雲南省の自然栽培茶を使った薪火釜炒り焙じ茶の開発

[2025.05.10] Written By


現在、私たちは雲南省に滞在し、お茶の生産に取り組んでおります。シーズンも終盤に差しかかっていますが、この時期は特に成長が遅く、質の高いお茶が収穫期を迎えるため、最後まで気が抜けません。プーアル茶と紅茶の製造を主軸としながらも、並行して非常にユニークなお茶の試作にも取り組んでおります。現在は、雲南産の原料を使い、薪火による釜炒り緑茶をベースとした、薪火釜炒り焙じ茶の生産を進めています。

何故、わざわざ雲南省のお茶で焙じ茶を作る必要があるのか?

私たちはこれまで世界各地の産地を訪れてきましたが、原料茶葉の品質において、雲南省に勝る場所は存在しないと確信しています。もちろん、雲南省なら全て質が高いわけでは無く、標高2000mを超える高地、樹齢数百年の古樹、無農薬・無肥料による放置型の自然栽培等の条件が揃うことで、非常に透明感があり、余韻の長いお茶が生まれます。

実際、雲南省の優れた品質のお茶を体験すると、プーアル茶や白茶、紅茶だけでなく、さまざまな種類の茶を作ってみたくなります。今回も、雲南の自然栽培茶で焙じ茶を作ったらどうなるかと思い立ち、開発のために試作を重ねてきました。

烏龍茶のように時間をかけて焙煎

緑茶は回転式の薪火焙煎機を用いて製造しました。揉捻後も茶葉を回転させながら薪火で加熱し、カタツムリのような形状に仕上げました。高温で一気に加熱する方法ではなく、烏龍茶の焙煎と同様に、比較的低い温度で数時間から半日かけて加熱することで、果実やナッツのような香りを引き出しつつ、茶葉の緑色を残しています。

台湾の烏龍茶のような香りがする焙じ茶

力強い味わいを実現するため、プーアル生茶と同様に1芽3〜4葉の茶葉を選定しています。さらに特筆すべき点として、萎凋を行っております。萎凋によって、グリコシダーゼなどの酵素が活性化し、香気前駆体の分解が進むことで、果実や花に似た香りの成分が生成されます。その結果、緑茶というよりも微発酵の烏龍茶に近い仕上がりとなり、焙煎後には台湾烏龍茶を思わせる香りを呈しています。

焙煎に関しては、電気式の焙乾機を用いれば作業も効率化できますが、薪火による焙煎は香りにも味にも劇的な違いが現れるため、あえて薪火焙煎を採用しました。このため、非常に素晴らしい香りのお茶に仕上がっております。

仕上がった茶葉は速やかに冷却し、その日のうちにアルミ袋に包装、2日以内に出荷することで空気酸化を最小限に抑えています。このお茶は、入荷後に数ヶ月から半年間の無酸素環境で熟成させた上で、発売する予定です。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

産地でも珍しい実生老木の鳳凰単叢老欉蜜蘭香2022
非常に特別な鳳凰単叢老欉蜜蘭香2022を発売いたしました。特別である理由は、この蜜蘭香が、通常ではあり得ない実生の老木から作られている点にあります。そのため、一般的には考えられないほどの余韻が感じられ、非常に感動的な味わ …
劉家古樹生茶2025を6年ぶりに発売
2019年以来、仕入を休止していた劉家古樹生茶2025を、6年ぶりに発売いたしました。 https://hojotea.com/item/d56.htm 劉家古樹生茶は、私たちが2014年からお付き合いのある劉氏が、自身 …

最新の記事 NEW ARTICLES

産地でも珍しい実生老木の鳳凰単叢老欉蜜蘭香2022
非常に特別な鳳凰単叢老欉蜜蘭香2022を発売いたしました。特別である理由は、この蜜蘭香が、通常ではあり得ない実生の老木から作られている点にあります。そのため、一般的には考えられないほどの余韻が感じられ、非常に感動的な味わ …
雲南茶に使われる古樹・老樹・喬木の意味と実際
雲南省では、樹齢が高い茶樹ほど品質が高くなると理解されており、そのため樹齢を示す言葉が、お茶の名称やグレードに頻繁に用いられます。なかでも、古樹、老樹、喬木といった呼称は広く使われていますが、それぞれの意味や実際の使われ …
劉家古樹生茶2025を6年ぶりに発売
2019年以来、仕入を休止していた劉家古樹生茶2025を、6年ぶりに発売いたしました。 https://hojotea.com/item/d56.htm 劉家古樹生茶は、私たちが2014年からお付き合いのある劉氏が、自身 …
磁器茶器の選定について:三希牙白と徳化磁器
これまで当社では、磁器の茶器として台湾三希の製品を取り扱ってきました。三希の牙白シリーズは、お茶や水に対して優れた特性を備えており、実際にお茶の味や香りが明確に引き出されることから、当社としても高く評価し、約10年にわた …
手作り茶器各種入荷
渡辺陶三氏、前川淳蔵氏の茶器が複数入荷しました。 無名異 上赤 上赤は、佐渡島相川金山の坑道内から採取された、極めて稀少な天然土です。 金山に含まれる鉄分豊富な赤土 無名異 が、岩盤中で長い年月をかけて濾過されることで形 …
酸化酵素だけでは語れない発酵茶の香り-鍵を握る萎凋の科学
烏龍茶、紅茶、白茶などの発酵茶について、多くの書籍やネット情報では、お茶の発酵に関わる酵素としてポリフェノール酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ:PPO)のみが取り上げられています。 しかし実際には、お茶の発酵には多数 …
低温殺青で作り上げたフルーティなプーアル茶:独木春古樹生茶2025 散茶
独木春古樹生茶が入荷しました。 https://hojotea.com/item/d31.htm このお茶は製造が非常に難しく、今回入荷できたのはごく少量のみです。 今年発売後、数日で完売した白岩山古樹生茶と同様に、在庫 …
安渓色種入荷:自社焙煎による香り高い烏龍茶
安渓色種が再入荷しました。 今回入荷した色種はとても品質が良く、また、値段をも据え置くことが出来ました。 https://hojotea.com/item/o74.htm 安渓色種とは 福建省の安渓で烏龍茶の製法が確立し …
お茶を科学と実験で理解する体験型ワークショップ
静岡県菊川市のサングラムさん(静岡県菊川駅から徒歩3分)主催のTEA EDENというイベントにて、11月8日(土)に私、北城 彰がお茶のセミナーを開催します。 セミナーの内容は以下のリンクのPDFの通りです。 お茶を科学 …
華やかなフルーツの香り!月ヶ瀬紅茶 ベニヒカリを発売
無農薬無肥料のベニヒカリという紅茶品種を使った奈良県月ヶ瀬産の紅茶を発売しました。 この紅茶は、月ヶ瀬の生産者と共に、私自身も生産方法の改良に取り組んできた紅茶です。 多くの和紅茶では発酵の制御が不十分で、その結果生じる …

PAGETOP