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大茶頭だけから作った贅沢なプーアル熟茶、薄刀山茶頭磚2017を発売
- [2024.01.17] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
薄刀山茶頭磚 2017を発売しました。
このお茶は大茶頭という、春茶のみから作られたプーアル熟茶の発酵過程で自然に生じた塊のみを集めて、ブロック状に加工したお茶です。尚、磚とは形状を示す言葉であり、ブロック状という意味です。
非常に個性的な香りゆえ、好き嫌いが分かれるかと思いますが、好きな人にはバシッとはまるお茶です。
https://hojotea.com/item/d99.htm
茶頭とは?
プーアル熟茶の発酵は、好気性菌、嫌気性菌、カビや酵母など、さまざまな微生物が交互に関与します。茶頭は、熟茶の発酵途中に自然に形成されるダマ状の塊です。これは主に、放線菌などの微生物が生成する多糖類とお茶の成分が相互作用することによって、微生物発酵の途中で茶葉が自然に凝集してできます。
緊圧前の大茶頭
なお、茶頭が形成されるのは、成分が豊富な春の一番摘み茶を使用した場合が主であり、夏摘み茶からは基本的に形成されません。秋摘みのお茶からも少量形成されますが、その量は極めてわずかです。数トンの茶葉を発酵させても、20-30キロが限度であり、非常に緩く壊れやすい茶頭となります。秋摘み茶頭は味や香りなどの品質面で春摘みの茶頭とは明らかに異なり、粗い味わいとなります。
茶頭をブロックに固めているため、表面には茶頭の塊が見て取れます。また、エッジは茶頭を緊圧しているため、ややイレギュラーな形状になっております。
春摘み茶は成分が豊富なため、茶頭は非常に硬く、大型に成長します。ただし、春茶を原料とするプーアル熟茶自体が非常に少ないため、プーアル茶市場では茶頭は極めて希少です。
特殊な発酵と熟成を経て形成される茶頭固有の香り
茶頭は形状だけでなく、香りと味にも明らかな特徴があります。同じバッチの熟茶散茶と比較しても、茶頭は香りが非常にフルーティであり、味わいが豊かで甘味があり、さらに滑らかでとろりとした口当たりのお茶となります。
茶頭が特有の味わいと香りを持つ理由は、その形成過程に由来しています。発酵中盤に形成された茶頭内部は発酵が完全に終了していない半発酵状態で無酸素状態となります。この時点で茶頭は、適度な水分を含み、さらに発酵によって生じる熱により1ヶ月間熟成されます。お茶が無酸素下で熟成することで、非常にフルーティな香りが形成されます。特にサイズが大きな大茶頭は、無酸素下の茶葉の体積が多いため、茶頭の中でも香りの個性と品質が突出しています。
マレーシアの倉庫で5年間熟成
本商品は2018年に仕入れを行いました。ただ、茶頭は数年程度熟成させた方がその香りの真価を発揮するため、5年間マレーシアの倉庫で熟成を行いました。仕入れた直後は、やや荒削り感があったのですが、マレーシアの高い温度下で長期熟成したことで、香りはより成熟し、味の滑らかさが増しました。
産地の薄刀山はミャンマーの直ぐお隣
薄刀山茶頭磚は、雲南省臨滄市の南西部、鎮康県の薄刀山が産地です。薄刀山はミャンマー国境に非常に近く、鎮康県の住民にとって馴染み深い有名な山で、切り立った岩山のような外観が特徴です。個人的な感想として、この山は日本の南アルプスの鋸岳に外観が似ていると感じました。いずれにせよ、その切り立った外観が刃物のように見える点が特徴的です。
棗香と樟香が半々に感じられる癖になる香り
薄刀山茶頭磚2017は、当店で販売中の薄刀山古樹生茶2016と同じ生産者によって製造されていますが、生産年が異なるため、茶園もわずかに異なります。今回仕入れたロットの原料は、少数民族の農家が薪火を使った小型の殺青釜で仕上げたお茶を使っております。
薄刀山茶頭磚は、発酵によって生じる乾燥棗のような甘い香りに加えて、愛好家の間で樟香と呼ばれる漢方薬っぽいウッディな香りがあります。樟香は東南アジアで非常に人気があり、この香りが感じられると大変喜ばれます。薄刀山茶頭磚2017の樟香は控え目で、ベースとなっている棗香の甘い香りが強く、樟香と甘い香りのコンビネーションがとても飲みやすく、割とクセになります。
薄刀山のお茶は、原料の個性として非常にフルボディな個性を持っています。口に含むと、香りが広がり、口の両脇に心地良い甘味が感じられます。
お買い物はこちらから
袋小(固まりを小分けして袋詰め):50g / 価格 1,404円(税込み)
ブロック1個:250g / 価格 6,480円(税込み)
お値打ちパック:1000g(ブロック250gを4個) / 価格20,736円(税込み)
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