今年の雲南省出張の1つの目的は高品質プーアル熟茶の仕入をすることでした。幸い今年は、お茶の成長が非常に遅く、雲南省入りした直後は時間の余裕に余裕があったため、多くの生産者を訪問し、熟茶の探索を行いました。本日までの滞在期間、非常に満足の行くお茶を2種類仕入れることに成功しました。

プーアル熟茶はプーアル生茶を原料に作られる

プーアル熟茶はプーアル生茶を原料として作られます。生茶は床に堆積され、水分を加えた後、放線菌を中心とする好気性菌、嫌気性菌、真菌が交互に関与することで発酵が行われます。今の時期は、プーアル熟茶の生産者は原料の確保に奔走しており、未だ熟茶の生産は行われておりません。したがって、今の時期に熟茶の仕入を行う場合、前年度に生産したお茶を仕入れるのが普通です。今回仕入れたお茶も2016年さんの熟茶です。

雲南省と国境を接するミャンマー産の茶葉を使ったプーアル熟茶

今回仕入れたお茶の1つは、ミャンマーで作られたプーアル生茶を原料に雲南省で発酵したプーアル熟茶です。このお茶の産地は「果敢」という地域で、雲南省の南西部と国境を接しております。現在は、民族間による激しい内戦が行われており、極めて危険な状況の地域です。このお茶の生産者は雲南省内に工場を有しておりますが、以前からミャンマーの村からお茶を仕入れており、戦闘状態の今でも、陸路を通じてお茶を入手し続けております。

雲南省の国境から2時間程入ったミャンマーの山村:内戦が始まる前の2013年に訪問しました。

自然栽培のお茶が原料

一般にミャンマーの果敢のお茶は自然栽培のお茶が多いこと、また、土壌に鉄分が豊富に含まれていることからお茶原料の品質が非常に高いことで知られております。但し、村の近くなどは、家畜の糞などが肥料として与えられることが多く、その様なお茶は味に渋味が生じす。私が今回お茶を求めた生産者は、自然栽培のお茶原料に対して強いこだわりを持っており、お茶を仕入れるエリアを限定し、高い品質を維持しております。一般にミャンマーで作られたプーアル生茶は加工が非常に乱暴なことが多く、焦げ臭がしたりするのはごく普通です。しかし、プーアル熟茶に加工する原料の場合、焦げ臭は関係ありません。長期間による微生物発酵を行う場合、原料が焦げていてもいなくても、微生物発酵を行うことで、焦げ臭は消滅します。この事から、ミャンマーの各農家で作られたお茶は、熟茶用の原料としては非常に理想的と言えます。

非常に稀少な春茶のみで作られた熟茶

熟茶の場合、一般的に海外市場で流通しているお茶の95%以上は春茶ではありません。この事はプーアル熟茶の生産の仕組みを理解すれば自然と分かります。生産者は春茶、夏茶、秋茶を用い、年間3回の発酵作業を行います。当然、成長の早さから夏茶の入荷量が圧倒的に多く、次に秋茶、そして、春摘みのお茶はごく僅かしかありません。当然、春摘みのプーアル熟茶は突出して品質が高いわけですが、原料は非常に限られており、また、当然値段も高くなります。私がお付き合いしている生産者は年間に200-300トンの熟茶を生産しますが、春茶の生産量は数トンしかありません。生産者の多くは春茶を夏茶と秋茶とブレンドすることで品質と値段を平準化します。これは非常に一般的な仕組みで、多くのプーアル熟茶は春夏秋茶のブレンドで作られております。したがって、既に緊圧された状態の熟茶を中国から仕入れた場合その多くが3シーズンのブレンド茶です。但し、一度春茶から作られた熟茶を飲んでしまうと、その口当たりの柔らかさと、余韻の強さから、3シーズンのブレンド茶では物足らなくなります。私は、必ず春茶を仕入れるようにしており、今回仕入れた熟茶に関しても何れも3月の下旬〜4月の上旬に摘まれたお茶です。

既に餅茶への加工を完了

仕入れたお茶は、先週の内に餅茶へと緊圧を行い、工場にて品質の再確認を行いました、今回仕入れた熟茶357gの餅茶に加工しました。

この先、2週間かけてしっかりと乾燥を行い、その後、ラッピング作業へと進みます。日本への到着は5月下旬〜6月上旬くらいになりそうです。今から到着が待ち遠しいです。

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