耿馬古樹生茶2017(中国語読みGeng Ma)を発売しました。
https://hojotea.com/item/d87.htm

このお茶は2017年に仕入れたお茶の中でも、とりわけ野生に近い状態の茶園で収穫されたお茶です。野生茶ではありませんが、植えられてから今日に至るまで肥料や農薬は勿論、一切、管理が行われずに、自然のままに放置されておりました。農業と言えない状態で生育したお茶は、味にその性格が鮮明に表れております。野放茶ならではの透明感のある味わいは飲み続けることで、後戻りできなくなるほどに癖になります。HOJOの数あるラインアップの中でも特に自信を持ってお勧めするプーアル生茶です。

中国では自然栽培茶の中でも究極の野生状態の茶園を野放茶園と呼びます。野放茶園とは肥料や農薬はもちろん草も全く刈らず、放置した結果、野生化した茶園を指します。野生茶を例えるならゴリラですが、野放茶園はターザンに相当します。

一見、藪のような外観ですが、茶園です。

野生化した茶園産の茶葉を使用

茶園は少数民族の村2000m-2100mの標高に位置します。耿馬は正確には臨滄市耿馬タイ族ワ族自治県という地域で、雲南省の臨滄にある県の1つです。今回特に時間をかけて探したのは、自然栽培茶の中でもお茶の木が野生化した茶園、野放茶園です。日本でも農業の高齢化に伴い近年では放棄茶園を良く目にしますが、日本の放棄茶園は雲南省における野放茶園とは根本的に異なります。雲南省の野放茶園の場合、種をまいた時点から一切人の手がかかっておりません。。一度も肥料を与えてないため、お茶の木は長期にわたり自然の植物と同じように育っており、病気や虫にも強く、お茶の木は今もこの先も人の手を借りる必要がありません。また、放置栽培を前提としているため、お茶の木は日本の茶園のように高密度ではなく、疎らで、お茶の木の周りには大量の草木が茂っております。お茶が主役ではなく、お茶は数ある他の植物の中で共存していると言える状態です。お茶の葉は黄緑色をしており、お茶の木はサイズの割に少ない茶葉しか付けません。お茶がより時間をかけて成長するため一般のお茶よりも収穫時期が遅く、その結果、茶葉と茶葉の間(節間)が非常に短い茶葉になります。野生化したお茶の味は春の山菜と同じで、味と香りに雑味がありません。また、口にいれた際に、口蓋部分に不思議な甘味がじわりと残るのが特徴的です。また、味の特徴としてはボディが強く非常に広がりの強いお茶であり、同時に極めて後味がコク味香りの余韻が長く続きます。


お茶の素材の香りをより活かすため、腕のよい茶師にお願いし、緑茶の釜炒りに準じた方法で生産を行って貰いました。通常よりも少量の茶葉を投入し、高温に設定、そして、攪拌を頻繁に行うことで蒸気を出来るだけ拡散するようにしました。攪拌を頻繁に行うことで、茎部分をしっかりと殺青しつつも葉が蒸気の結露で茹だらないように注意しました。この作り方は高い温度を用いるため、焦がさないように仕上げるのが非常に難しく、高い技術力が求められます。色々なお茶で実験してみたところ、この方法だと素材の味香りが温存されるため、一般的な茶園産の茶葉(1芯3-4葉)を用いた場合、むしろ苦味や渋味が強く出て、また、青臭さが非常に気になるお茶になります。生の茶葉の質が飛び抜けて良いために、良くも悪くもお茶の変質がダイレクトに反映される作り方を採用しました。春に耿馬古樹生茶の毛茶を予約販売しましたが、残りは餅茶に緊圧しました。毛茶は独特の清涼感有る香りがし、非常に個性的で美味しいお茶でしたが、餅茶に緊圧し半年寝かせたことで、全く異なる性格のお茶に生まれ変わりました。良くも悪くも尖った部分が緩和され、非常に優しい香りへと変化しました。清涼感があり、非常にクリーンな飲み心地ゆえに一瞬、白茶のようにも感じられ、マレーシアの店舗では非常に人気のお茶となっております。

毛茶(緊圧前)の写真です。自然栽培茶ゆえに黄色身かかった茶葉を原料として用いているのですが、特殊な釜炒り方法ゆえに、お茶をいれたときに、茶殻の色合いが一般的なプーアル茶よりも鮮明な緑色をしております。

