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鳳凰単叢烏龍茶の産地、潮州市鳳凰鎮を訪問(2024)

[2024.09.11] Written By

先月、鳳凰単叢烏龍茶の産地である潮州市鳳凰鎮へ、仕入れと生産者との打ち合わせを兼ねて出張しました。ちょうど台風の時期と重なり、山から潮州に戻れなくなるなどのハプニングもありましたが、無事に仕入れを終えました。鳳凰鎮にはこれまでに10回訪問していましたが、コロナ禍でしばらく訪問できなかったため、今年はコロナ後初の訪問となりました。今回の旅で得た新たな知見をいくつかお伝えしたいと思います。

地元で愛される鳳凰単叢烏龍茶

鳳凰単叢烏龍茶の特筆すべき点は、潮州や汕頭という2つの都市で全生産量の7〜8割が消費されていることです。これは他の産地では見られない、非常に珍しい現象です。例えば、雲南省ではプーアル茶が有名ですが、多くのレストランでは大体緑茶が提供されています。武夷山でも、街中で武夷岩茶を飲んでいる光景はあまり見かけません。一方で、潮州市内を歩くと、街のあちこちで人々が鳳凰単叢を淹れている様子を目にします。地元で広く飲まれている事実こそ、鳳凰単叢品質が高く美味しいお茶であること裏裏付けだと思います。

仕入れ先の生産者が烏崠山の核心部分に新しい茶園を取得

今年4年ぶりに訪問した際、新たに茶園を取得したとのことで、現地を見学してきました。新茶園は桂竹湖の標高1200mに位置し、天池のすぐ下にあります。このエリアは烏崠山の生産地の中でも、中核的な生産地にあたるため、通常欲しくても、なかなか売りが出ることがありません。ただ、前の茶園所有者が80歳を過ぎており、娘さんが茶業を継がないことから、販売したいという話があったそうです。取得した茶園は、多くの老木(老欉)で構成されており、単株茶に適した木も数多く存在していました。今後、より幅広い種類の質の高いお茶が入手できるようになることは間違いありません。

鳳凰単叢の場合、農家は生の茶葉を販売するか、製茶まで行い、毛茶を販売するのが一般的です。仲買人が工場を持っている場合、仕入れた生茶葉を自分で製茶することもありますが、多くの場合は、製茶が終わった毛茶を仕入れ、焙煎(炭焙)を行って付加価値をつけて販売されます。

当店でお付き合いしている生産者は、非常に珍しいケースで、農園を所有しつつ、製茶から炭焙まで一貫生産しております。それゆえに茶園を取得することに意味があり、積極的に茶園を取得しています。このような形態の生産者は、1次生産者にあたるため、当社としては、仕入れ価格を市場価格よりも安く抑えることができ、また、原料となる茶葉が全て自社茶園産ということもあり、茶園全体が無農薬で管理されております。

鴨糞香が潮州市でブームに!

鳳凰単叢の一つに鴨屎香というお茶があります。素晴らしい香りのお茶であるため、所有者の先祖は盗まれることを恐れ、わざと醜い名称を付けたとも言われています。

鴨屎香は昔から有名な鳳凰単叢の一つですが、近年、潮州では鴨屎香ブームが到来しており、街中の茶園の多くが鴨屎香の看板を掲げ、各種ドリンクスタンドでは鴨屎香を名に冠したドリンクが必ずと言ってよいほど販売されていました。これはコロナ以前には全く見られなかった光景です。潮州を訪れた後、武夷山にも足を運びましたが、武夷山市のドリンクスタンドにも鴨屎香が売られていて驚きました。

潮州市内で見かけたお茶屋

鴨屎香の母樹を訪問

伝説となった鴨屎香の母樹は、現在も烏崠山の鳳渓坪坑頭村に現存しており、樹齢は180年に達しています。母樹の所有者の奥さんは、私の生産者と同級生という縁があり、今回、母樹とオーナーの家を見せていただきました。オーナーの家は非常に立派で、山のスロープにそびえ立っていました。この母樹から作られたお茶の値段を尋ねたところ、非常に高い物の、思ったよりも現実的な価格で、将来入手も不可能ではないと、密かに思いました。

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