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安渓の烏龍茶を鳳凰単叢烏龍のように仕上げる実験
- [2018.08.07] Written By 北城 彰(Akira Hojo)

潮州を代表する鳳凰単叢烏龍茶は、お茶とは思えないレベルのフルーツのような甘い香りがするお茶です。初めて飲まれる方の多くは、その香りの甘さに驚かれます。この甘い香りを作り上げるためには、発酵だけでなく、伝統的な炭火による焙煎技術が用いられます。100℃以下の低い温度で6時間〜数十時間かけてじっくり焙ることで、熟成を加速し、濃厚な甘い香りが形成されます。私は個人的興味でから他産地の烏龍茶を鳳凰単叢烏龍の焙煎方法で仕上げる事を思いつきました。ちょうど今月、潮州の鳳凰鎮に鳳凰単叢烏龍の仕入に行くため、その際に実験をするべく計画中です。今回、安渓の肉桂と鉄観音を潮州へ送り、鳳凰単叢烏龍と同じ方法で低温焙煎をしようと考えております。
極めて稀少な低温+炭焙のお茶
近年、炭火による焙煎は非常に少なく稀少化しております。中国台湾茶を問わず、烏龍茶の大半は熱風での焙煎を採用しております。ただ、熱風と、炭火では熱の伝わり方が異なります。輻射熱である炭火の場合、熱が芯まで伝わるため、炭火で焙煎したお茶は、誰が飲んでも瞬時に分かるレベルで味も香りも優れております。炭火で焙煎した場合、熱が素材を貫通するため、非常にスッキリとした、統一感のある香りになります。ただ、炭火は非常に温度制御が難しく、多くの生産者は100℃を超える温度で焙煎しているのが実情です。ただし、焙煎温度が100℃を超えた場合、焦げが生じ、その結果、「香ばしい」香りが形成されます。武夷山、安渓、台湾にも炭火で焙煎が行われているお茶がありますが、その多くは100℃を超える焙煎温度が用いられており、香ばしい香りを売りとしております。決して香ばしい香りが悪いというわけではなく、それも「個性」として市場では受け入れられているのも事実です。現在、100℃以下の低温長時間の焙煎で仕上げられているお茶は、標高の高い茶園産の鳳凰単叢烏龍茶と超高級な武夷烏龍くらいで、他のお茶ではあまり見かけません。
安渓の肉桂と鉄観音を鳳凰単叢風に仕上げる
私は「安渓産の烏龍茶を原料に用いて、鳳凰単叢烏龍の伝統焙煎で仕上げてみたい」と長年考えておりました。異なる産地間でのコラボレーションは中国でもあまり例が無く、結果が想像できるようでできません。幸い、私は安渓の生産者と潮州の生産者の両方と仕事付き合いがあるため、両者に計画を話し、安渓から烏龍茶の毛茶を仕入れ、潮州へ送り、低温の炭火で焙煎をして貰うことにしました。今回実験するのは鉄観音と肉桂です。どちらもHOJOのラインアップとして販売しているお茶で、これらを100℃以下で炭焙することで、どのようなお茶に仕上がるかテストする予定です。焙煎は鳳凰単叢烏龍茶の清香タイプに相当する方法と、濃香タイプに相当する方法を両方試す予定です。もし、良い結果がでた場合は、限定での販売も考えたいと思います。
今月下旬に鳳凰単叢烏龍茶の仕入れのために潮州へ行く予定ですので、その際に焙煎に立ち会い、試作実験を行う予定です。肉桂と言えば、武夷烏龍茶でも人気の銘柄です。潮州式の炭焙で仕上げた肉桂がどのようなお茶に仕上がるのか、今から非常に楽しみです。
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