写真は毛茶を入れた様子

終わりつつある老木ブームと自然栽培茶ブームの兆候

過去10年程中国では老木から作られたプーアル茶のブームが続いておりました。猫も杓子も老木を求め、生産者も何かというと老木という点を強調してお茶を販売しており、老樹や古樹という言葉がプーアル茶の代名詞のように用いられておりました。ただし、ここ数年、自然栽培茶の需要が急速に伸びつつあることを感じます。今まで余り注目されていなかった、自然栽培茶園ですが、ここ数年原料の値段が上昇しており、特に野放茶園のような野生化した茶園については、原料の確保が他のバイヤーとの間で競争になる事もまちまちです。

 

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

この記事に関連するHOJO Teaの商品


関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

大雪山野生茶(普洱生茶)2024の散茶を限定発売
大雪山野生茶は、雲南省臨滄市永徳県の大雪山に自生する野生のカメリアタリエンシスから作られたプーアル生茶です。 野生茶とは 野生茶とは、樹齢が高いお茶や野生化したお茶ではなく、山に自生している天然のお茶を指します。 過去に …
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥急須、宝瓶各種入荷
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥の茶器が入荷しました。 今回入荷したのは、丸型宝瓶、急須、絞り出し、茶海です。 https://hojotea.com/item/maekawa_iga.htm 数百年前に古琵琶湖の湖底に沈殿した …

最新の記事 NEW ARTICLES

大雪山野生茶(普洱生茶)2024の散茶を限定発売
大雪山野生茶は、雲南省臨滄市永徳県の大雪山に自生する野生のカメリアタリエンシスから作られたプーアル生茶です。 野生茶とは 野生茶とは、樹齢が高いお茶や野生化したお茶ではなく、山に自生している天然のお茶を指します。 過去に …
鳳凰単叢烏龍茶の産地、潮州市鳳凰鎮を訪問(2024)
先月、鳳凰単叢烏龍茶の産地である潮州市鳳凰鎮へ、仕入れと生産者との打ち合わせを兼ねて出張しました。ちょうど台風の時期と重なり、山から潮州に戻れなくなるなどのハプニングもありましたが、無事に仕入れを終えました。鳳凰鎮にはこ …
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥急須、宝瓶各種入荷
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥の茶器が入荷しました。 今回入荷したのは、丸型宝瓶、急須、絞り出し、茶海です。 https://hojotea.com/item/maekawa_iga.htm 数百年前に古琵琶湖の湖底に沈殿した …
佐渡島:渡辺陶三作、無名異上赤茶壺と宝瓶が入荷
渡辺陶三氏作の無名異常赤急須および宝瓶が入荷しました。今回の入荷品は、後手タイプが中心です。 https://hojotea.com/item/tozo_joaka.htm 非常に稀少な上赤 「上赤」は、佐渡島の相川金山 …
非常に稀少な野生茶、永徳野生白茶2024を発売
永徳野生白茶を発売しました。このお茶は2021年に一度発売されましたが、瞬く間に売り切れ、その後の入荷はありませんでした。質が高く、個性的な香りで当店でも非常に人気の高いお茶です。 永徳野生茶は、雲南省臨滄市永徳県で、牛 …
2024年産の古樹白茶を発売: 雲南省にて生産監修することで品質向上
2024年産の古樹白茶を発売しました。 今年は、私たちが自ら現地に滞在し、茶葉の選定から生産に至るまで現場で監修したことで、自信のある仕上がりになっております。 https://hojotea.com/item/w25. …
単株茶を含む2022年産の鳳凰単叢老欉を3種類発売
単株を含む、鳳凰単叢の老欉を3種発売しました。今回発売したお茶は以下の三種類です。何れも標高1200mの茶園産の茶葉原料から作られており、濃厚な香りと深い後味がする素晴らしいお茶です。 鳳凰単叢老欉夜来香 2022 鳳凰 …
東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …
雲南省の稀少茶、大雪山野生白茶2024を発売
大雪山野生白茶2024の散茶を発売しました。 このお茶は、私達が実際に現地雲南省の産地に滞在し、現地で生産管理しながら作り上げたお茶です。 雲南省における野生茶の定義 これまで何度も説明しておりますが、雲南省 の人々は例 …

PAGETOP