潮州の鳳凰鎮に仕入れに行ってきました。潮州と言えば鳳凰単叢烏龍茶の産地です。潮州へは必ず毎年行き、現地にて仕入れを行っております。
潮州は銘茶の産地と言うだけでなく、観光の目的地としても素晴らしい場所です。特に「食べることが何よりも好き」という私のような人には天国のような街です。

潮州へ行くには

潮州は広東省に属しております。日本から行くには2つの方法があります。1つ目は、広州や厦門まで飛行機で行き、そこから新幹線で行く方法。この方法ですとそれぞれの都市から数時間で到着します。
2つ目は全工程を飛行機で行く方法。この場合、一旦上海か広州へ行き、そこで乗り換えて、2時間ほどのフライトで潮汕空港に到着します。ただし、上海乗換の場合、国際線が到着するのは浦東空港なのに対し、ローカル便の出発空港が虹橋の場合が多く、両空港間の移動に1時間半近くかかります。潮汕空港から潮州の街までは車で1時間程度の距離ですが、これが意外に難関です。
空港からのシャトルバスが出ている物の、潮州の街までは1時間半〜2時間に1本しか無く、タイミングが悪いと極めて長時間の待ちぼうけを食らいます。深夜に到着した場合や、バスのタイミングが悪い場合はタクシーを利用することになるのですが、その場合、RMB150が相場で交渉の余地は全くありません。もし、1人か2人で旅をしているなら、タクシーの乗り合いを希望できます。同じ方面に行くお客さんを待ち、人数が集まれば出発します。この場合、1人頭RMB50で計算してくれます。

東南アジアの屋台文化のルーツは潮州(潮汕)

潮州の魅力と言えば他でもない、ストリートフードです。潮州はクエティオをはじめとする麺類やその他多種類の種類の屋台系料理の本拠地です。マレーシア、タイ、シンガポールのホッカーフードと呼ばれる料理の多くは安渓や厦門をルーツとしていると言われておりますが、実際、その多くは潮州の料理だったりします。その点、東南アジアのストリートフード(屋台料理)が好きな人にとって、潮州は天国と言えます。私は過去、東南アジアの中でも屋台料理で特に有名なペナン島に10年間住んでおりましたが、正直、潮州の屋台料理は質に関して圧倒的に優れており、ペナンの屋台料理は比較の対象にすらなりません。その最大の理由は、東南アジアの屋台料理は化学調味料を多用しているのに対し、潮州では昔ながらの方法で骨を長時間煮込む方法を採っております。また、潮州では煮物をする鍋もステンレスを使うなど細部へのこだわりがあります。私はお茶の仕入のために潮州ヘ行くのですが、実は一番の目的は屋台料理を食べることだったりします。屋台料理が美味しすぎるため、1日6食くらい食べてしまい潮州から帰る頃には体重が確実に増加しております。

シンプルな見た目からは想像できない、コクの強い濃厚な味のクエティオ湯(タン)

豚肉系と牛肉系、更に透明なスープ系と濃厚なスープ系など各種スタイルがあります。

潮州はお粥も有名です。豚足や鶏ガラなどを一日煮込んで出汁を取り、乾燥ホタテ、具材の鳩や雉、蟹などのスープと合わせます。香りだけでもくらくらするほど美味しいです。

職人気質の潮州人

潮州人はあまりフレンドリーな印象はありません。中国人の中でも極めて職人気質の民族で、伝統を重んじる傾向が強く感じられます。彼らの価値を理解してくれる人には非常に友好的なのですが、実際に親しくなるためには数年間を要すると感じております。ただ、実直で職人気質の潮州人は、東南アジアに移民した華人の中でも突出して成功者が多く、タイなどで米の貿易で富を成している人々や香港の李 嘉誠などがその例です。彼らの気質と伝統を重んじる姿勢ゆえに、未だに屋台料理が高い質を維持されており、鳳凰単叢烏龍茶のような非常に複雑な工程のお茶が妥協無く作り続けられているのでしょう。

2018年より突然潮州の街が綺麗になりました。

私は毎年潮州へ行っておりますが、行くたびに感じていたのは街が非常に汚い点です。料理が美味しいのですが、屋台で飲み食いした客が出すゴミがそこら中に散在しており、更に、道端はどこもかしこも車やバイクが駐車されており、歩道もまともに歩けない状況でした。私は仕事から様々な地方都市や町に行きますが、潮州の汚さは他の都市を圧巻しておりました。ところが、今年潮州に行ったところ状況が一変しました。街から違法駐車が消え去り、ゴミが無くなり、急に街が綺麗になっておりました。何でも、潮州政府による潮州を観光都市化したいとの方針から、突如、街を綺麗にするための法律を施行したそうです。逆にその煽りを受けたのは道端で営業をしていた屋台料理やでした。ただし、消えてしまったと思われた屋台料理やも夜9時頃になるとどこからとも無く現れます。しかし、警察もそれを承知しており、街のあちこちで見回りをし、違法に店先にテーブルを出している店は厳重注意を受けておりました。ただ、潮州の場合、人気店は屋台→路面店舗とアップグレードしてゆきます。したがって、小さな屋台店が消えても盛っている路面店はほぼ間違いなく美味しく、街が綺麗になってもストリートフードの文化は健在でした。

