馬鞍山古樹生茶
私のプーアル茶のラインアップの中でも1-2を争う銘茶である馬鞍山古樹生茶の仕入を行いました。

臨滄にある4つの有名産地

雲南省でのお茶の仕入ですが、私は緯度と標高が高い臨滄を中心にお茶の仕入を行っております。臨滄には昔帰、氷島、忙肺と馬鞍山の4つの有名なお茶の産地があります。これら4つの産地の内、臨滄の市内から距離が近く、比較的アクセスが容易な氷島と昔帰に関しては、今では異常なほどに値段が高騰しております。当然、農家はより儲けたいと思うために、これら2産地は肥料漬けの状態となっており、また、一年の内に何度もお茶摘みがおこなわれており、著しく品質が低下しております。臨滄から6-7時間の距離にある忙肺についても近年政府関係者がお茶工場を開き、中国のドキュメンタリー番組で紹介されたことからここ数年値段高騰がおこっております。

馬鞍山古樹生茶

飛び抜けて高い品質の馬鞍山茶

臨滄の4つめの有名産地である馬鞍山は臨滄の市内、また最寄りの空港から最も遠い位置にあり、車で8時間以上の時間を要します。ミャンマーとの国境の近くに位置する馬鞍山は非常にアクセスが困難なことからか、今一、名前が知られているようで知られていない産地です。ただし、本物の馬鞍山産のを1度でも味わった人なら、馬鞍山のお茶の質の高さに驚かれることと思います。私も初めて馬鞍山のお茶を飲んだときは衝撃を受けました。馬鞍山のお茶の特徴は非常にふくよかな広がりのある味わいと、深い奥行きのある味わいです。お茶を口にいれると、強いふくらみが感じられ、まるでお茶の味が口いっぱいに広がるような豊かな感覚がします。ボディの強さとしてはプーアル茶の王様と言われる老班章と同等のレベルです。ただ、最近の老班章は値段高騰により、肥料栽培が一般化しており、馬鞍山のような奥行きのある味わいのするお茶は殆ど見られません。馬鞍山の場合、コクとボディの両方を持ち合わせていることから、お茶好きには本当にたまらないお茶だと思います。

馬鞍山古樹生茶

馬鞍山にも忍び寄る現代農業

ただし、馬鞍山についても、村の中心部については数年前から肥料栽培が行われており、お茶の質が低下しております。私は馬鞍山の中でも標高が高く、自然栽培を中心とした栽培方法を採っている地域のお茶を求めております。お茶の木は、肥料を与えると、色がより緑になり、木の色は黒っぽくなり、茶葉のサイズは大きくなります。自然栽培茶は葉のサイズが小さく、色が黄色っぽく、また、木の色が白くなります。また、地表に草木が生えているかどうかで自然栽培かどうかの判断をすることが出来ます。

馬鞍山古樹生茶

肥料を運んでいる農民

馬鞍山古樹生茶

高い加工技術を持つ生産者を探索

お茶の質も勿論ですが、もう一つ非常に重要視しているのは、①摘んだあとのお茶の葉の管理が出来るかどうかと言う点と②殺青の技術の高さです。お茶の製茶をする前に原料が荒っぽく取り扱われると、茶葉は酸化により赤っぽく変色し、その結果、香りや味に影響を与えます。また、殺青が上手く行われてないと、お茶が焦げ、焦げ臭が生じます。このような問題を回避するためには、非常に細かな部分にも気配りが出来、お茶の加工と品質との関係を深く理解している生産者を見つけることが重要と考えております。今回、生産者を捜し、馬鞍山の村を1日歩き回りました。そのなかで出会った生産者の1人は、私が指摘する問題に対して非常に真摯に、そして論理的に説明が出来る人でした。また、彼が生茶を受け入れる時、茶葉の非常に細かい点までチェックしており、彼の生産管理能力の高さが見て取れました。そこで幾つか、生産における管理規格を設定し、それに基づいて特注のお茶を試作をするように依頼しました。数日後、試作品を入手したのですが、試作は大成功でした。もともと、品質に対する意識が高い生産者なだけに、規準を明確に示すことで、見事に答えてくれました。

お茶選びは人選び

試作の品質に基づき本生産を行い、最終的に無事仕入が完了しました。馬鞍山は私のプーアル茶のラインアップの中でも最も高級なお茶だけに、このお茶を飲んだときの感覚的、体感的な美味しさが感じられる事が重要です。その為には、お茶の質と製茶技術の両方が高いレベルにあることが重要です。今回は非常に苦労しましたが、生産者が見事に要望に応えてくれたことから、私としても大きな達成感を味わうことが出来ました。お茶の仕入をする際は品質を見極める能力も勿論重要ですが、最も重要なのは生産者の能力を見極める能力だと最近つくづく感じております。

馬鞍山古樹生茶

熟成しても美味しい散茶

馬鞍山は馬鞍山古樹生茶という名称で販売予定です。このお茶は200gの餅茶に緊圧予定ですが、多くのお客様から散茶販売の要望をいただいているため、野生茶に続き、馬鞍山古樹生茶についても期間限定にて毛茶(散茶)の予約販売を行うことにしました。散茶のメリットは柑橘系の爽快な香りが残存している点です。人によっては青っぽい香りに感じられるかもしれませんが、慣れてくると非常に病み付きになる香りです。散茶の状態でもプーアル茶はしっかり熟成します。なお、散茶を熟成した場合、柑橘系の香りは熟成後も残存することから、散茶も熟成に適しております。

馬鞍山古樹生茶

4月3日までの期間限定で馬鞍山古樹生茶の散茶を予約販売

気候が乾燥している内にお茶を緊圧したいため、散茶の予約販売は4月3日を締め切りとさせて頂きます。馬鞍山古樹生茶の散茶が日本に到着するのは5月の末頃の予定です。到着し次第、発送致します。なお、他の商品と併せて注文された場合、発送タイミングをはかりかねますので、出来るだけ本商品のみでの御注文をして頂けますようご配慮ください。

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