても過言ではありません。


紫茶の老木に登る生産者の息子

紫茶の茶樹と原料の特徴

摘採時の茶葉は、見た目だけでは通常の茶葉と大きな違いがない場合も多い一方、枝や茎、葉柄の一部に紫色が現れることがあります。この紫性はすべての個体に見られるものではなく、同じ地域、同じ茶園内であっても個体ごとにバラツキがあります。
製茶後の乾燥茶葉は、条件によって黒みを帯びた紫色や藍色がかった色調を示します。原料の性質としては、水分量が多く、揉捻時に粘りが出やすいなど、一般的な茶葉とは異なる挙動のお茶です。

紫茶の香りと製茶の難しさ

紫茶の最大の特徴は、その香りにあります。製茶の工程では、紫蘇の葉を思わせる独特で明確な香りが立ち上がり、一般的な茶葉とは明らかに異なる性質を示します。この香りは、単なる加工由来のものではなく、原料そのものが持つ特性に強く依存しています。

一方で、この香りは、製茶時の温度管理を誤ると容易に失われます。特に高温での殺青を行うと、紫蘇系や果実系の香りは消え、紫茶本来の個性とはかけ離れた方向へ変化してしまいます。

高山紫茶をプーアル生茶として仕上げると、適切な条件下で熟成が進むにつれて、桃を想起させる甘さを伴う香りが現れ、熟成による変化を楽しめるお茶となります。


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