以上のように潮州は旅行の目的地として非常に面白く、中国旅行が好き、食べ物が好きと言う人には強くお勧めする街です。中国の美味しい屋台文化に触れたい人にはお勧めの目的地です。

尚、多数の鳳凰単叢烏龍茶を発売しました。
https://www.hojotea.com/item/houou.htm

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

この記事に関連するHOJO Teaの商品


関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

地元でも非常に入手が困難な2つの高級鳳凰単叢を発売
非常に高級な鳳凰単叢を2種発売しました。 今回発売のお茶は、鳳凰単叢老欉八仙王2022と鳳凰単叢老欉郁金香 単株2022です。 https://hojotea.com/item/houou.htm 鳳凰単叢老欉八仙王20 …
初の伊賀天然朱泥急須入荷、宝瓶と絞り出しも再入荷
伊賀天然朱泥急須、宝瓶、絞り出し、前川淳蔵氏による作品が発表されました。これまで多くのお客様から伊賀天然朱泥急須の制作についてのリクエストをいただいており、ついに実現することが出来ました。 https://hojotea …

最新の記事 NEW ARTICLES

お茶に適した水を考える:水の硬度とミネラル組成とお茶の味香りの関係
お茶を淹れるのに適した水について考えてみましょう。一般的には「軟水が好ましい」とされていますが、本当にそうなのでしょうか? 硬度以外にもある、水を選ぶ上での重要な注意点も併せて紹介したいと思います。 水の硬度とは 水の硬 …
5つの異なる茶園からなる古樹白茶特別限定セットを発売
HOJOの店舗でも非常に人気の古樹白茶ですが、今年の春も生産しました。その後、香りを更に高める為に、無酸素にて数ヶ月寝かしたことで、期待通りの香りへと熟成が進み、いつでも発売できる状態に仕上がりました。 古樹白茶は、1日 …
地元でも非常に入手が困難な2つの高級鳳凰単叢を発売
非常に高級な鳳凰単叢を2種発売しました。 今回発売のお茶は、鳳凰単叢老欉八仙王2022と鳳凰単叢老欉郁金香 単株2022です。 https://hojotea.com/item/houou.htm 鳳凰単叢老欉八仙王20 …
初の伊賀天然朱泥急須入荷、宝瓶と絞り出しも再入荷
伊賀天然朱泥急須、宝瓶、絞り出し、前川淳蔵氏による作品が発表されました。これまで多くのお客様から伊賀天然朱泥急須の制作についてのリクエストをいただいており、ついに実現することが出来ました。 https://hojotea …
自然栽培の老木から作られたプーアル茶、烏木龍古樹生茶2021を発売
烏木龍古樹生茶2021を発売しました。 このお茶は生産後マレーシアで2年間無酸素保存することで、熟成が進み、甘い香りへと成長しました。 昔ながらの農業が行われている烏木龍村 烏木龍は、永德県に位置する村の名です。この村は …
2023年産の大雪山野生白茶を発売!
2023年産の大雪山野生白茶を発売しました。 https://hojotea.com/item/w11.htm 特注だから出来る鮮やかな緑色の茶葉 大雪山の野生白茶は、野生のカメリアタリエンシスから生産される希少な白茶で …
2022年産の鳳凰単叢蜜桃香と老欉獅頭黄枝香を発売
2022年産の鳳凰単叢烏龍茶を2種発売しました。 今回発売したお茶は鳳凰単叢老欉獅頭黄枝香 2022と鳳凰単叢蜜桃香 2022です。 1年間熟成し、夏を2回経験したことで、お茶の熟成が進み、非常に香りが濃厚になりました。 …
2022産、鳳凰単叢老欉を2種類発売
2022年産の老欉鳳凰単叢を2種類発売しました。 https://hojotea.com/item/houou.htm 今回発売したお茶は、鳳凰単叢老欉草蘭香2022と鳳凰単叢老欉姜母香2022 これまで約半年間、無酸素 …
无量山古樹白茶 2018、マレーシア5年熟成の餅茶を発売
マレーシアで5年間熟成した无量山古樹白茶2018を発売しました。 このお茶は2018年に発売した当時も非常に人気が高く、極めて短期間で売り切れてしまったお茶です。 実は当時仕入れた半分を年間を通じて温度が高く熟成に最適な …
マレーシアクアラルンプールMidvalley Gardens店の新装開店
マレーシア・クアラルンプールのMidvalley Gardens Mall店は、改装が完了し、7月11日から新装開店を迎えました。改装工事にあたり、友人をはじめ多くの方々からのサポートに心から感謝しております。新しい店舗 …

PAGETOP