雲南省南西部におけるプーアル茶の4大有名産地の1つ忙肺

[2015.05.22] Written By

プーアル茶 忙肺古樹生茶

雲南省臨滄の有名産地の1つ忙肺村産のプーアル生茶を近日中に発売予定です。

プーアル茶 忙肺古樹生茶

臨滄のお茶の特徴

プーアル茶の産地というと、老班章、武易、布朗山などに代表される雲南省南部、ラオスとの国境に接する四双版納が有名です。ただ、雲南省南部は昔からプーアル茶愛好家の注目度が高いことから、値段が高騰し、その結果、家畜の糞尿も含めた肥料を一切使用しない、完全自然栽培方式による栽培が極めて減少しております。四双版納に加え、もう一つの有名な産地は臨滄と呼ばれる地域です。臨滄は雲南省の南西部に位置しており緯度的には北に位置します。臨滄には无量山、哀牢山、大雪山などの標高の高い山が多いこともあり、お茶の産地はその殆どが1500m以上の地域に分布しており、中には2400mクラスの茶園もあります。また、四双版納と比べると臨滄は緯度がより北に位置しているために寒暖の差が大きく、質の高いお茶が出来やすい環境が整っております。更に、臨滄は非常に僻地と言うこともあり、南部ほど注目されておりませんでした。このため、村単位で見るとまだまだ完全自然栽培の茶園が多く残っております。臨滄のお茶は品質が極めて高い割に値段が安いこともあり、私は近年臨滄に特化してお茶の仕入れを行っております。

プーアル茶 忙肺古樹生茶

自然栽培のお茶の木

忙肺古樹生茶

写真のように木の周りの土が掘られている茶園は黄色信号です。それにしても、忙肺の土は良い色をしております。

臨滄の4大産地の1つ忙肺

臨滄を代表する有名な産地は氷島、昔帰、馬鞍山、忙肺の4つあります。勿論、これら有名な産地以外でも、素晴らしい品質のお茶はあります。ただ、これら4産地は中国において、非常によく知られており、価格的にも他産地よりも高めになっております。その中で、今回紹介するお茶は忙肺という村で作られたお茶です。忙肺というと、日本語だけでなく、中国語(マンフェイ)でも何だか面白い響きですが、このような不思議な村の名称は、その土地の少数民族の言葉から派生しております。

産地付近でも類似品が多い忙肺のお茶

忙肺の村からは1本の川が流れており、この川の流域で作られるお茶は比較的強いボディを呈することで知られております。忙肺の下流域には勐板という名称の村があり、この村で収穫されるお茶についても同じ川の流域と言うこともあり、ボディが豊でふくよかな味わいが特徴です。ただし、ボディの強さからすると、忙肺の方が個性がはっきりとしております。

稀少になりつつある忙肺産のお茶

忙肺は数年前までは非常に良いお茶が作られておりました。ただし、近年、政府関係者がお茶工場を個人的に取得し、それと同時にテレビ局に働きかけることで、忙肺の特集番組を製作し、放送したことから忙肺の名声はここ数年で急激に高まりました。その結果、お茶の値段が急上昇したことから、農家ではより多くの収入を求め、肥料の使用量を増やしたり、剪定を積極的に行うなど、現代農業のスタイルによるお茶作りに傾きつつあります。今では、伝統的な無肥料栽培を行っている農家は非常に少なくなりつつあり、良いお茶を確保するのが非常に困難になりつつ有る産地です。反面、中国における忙肺の名声は年々顕著に高まりつつあり、近年では昆明は勿論、広州あたりの茶市場でも多くの店先で忙肺という名称を見かけます。もっとも、忙肺の地域は非常に狭いことからその多くは、実際に忙肺で作られたお茶でないことも確かです。

プーアル茶 忙肺古樹生茶

プーアル茶 忙肺古樹生茶

プーアル茶 忙肺古樹生茶

プーアル茶 忙肺古樹生茶

太いボディが特徴

忙肺の特徴はなんと言っても深いボディと厚みのある味わいです。味が非常に太く力強く、布朗山や老班章のような雲南省南部のお茶とも少し類似する個性も感じられます。今年は樹齢が100年を超える古樹から仕入を行いました、自然栽培の古樹ゆえのしっかりとした味わいのお茶です。お茶は200gの餅茶に緊圧しました。既に手元に到着しておりますので数日内に発売を予定です。
プーアル茶 忙肺古樹生茶

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