台湾に1週間程滞在し、烏龍茶の仕入れをしてきました。台湾茶の仕入れをする際は、例年と同じレベルの品質と価格を維持することを重要視しております。ただ、お茶は農産物ゆえ、実際に産地へ行くと、その年々で個性の尖った面白いお茶に出会うことがあります。このようなお茶は、毎年有るわけではなく、定番商品とし繰り返し仕入れることが出来ません。ゆえに、昨年までは、品質が高くても特殊なお茶に関しては仕入は控えておりました。ただ、個性豊かなお茶をやり過ごすのは、非常に残念ゆえ、今年から、珍しいお茶も積極的に仕入れ、限定茶として予約販売の形で提供することにしました。今年は雨が少なかったため、お茶の質が非常に良く、合計2種類の面白いお茶を入手しました。これらのお茶は現在台湾で保管しているため、予約販売を行いたいと思います。締め切りは8月25日とさせていただきます。興味のある方は是非ご検討ください。

生産者がブレンドする前のロットを評価するメリット

お茶は、茶園や生産日の違い等、ロット毎に品質や個性が大きく異なります。生産者はこれらのお茶を最終的にブレンドし、品質や値段を均質化した上で販売します。私は、ブレンドが行われる前に、現地にて、複数のロットを評価させて貰うことで、気に入ったロットを仕入れております。お茶は農産物であり、手作業で加工が行われることから、その年特有の気象条件や、茶園の状態、製茶時の偶然などから、個性的で、はっとするような、面白いお茶に出会うことがあります。今年は伝統式凍頂烏龍茶と阿里山茶の2種類に関して、面白いと思える品質のお茶を見つけました。

花の香りがする伝統式凍頂烏龍茶

伝統式凍頂烏龍茶とは

近年の台湾の烏龍茶は微発酵が主流です。微発酵ゆえに緑茶のような口当たりと、特有の甘い花のような香りを呈します。香り高くそれでいて飲みやすい為、初心者を初め、幅広い層に人気です。それに対して、伝統式の烏龍茶は一般の台湾烏龍茶よりもより多くの手間と時間をかけ、茶葉をしっかりと発酵させた烏龍茶です。具体的には攪拌作業(浪青)をより多く行い、長い時間をかけて発酵を行います。伝統的な烏龍茶は、重点的な発酵により、茶葉の縁がオレンジ色をしているのが特徴で、濃厚な味わいと、フルーツのような香りがします。味香りが濃厚であることから、飲みつけると非常に癖になるお茶です。ただ、伝統式烏龍茶は作業に手間がかかることから近年は生産する人が極めて少なく、台湾でもとても稀少で入手が難しいお茶となりつつあります。

内部発酵を最大限に高めることで濃厚な味わいと花の香りを両立

実は、今回紹介するお茶は普通の伝統式凍頂烏龍茶では有りません。伝統的な凍頂烏龍茶の作り方を踏襲し、しっかりと発酵をしているにもかかわらず、花のような香りがする烏龍茶です。生産者は伝統式凍頂烏龍 清香と呼んでおりました。

烏龍茶の発酵には茶葉の内部発酵と、外部発酵の2つのステージがあります。一般的な台湾烏龍茶の発酵は内部発酵のみです。特徴として、茶葉は全体に緑色をしており、一見緑茶のように見えますが、実のところ茶葉内部は発酵しており、花のような甘い香りを呈します。それに対して、伝統式凍頂烏龍茶、鳳凰単叢烏龍茶や東方美人は、内部発酵に加え、外部発酵を生じさせます。その結果、茶葉の一部分または大部分がオレンジ色をしており、フルーツのような香りがします。生産者によると、中国語ではこの内部発酵と外部発酵のことを「行腹内」「行出皮」と言う言葉で表現するようです。

伝統式凍頂烏龍茶 スペシャルの茶葉

面白い事に、茶葉の色が褐色化しない内部発酵の段階では、発酵の強弱に関係無く花の香りがします。それに対して、茶葉の縁がオレンジ色〜褐色へと変化すると、急激にフルーツの香りを生じます。発酵を内面だけに留めるか、外部に出現させるかは、攪拌の頻度、発酵時間、茶葉の水分、環境の湿度や温度などの各種要素により総合的に制御されます。本商品は、生産工場室内の湿度と温度を低く維持することで、重発酵にもかかわらず、茶葉の縁が褐色化する直前ギリギリまで内部発酵を引き延ばすことで、内面発酵を最大限に高めました。下の図のAが一般的な微発酵の台湾烏龍茶、Cが一般的な伝統式凍頂烏龍茶、Bが今回仕入れた特別な伝統式凍頂烏龍茶になります。一般的な傳統式烏龍茶と異なり、茶葉の縁は点線上にオレンジになっている程度で、全体が緑に保たれている点が特徴的です。花の香りにもかかわらず、濃厚でリッチな重発酵烏龍茶の味わいがします。濃厚な味わいと花の香りを両立していると言う点で、非常に面白いお茶です。あまり香りの想像がつかないかもしれませんが、百聞は一見にしかずですので、是非飲んでみてください。

春の花のような爽やかな香りがする阿里山茶

阿里山茶は阿里山という山で収穫されたお茶です。阿里山における茶園は低地から高地まで広い範囲に分布しており、低いところは数百メートル、高い場所では1500-1600mあります。標高の高い茶園産のお茶は、味が軟らかく、香りが濃くなります。HOJOでは標高の高い茶園を選び、仕入れを行っております。因みに、「阿里山」は山の名称にすぎないため、同じ阿里山茶という名称のお茶でも、生産者、茶園毎にその味香りは一律ではありません。いろんな阿里山茶を評価していると、時として非常に個性的な香りの阿里山茶と出会うことがあります。今回仕入れた阿里山茶は仄かにヒヤシンスのような、爽やかな香りがするお茶です。このような香りは珍しく、私は発酵のしかたが違うのかと思いました。実はこのお茶、生産方法が特殊なわけではなく、この特定の茶園のみ、毎年非常に個性的な花の香りがするお茶が出来るそうです。特に今年は雨が少なかったこともあり、個性が顕著に出ました。

     

この茶園のお茶が特徴的な香りがする理由ですが、その茶園にだけ大きなクスノキが生えており、それが香りに影響していると考えられております。額面通り受け取って良いのか分かりませんが、この茶園だけ香りが異なる事を考えると、クスノキが共存する微生物を介して、落ち葉の成分、クスノキによるストレスなど、何らかの形でお茶の木に影響を与えているのかもしれません。香りが個性的とは言うものの、別の種類のお茶レベルで異なるわけではないため、その違いを感じていただくには、HOJO定番の阿里山茶と比較していただくのがベストです。HOJOの定番の阿里山茶との飲み比べセットも用意しましたので、是非、飲み比べをしてみてください。HOJOの定番の阿里山茶は花の香りと甘い蜜の香りが仄かにするお茶です。

阿里山茶 スペシャルの茶葉

 

 

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