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雲南省、易武の山でみた現代農業によるプーアル茶の品質低下
- [2010.05.27] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
この村はラオスとの国境地帯に位置しており、私が行った山には中国軍の国境警備隊がおりました。
農民の多くも軍服を着ており、聞くところによると、隣国から軍服が安く入ってくるそうで、農作業用として皆着ているそうです。
易武と言えば、西双版納の6つの有名な山の1つとして国内外でも大変広く知れ渡っております。昔からプーアル茶を生産していた山が6つあり、プーアル茶の代名詞のように語られる山です。マレーシアやシンガポールなどでは、6つの山と聞いただけで、コレクターの親父たちが小躍りするくらい有名です。大変有名な山なのですが、地元の専門家の間ではあまり評判が良くありません。
現代農業が進む易武のお茶作り
易武の地域は主に漢民族により茶園が所有されており、昔ながらの作り方ではなく、現代農業が実践されております。
たとえば、農薬をやったり、肥料を沢山与えることで、成長速度を速くする工夫がされております。お茶は時間をかけてゆっくりと成長した方が美味しくなります。すくすくと伸びてしまったお茶の場合、ミネラルをはじめとする成分量が少ないため香りに欠け、味にも深みがありません。
易武の地域にも「古樹」「老樹」と呼ばれる木が沢山あります。
ところが、どれも途中から切られております。剪定(せんてい)と言って、木を切ることで、若い枝が上に向かってすくすくと伸びます。
木は古くなるほどお茶の品質が上がりますが、同時に成長速度はどんどん遅くなっていきます。
木を途中できることで、木はすくすくと伸びますが、成長速度が速くなるため、お茶の品質は悪くなります。
老樹から採れたお茶にもかかわらず、味は、どちらかというと茶園産のお茶と変わらなくなるのです。
にもかかわらず、易武のお茶は名声のお陰もあって高値で取引されます。値段と品質のバランスが取れてないため、私は易武ではお茶を仕入れませんでした。
易武の山の風景:これは易武周辺の一般的なお茶の生えている様子です。山と殆ど差がありません。
途中から切られたお茶の木:お茶の木を切ると、若い枝が上に向かってすくすくと伸びます。
途中から切られたお茶の木
途中から切られたお茶の木
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