前回のブログで紹介した蛇塚煎茶ですが、非常にクリアーな飲み心地にもかかわらず、花のような濃い香りが特徴です。
乾燥茶葉は仄かにブドウのような香りがしており、淹れたお茶からは花のような香りが感じられます。
上述したような個性を生み出している秘密は、約800mという高所で茶が栽培されているという点だけではありません。
今回は蛇塚でお茶作りをしている中村さんの工場を訪れ、様々な加工テクニックを教えて頂きました。

日本茶なのに萎凋をする

まず驚いた点に、中村さんのお茶は日本茶なのに萎凋をしているのです!萎凋とは収穫した茶葉を風邪通しの良い暗所で放置し、僅かに萎れさせることで内部の酵素による微発酵を促す工程です。ダージリンティなども萎凋が無ければ決してあの香りは出ません。萎凋は香りを生み出す最も重要な工程なのです。
そんな中、意図せず、蛇塚のお茶は萎凋をすると知り、驚き、また、自分の仮説が正しかったことを再認識することが出来ました。
中村さんは更に、香りを最大限に発揮するために、あえて通常よりもやや成長した茶葉を摘んでおります。萎凋を微発酵と定義した場合、より香りを出そうと思ったら若くてアミノ酸が圧倒的に豊富な茶葉より、アミノ酸量が多少減少し、ポリフェノールに置き換わった茶葉の方が適しております。
萎凋は24時間と、極めて本格的に行われます。収穫後の茶葉は竹の籠に入れられ、空気が通いやすいように真ん中に穴を開けます。
中村さんのお茶は全て手で摘まれ、今では当たり前となった機械摘みではありません。
手で一枚一枚摘まれたお茶は、工場で丁寧に選別され、24時間萎凋を行った後に、初めて加工されます。
一般に、日本茶の場合香りを出そうと思ったら、火を強めに入れます。

でも、蛇塚のお茶の凄いところは、火が入って無くても香りが強く、そのために火を殆ど入れる必要がないことです。
火をあまり入れなくてもすむため、喉越しがしっかりとしており、香りが何時までも喉の奥に残ります。
このお茶ですが、もう少ししたら発売予定です。

nakamura.jpg
中村さん
IMG_2734 a
萎凋中の茶葉

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

この記事に関連するHOJO Teaの商品


関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

東山生茶 2024の散茶を発売
東山生茶 2024の散茶を発売しました。実は、東山の散茶を販売するのは今回が初めてです。 https://hojotea.com/item/d63.htm 雲南省臨滄市鎮康県の高山地帯で収穫された老樹茶 東山生茶2024 …
鳳凰単叢老欉蜜蘭香 2023を発売
鳳凰単叢老欉蜜蘭香2023を発売しました。 https://hojotea.com/item/houou.htm 鳳凰単叢は広東省潮州市を代表する烏龍茶で、老欉は樹齢の高い茶樹から収穫された茶葉を使ったお茶を指します。 …

最新の記事 NEW ARTICLES

東山生茶 2024の散茶を発売
東山生茶 2024の散茶を発売しました。実は、東山の散茶を販売するのは今回が初めてです。 https://hojotea.com/item/d63.htm 雲南省臨滄市鎮康県の高山地帯で収穫された老樹茶 東山生茶2024 …
なぜお茶は渋いのか?渋味の原因と仕組みを紐解く
お茶には渋味を全く感じないものもあれば、非常に強い渋味を持つものもあります。では、この渋味の原因は何なのでしょうか?ここでは、渋味の原因とそのメカニズムについて解説します。 渋味の原因 渋味は、お茶の成分が口腔内のタンパ …
鳳凰単叢老欉蜜蘭香 2023を発売
鳳凰単叢老欉蜜蘭香2023を発売しました。 https://hojotea.com/item/houou.htm 鳳凰単叢は広東省潮州市を代表する烏龍茶で、老欉は樹齢の高い茶樹から収穫された茶葉を使ったお茶を指します。 …
湯を沸かす熱源によって変わるお茶の味香り
お茶を淹れる際に使うお湯ですが、やかんの材質によってお湯の味が変わることはよく知られておりますが、実は、やかんの材質以外に、湯を沸かす熱源の種類によっても味が大きく変化することをご存じでしょうか? 同じヤカンでも、熱源に …
棠梨山古樹熟茶2023を発売
棠梨山古樹熟茶2023年(とくりさん)を発売しました。 https://hojotea.com/item/d155.htm 棠梨山は中国語でTan Li Shanと発音し、永徳県の中心地である徳党鎮の北側斜面に位置する山 …
東山生茶・白毫銀針・茉莉銀針の3種類のお茶を発売
東山生茶2023、白毫銀針、茉莉銀針の3種類のお茶を発売しました。 東山生茶2023 https://hojotea.com/item/d63.htm 東山生茶2023を発売しました。東山生茶は当店でも非常に人気の高いお …
大雪山野生茶(生茶)2023年・2024年産 同時発売
大雪山野生生茶の2023年産と2024年産を発売しました。 2023年産については、マレーシアの倉庫で1年間熟成しております。 https://hojotea.com/item/d27.htm   雲南省でも入 …
佐渡無名異焼作家の渡辺陶三作:野坂粗土還元急須が入荷
野坂粗土還元焼成の茶器を発売しました。 今回入荷したモデルは、茶壺(後手急須)、フリーカップ、マグカップの3点です。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_reduction.htm …
佐渡島の渡辺陶三製作:野坂粗土酸化焼成の茶器が入荷
佐渡島の陶芸家、渡辺陶三氏による「野坂粗土酸化焼成」の茶器を発売いたしました。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka.htm   野坂は佐渡島の沢根にある地区名で、相川金山に …
2300mの野放茶園産、高山白茶を発売
高山白茶を発売しました。 このお茶の茶園には、次の2つの特徴があります。 1. 標高2200-2300mに位置する茶園 2. 完全に野生化したお茶の木で構成される野放茶園 非常に理想的な環境ゆえに、お茶の品質も素晴らしく …

PAGETOP