IMG_8554
HOJOの商品ラインアップの多くを占めるのが雲南省のお茶です。私が雲南省のお茶に力を入れている理由ですが、雲南省には探せばまだまだ完全自然栽培の茶園が残っており、原料となる茶葉の品質が突出して優れているためです。ただし、雲南省のお茶を扱う上での悩みは生産技術が非常に低い生産者が多く、折角良い原料を使用しても、最終的に製茶されたお茶が不満足な内容になることが珍しく無い点です。このような状況下、茶摘み〜製茶仮定でのバラツキを無くし、自分が理想とするお茶に仕上げるため、私は特殊な仕入方法を採用しております。

良い品質のお茶を求め特注でお茶を生産

数年前までは、私は山岳地にある様々な村を訪問しては歩き回り、生産者を見つけては、彼らが生産した新茶を見せて貰い、気に入ったお茶があれば仕入れるという方法をとっておりました。文字通り、生産者から直接仕入れていたわけですが、以下のような幾つかのジレンマがありました。

  1. 茶園(お茶の木)を自分で選べない
  2. お茶の摘み方の基準を設定できない
  3. 製茶を私達が希望する方法で出来ない

以上の問題を解決するため、2015年より出来合のお茶を仕入れるのではなく、信頼できる茶師にカスタムメイドにてお茶を仕上げて貰う方法に変更しました。

気に入った茶園から生茶を仕入れる

一般に少数民族の村では、少数民族が茶園を所有しており、彼らが摘んだお茶は地元のお茶工場へと持ち込まれ、そこで生茶の売買が成立します。お茶工場では少数民族から生茶葉を買い取り、それを製茶して自社製品とします。一般に、お茶工場では、茶園ごとに区別して生産をするわけではなく、生茶葉の状態・品質を評価した上で、複数の農家の茶葉をブレンドし最終製品に仕上げます。新茶の時期に生産工場を訪れ、お茶を仕入れようと思った場合、これら出来合のお茶を仕入れるほかありません。より選び抜いた茶園のお茶を使ってお茶を作るためには、シーズンが始ままる前に現地入りし、どのエリア、どの茶園、どのような条件の「生茶葉」を用いるか、事前に打ち合わせを行うことで、指定した品質の茶葉を確保する必要があります。

IMG_2030

茶摘み基準の設定

プーアル茶は一芯二葉、一芯三葉、一芯四葉など、様々な茶摘み規準があります。摘み方によって、お茶の味わいや香りが異なるため、私としては、商品ごとに茶摘み規準を指定しております。例えば、岩鳴山古樹生茶は滑らかさを強調するために一芯二葉を規準として茶摘みを行っております。一般的なプーアル茶の茶摘み規準と比べて滑らかな味わいとなります。逆に、无量山古樹生茶や馬鞍山古樹生茶の場合、敢えて、一芯3-4葉を指定することで、より香りが強く、苦味が少なく、飲み応えのあるプーアル茶に仕上げております。
IMG_3110

製茶方法の特注

プーアル茶の製茶の際、萎凋時間と殺青方法は生産者によって大きな差が生じます。萎凋をすればするほど水分量が少なくなるため、多くの生産者が萎凋を殆どせずに殺青を行っているのが現状です。ただし、萎凋を行わずに作られたプーアル生茶の場合、青臭い香りが強く感じられます。これを回避するために、殺青を軽めに行う生産者が近年増加傾向にありますが、殺青が軽いお茶は、熟成させた際に香りにノイズが生じます。私は萎凋と殺青の両方をしっかりすることで、新茶で飲んでも熟成させても美味しいお茶に仕上げることを重要視しております。
また、プーアル茶以外でも、白茶や紅茶なども生産方法の詳細を打ち合わせ、希望にあった作り方をしております。

私は2010年から雲南省に毎年来続けておりますが、特注生産方式が出来るようになったのは2015年からです。現地の茶園、栽培方法、生産方法の詳細な知識、更には信頼できる生産者との信頼関係が無い場合、特注方式は逆に非常にリスクが高い仕入方法となります。実は、この方法をとっているのは私だけではなく、中国のお茶会社でも、非常にこだわりの強いプーアル茶の専門会社は、やはり特注生産方式を採用しております。今年は雲南省産のお茶の殆どが特注生産方式での生産を予定しており、何れも特徴のあるお茶に仕上げる予定です。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

