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美味しいジャスミン茶に使われる高品質なジャスミンの花とは?
- [2018.10.11] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
ジャスミン茶は緑茶とジャスミンの花を混ぜ、ジャスミンの香りを緑茶に吸わせることで作られます。ジャスミン茶の味を決める第一の要素は緑茶の品質ですが、ジャスミンの花の収穫時期や品種もジャスミン茶の香りの質や強さに大きな影響を与えます。
広西壮族自治区の横県はジャスミンの花の有名産地
中国最大のジャスミン茶の産地は広西壮族自治区の横県で、中国の80%、世界の60%に相当するジャスミン茶が横県で香り付けされております。広西壮族自治区は、人件費が安価である点、標高が低く、緯度が低く亜熱帯と言うことで年間通じて温暖な気候である点からジャスミンの花の生産に適しており、政府手動でジャスミンの花の栽培に力をいれております。
ジャスミンの花の品質が最もよい時期は?
ジャスミンの花は5月から10月まで生産されます。このうち、5-8月などの雨の多い季節は気温も高く、花の生長が極めて早いために花に水分が多く含まれ、同時に香りが弱くなり、市場での価格も非常に安くなります。この為、この季節のジャスミン茶はレストラン向けやペットボトル飲料用のジャスミン茶原料等、比較的に安価なグレードのジャスミン茶の生産に用いられます。逆に8-10月になると、雨が非常に少なくなり、晴天が続くことから、ジャスミンの花は水分をあまり含まず、香りは濃厚になります。ただし、この時期は開花するジャスミンの花も少なくなるため、市場での価格は非常に高くなり、この時期に収穫されたジャスミンの花は高級グレードのジャスミン茶用にに使用されます。私が仕入れているお茶も、秋摘みのジャスミン茶で生産が行われております。つまり、夏前に生産されたジャスミン茶は香りが弱い傾向があります。
ジャスミン茶用に栽培されているジャスミンの花の品種
ジャスミンの花の品種は多種類に及び、中国固有の品種に加え、タイ、ミャンマー、ベトナム系などいろんな品種が有ります。近年、広西でジャスミン茶の着香に最も頻繁に使用されるジャスミンは、花弁が二重になっているタイプのジャスミンです。
様々な品種のジャスミンの花
ジャスミン茶生産に用いられるジャスミンの花
手作業で膨らんだつぼみを選んで摘み取る
ジャスミン茶を摘む際は、手作業により一つ一つ摘まれます。摘む際は、開花した花ではなく、蕾の状態の花を選んで摘みます。開花した花は既に香りを放ってしまっており、ジャスミン茶の生産には使えません。また、小さすぎる蕾はその日の夜に開花しないため、緑茶と混ぜても用をなしません。重要なのはその日の夕方に開花する花の蕾を選んで摘み取ることです。
真ん中が摘み頃。開いた花はジャスミン茶の生産には使用できません。
摘み頃のジャスミン
真ん中2つが摘み頃、小さな蕾は翌日くらいに摘まれます。
ジャスミンの花はその日のうちに開花
摘まれたジャスミンは、夕方になると、広西壮族自治区の横県にあるジャスミン鮮花市場へと運ばれます。市場における相場はネットを介して刻一刻と表示され、その値段を見つつ、農家の人々は売るタイミングを計ります。ただ、ジャスミンの鮮花は、その日のうちに着香工場へと運ばれ生産に用いられます。したがって、農家としては安くても高くても最終的には売ってしまわなければなりません。雨が多い6-7月のジャスミンと比べ、生産量が少なく質が高い秋のジャスミンは4-5倍の値段がつきます。尚、市場では前日の晩に着香に用いられた、「中古」のジャスミンの花も流通します。これらはボトル飲料などのような安価なジャスミン茶の生産に使用されます。
広西壮族自治区横県のジャスミン生花市場
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