私が雲南省へ行く際には、半分は仕入れの旅で、半分は自分の知らない産地の新規開拓を行っております。今回は何カ所かこれまでに行ったことのない土地へと足を踏み入れました。
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その1つが、昌寧(チャンニン)という地域です。
この地域は保山市と呼ばれる地域に属します。
昌寧はプーアル茶の産地の中でもかなり北に位置し、また、前情報によると、1000年を超える古い木がある事が分かっておりました。
私としてはかなり期待していたのですが、臨滄市で出会ったお茶業者に、「昌寧のお茶はどうですか?」と訪ねると、決まって、味が薄いという答えが戻ってきました。
そうは言う物の、自分の目で確認しないことには納得が出来ないため、数泊の予定で出かけました。
昌寧へ行くには2つの方法があり、大理から保山市経由で下る方法と、雲県から雲南紅茶の産地である鳳慶を経由していく方法があります。
昌寧について気がついたのですが、この地域はその殆どが漢民族により構成されておりました。
これはある意味危険信号です。漢民族が運営する農場は、私の経験上、その殆どが現代農業により管理運営されており、お茶の味が薄っぺらくなる傾向があります。
漢民族はビジネスに長けており、収量を増やそうとするがあまり、施肥や剪定をし過ぎてお茶の品質を下げてしまうのです。
しかも漢民族の農家は、非常にビジネス能力が高いため、自分で自分のお茶を売ろうとします。
インターネットを使ったり、昆明の茶商に売り込んだり、或いは、広東省へ営業へ出向いたり、、、
昌寧で衝撃的だったのは、どの農家へいっても、今、老班章のお茶はいくら、易武のお茶はいくら、と他地域のお茶の値段を異常に意識しており、自分たちの値段も高いお茶を参考にして設定しているようでした。臨滄市の奥地で合った少数民族農家は、他の地域の値段なんて全く知りませんでした。
昌寧のもう一つの問題点は、隣町が鳳慶だと言う点です。
鳳慶は雲南紅茶の一大産地で、鳳慶の街へ行けば一目瞭然ですが、紅茶の需要は年々高まっており、街自体が見て分かるほどに潤っておりました。
雲県から鳳慶に入ると、雲県では見られなかったような豪邸が沢山建ち並んでおり、町並みも雲南省とは思えないほど整然としておりました。
鳳慶では自分の郡だけでは紅茶用の原料が足りません。この為、鳳慶では多くの原料を昌寧から仕入れており、その為に、昌寧の原料茶葉の価格が引き上がってしまっております。鳳慶も昌寧も漢民族により占められている郡ゆえに、お互いに商売をし易い関係にあるのです。更に、昌寧ではもう1箇所に大量の原料を供給しているそうです。それは、勐海。勐海と言えば、四双版納に位置するプーアル茶の代名詞のような場所です。こちらも漢民族が占めており、漢民族繋がりで昌寧のお茶がかなり流れているようです。
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鳳慶の主要茶園エリア:茶園内に建っている家も3階建てが殆ど
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鳳慶の高級住宅地:車から撮った写真
昌寧でも老木を見せて貰いましたが、どれも過剰な窒素肥料の施肥と剪定により、葉が巨大化し、その表面はワックスがかかったようにギラギラとしておりました。
聞いた話によると、この地域ではお茶は年間9回も摘まれます。紅茶としての原料需要があるために、摘める限り徹底的に摘むようです。
茶葉を食べてみるまでもなく、香りも味も薄く、全く喉越しが感じられない、まるで茶園産の茶葉のようでした。
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昌寧の老木
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この地域でも老木神話が横行しておりました。
お茶の品質は二の次です。お茶を選ぼうとすると、「このお茶の品質は・・・」という話は全くありません。ひたすら、木がどれほど老木で、どれだけ貴重で、他の地域でこれだけの老木は幾らぐらいする等々の話を聞かされました。
私はストーリーに対してお金を払うわけにはいきません。自分の求める品質規準と価格規準がありますので、それに合わなければ例え樹齢1万年の木から採れたお茶でも買いません。
昌寧では仕入れられそうなお茶は見つかりませんでした。しかし、昌寧のお茶事情が明確になったことは、私にとっては良い結果でした。

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