東山生茶 2024の散茶を発売
東山生茶 2024の散茶を発売しました。実は、東山の散茶を販売するのは今回が初めてです。 https://hojotea.com/item/d63.htm 雲南省臨滄市鎮康県の高山地帯で収穫された老樹茶 東山生茶2024 …
鳳凰単叢老欉蜜蘭香 2023を発売
鳳凰単叢老欉蜜蘭香2023を発売しました。 https://hojotea.com/item/houou.htm 鳳凰単叢は広東省潮州市を代表する烏龍茶で、老欉は樹齢の高い茶樹から収穫された茶葉を使ったお茶を指します。 …

最新の記事 NEW ARTICLES

東山生茶 2024の散茶を発売
東山生茶 2024の散茶を発売しました。実は、東山の散茶を販売するのは今回が初めてです。 https://hojotea.com/item/d63.htm 雲南省臨滄市鎮康県の高山地帯で収穫された老樹茶 東山生茶2024 …
なぜお茶は渋いのか?渋味の原因と仕組みを紐解く
お茶には渋味を全く感じないものもあれば、非常に強い渋味を持つものもあります。では、この渋味の原因は何なのでしょうか?ここでは、渋味の原因とそのメカニズムについて解説します。 渋味の原因 渋味は、お茶の成分が口腔内のタンパ …
鳳凰単叢老欉蜜蘭香 2023を発売
鳳凰単叢老欉蜜蘭香2023を発売しました。 https://hojotea.com/item/houou.htm 鳳凰単叢は広東省潮州市を代表する烏龍茶で、老欉は樹齢の高い茶樹から収穫された茶葉を使ったお茶を指します。 …
湯を沸かす熱源によって変わるお茶の味香り
お茶を淹れる際に使うお湯ですが、やかんの材質によってお湯の味が変わることはよく知られておりますが、実は、やかんの材質以外に、湯を沸かす熱源の種類によっても味が大きく変化することをご存じでしょうか? 同じヤカンでも、熱源に …
棠梨山古樹熟茶2023を発売
棠梨山古樹熟茶2023年(とくりさん)を発売しました。 https://hojotea.com/item/d155.htm 棠梨山は中国語でTan Li Shanと発音し、永徳県の中心地である徳党鎮の北側斜面に位置する山 …
東山生茶・白毫銀針・茉莉銀針の3種類のお茶を発売
東山生茶2023、白毫銀針、茉莉銀針の3種類のお茶を発売しました。 東山生茶2023 https://hojotea.com/item/d63.htm 東山生茶2023を発売しました。東山生茶は当店でも非常に人気の高いお …
大雪山野生茶(生茶)2023年・2024年産 同時発売
大雪山野生生茶の2023年産と2024年産を発売しました。 2023年産については、マレーシアの倉庫で1年間熟成しております。 https://hojotea.com/item/d27.htm   雲南省でも入 …
佐渡無名異焼作家の渡辺陶三作:野坂粗土還元急須が入荷
野坂粗土還元焼成の茶器を発売しました。 今回入荷したモデルは、茶壺(後手急須)、フリーカップ、マグカップの3点です。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_reduction.htm …
佐渡島の渡辺陶三製作:野坂粗土酸化焼成の茶器が入荷
佐渡島の陶芸家、渡辺陶三氏による「野坂粗土酸化焼成」の茶器を発売いたしました。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka.htm   野坂は佐渡島の沢根にある地区名で、相川金山に …
2300mの野放茶園産、高山白茶を発売
高山白茶を発売しました。 このお茶の茶園には、次の2つの特徴があります。 1. 標高2200-2300mに位置する茶園 2. 完全に野生化したお茶の木で構成される野放茶園 非常に理想的な環境ゆえに、お茶の品質も素晴らしく …

PAGETOP