これ本当にお茶?!フルーツの甘い香りの中国茶、鳳凰単叢烏龍茶の産地

[2012.08.03] Written By

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今回も広東省潮州へ鳳凰単叢烏龍を仕入れに行ってきました。私は2010年から毎年行き続けており、今年で3年目です。
鳳凰単叢は潮州の鳳凰鎮という町で作られます。鳳凰山という山があるわけではなく、沢山ある山々が非常に急で、まるで鳳凰が羽を休めているような形に見えるというのが名前の由来だそうです。その中でも良い鳳凰単叢烏龍が作られるのは烏崠山と言う山です。他にも色んな山がありますが、実際に良質の烏崠山産の単叢烏龍と比較すると、正直品質が全く異なります。烏崠山は良質な土、高い標高、高樹齢の木が沢山あり、私は殆どのお茶を烏崠山から仕入れております。
単叢とは、単一の株からのみ収穫されたお茶という意味です。鳳凰山の場合、お茶は日本のような茶園方式ではなく、1本1本が木の形に仕立てられており、木ごとにコードが入っております。
実際には、現在の鳳凰鎮では数本の木から採れたお茶を混ぜ合わせる事で単叢としております。そして、高級なお茶になると、完全に1本だけの木から採れたお茶となり、1バッチが1−2kgくらいしかありません。
私が販売しているお茶ですと、水仙、東方紅、夜来香、通天香、蜜花香などがそれにあたります。つまり、これらのお茶は将来需要が増えたとしても沢山販売することは出来ません。

「鳳凰単叢烏龍は渋いので淹れ方が難しい」とか「渋いので暫く置かないと飲めない」という話を非常に頻繁に耳にします。
確かに渋いお茶もあります。只それは、鳳凰山の大多数を占める茶園産か、春ではなく夏や秋に摘まれたお茶です。
私も飲んだ事がありますが、とんでもなく渋く、確かに淹れにくいお茶でした。
但し、烏崠山産、高樹齢、春摘みの条件が揃った鳳凰単叢烏龍の場合、「まったく渋くありません。」
お茶を湯に漬けっぱなしにして5分おいても、10分おいても、良質な台湾烏龍と同じく、全く渋くなりません。
鳳凰単叢烏龍は渋いと言うのは全くの誤解で、事実とは異なります。
ただ、「鳳凰単叢烏龍は淹れかたが難しい」という話ですが、別の意味では本当です。
鳳凰単叢烏龍は土との相性が非常に悪く、無意識に選んだ陶器の茶器を使うと、美味しくなるどころか、味がフラットになるか、渋味が増すパターンが殆どです。
例えば、私が販売している茶器ですと、信楽土、萬古紫泥、一般的な常滑の茶器は鳳凰単叢烏龍との相性が最悪です。
鳳凰単叢烏龍は土の選り好みが激しく、良質の朱泥で作られた茶器とのみ高い相性を示します。私のラインアップで、高い相性を示すのは野坂朱泥を使って作られた「野坂シリーズ」の茶器です。
多くのお客さんが、鳳凰単叢烏龍は潮州産だから、潮州の茶器を使うという話をしてくれます。
残念ながら、潮州の茶器は朱泥と言うよりも紅泥に近い物が多く、また、その殆どはベンガラを入れて作られており、意外にも相性が合わない茶器が多いのが実情です。
鳳凰単叢烏龍はお茶とは思えないレベルのフルーツの香りがするお茶です。
初めて飲まれた方は、その凄さに驚かれます。現在、数種が既に入荷しており、今後、更に沢山の鳳凰単叢烏龍が入荷予定です。
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鳳凰鎮へいくと何故か毎年スズメバチ酒を飲ませてくれます。これは美味しいのですがかなり効きます。
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現地では朝の9時からテイスティングを始め、終わったのは夜中の2時でした。この地域ではテイスティング時に吐き出すという文化がないため、私もひたすらお茶を飲み続けました。多分数リットルは飲んだと思います。翌日起きたら、体中が筋肉痛のようになっておりました。

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