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今年の夏の出張では江蘇省蘇州胴庭山半島にある碧螺春の茶園を訪ねました。
碧螺春と言えば、中国の緑茶の中では龍井茶と並び人気のあるお茶です。
初摘みの高級な物になると100g余裕で数万円したりもします。
碧螺春と言うお茶の何がそんなに凄く、何故ゆえに高級なのでしょう?
この疑問の答えを探すべく現地へと向かいました。
良いお茶をの条件は、喉の奥に抜けるような強い後味(喉越し)と定義されますが、この味を実現するためには、茶葉に十分なミネラルが含まれていることが必須であり、そのためには、以下何れかの生育条件が不可欠と推察されます。
1.高山: 昼夜の温度差が大きいため、茶葉の生育が遅くミネラルが蓄積される。また、冬の期間が長いため、茶木に蓄えられるミネラル量が多い。
2.老木: 老木の場合根が張っているため、よりミネラルの吸収能力が高い
3.特異的品種:武夷山の大紅袍や日本における在来品種に代表されるように、ある品種によっては他品種と比べ圧倒的に根が長く張られており、ミネラル吸収能力に優れる。
以上の条件に加え、茶摘みの回数が少ないことも茶木内のミネラルを無駄遣いしないために重要です。
これらのどの条件に碧螺春が適合するか、考えながら視察を行いました。
胴庭山は西山と東山に分かれており、通説では、東山のほうが高級と言われております。
私が訪れた茶園も東山でした。
実は胴庭山ではお茶に加え、桃、枇杷、山桃が作られております。
この地域にあるお茶会社は、果物会社も兼務しており、春は碧螺春を売り、その他の季節になると、果物を貿易することで、商いをしております。
私が胴庭山についたときは果物の最盛期で、上記3つの果物が全てありました。
茶園のオーナーの息子が案内をしてくださったのですが、「茶園」と行って案内された場所は、正に果樹園そのものでした。
茶園とは名ばかりで、果物の木が所狭しと植えられており、その間にまるで気を遣うかのように茶木が植わっておりました。
茶園に果物の木が植えられているのは他の地域でも目にする光景ですが、碧螺春の茶園の場合、明らかに力関係が逆転しており、どう見ても、果物園にしか見えませんでした。
因みに、中国では、碧螺春の香りは、茶園に植えられている果物の木の御陰という説が当たり前のように語り継がれております。
もちろん、これは根拠のない神話です。果物の木は、茶木に直射日光を当てない為、更に、茶園の有効利用をするために植えられているそうです。続く
丘の上から茶園と言われる方を見下ろすと。そこにはお茶の木は何も見えず、ただひたすら果樹園が続いておりました。
果物の木の下をのぞき込むと、申し訳なさそうに生えているお茶の木がありました。
山桃が最盛期でした。茶園のオーナーが食べて良いという物だから、ついつい何十個も食べてしまい、その後私のおなかの雲行きは雷雨へと変化しました。
茶園オーナーの息子
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