紅茶と緑茶にもある当たり年

[2011.12.15] Written By
ワインもそうですがお茶にも「当たり年」があります。 この当たり年は3-5年に一回やってきます。但し、ワインのように公知の事実として当たり年が公表されるわけではないため、知る人ぞ知る当たり年と言えます。 当たり年に収穫されたお茶は、ワンランク上の品質になります。この為、緑茶や紅茶のように、等級が比較的管理されている銘柄の場合、当たり年になると普段は存在しない特別な等級が作られることがあります。
 烏龍茶やプーアル茶の場合はあまり等級管理はされておりませんが、品質が例年よりも高い場合、それに伴い値段も調整されていることが一般的です。 それもそのはず、当たり年=雨が少ない=品質が良い=収量が少ない為です。
通常、冬場に雨が少なく、お茶がじっくりと時間をかけて成長することが出来た場合、当たり年となります。 因みに、2011年はお茶にとって当たり年でした。2011年の春茶は非常に品質が高く、例年にない良い品質のお茶が作られました。
そんなわけで、2つのお茶に関して、例年にはない凄いグレードが入荷しました。
キームン紅茶工場はグレーディングがきちんと行われている会社です。例年では最高級品は特貢グレードと言うことになりますが、今年は更に上のグレードが作られました。その名も「極品」、特貢グレードの更に上の等級です。 正直、特貢グレードを飲んだ時点でその喉越しの深さは非常に厚みがあり、まるで喉をシロップが流れ落ちるかのような感覚すら感じられました。私としては、特貢グレードで十分であり、それ以上のグレードは必要ないだろうと考えておりました。
しかし、極品のサンプルが届いたので、試飲をしてみました。普段から高級茶には慣れているのですが、極品は凄いお茶でした。飲んだときは「おおおぉぉぉ!」と声を出さずにはいられませんでした。一緒に飲んだスタッフも、「おおおぉぉぉぉぉ!」とハモっておりました。 特貢グレードよりもワンランク上のグレードと思って飲むと、良い意味で期待を裏切られます。このグレードの場合、味が限りなく深く、体の奥深くまで香りが広がる感覚、そして、形容できないほどに軟らかくあまい後味が喉の奥一杯に広がります。文字通り、極品であり、当たり年しか買うことの出来ない贅沢なお茶だと思いました。
太平猴魁 特貢も凄いですね!普通のグレードに関しても、今年はかなり良いと思うのですが、特貢ときたらその軟らかいこと!!!!
喉の奥にふかーーーーく吸い込まれていくような、不適切な例ですが、まるで唾液を飲んでいるような深い甘さを感じます。
お茶と言うよりも、高貴な水を飲んでいるような、深いコクと長く持続する甘さが特徴です。太平猴魁は私の中国茶ラインアップの中では原料の品質が最も高いお茶です。龍井茶は有名ゆえに値段こそ高いですが、喉越しの深さという点では太平猴魁には及びません。未だ試された事がない方は是非普通のグレードから試してみてください。
心配事としては、来年以降の当たり年でない年も、特別グレードが維持され続けることです。
これは時々中国で行われる常套手段で、これを大義名分として売値を堂々と上げてくる可能性があります。中国の場合物価が上昇しているので、このような当たり年を期に、値上げが行われることも十分に想定されます。グレーディングが明確にされているキームン紅茶工場の方がこの問題が発生する可能性がより高いように思います。
今年のお茶はとても品質が良いですが、それだけに来年が心配でもあります。
TH.jpg
太平猴魁

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

佐渡島の渡辺陶三製作:野坂粗土酸化焼成の茶器が入荷
佐渡島の陶芸家、渡辺陶三氏による「野坂粗土酸化焼成」の茶器を発売いたしました。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka.htm   野坂は佐渡島の沢根にある地区名で、相川金山に …
2300mの野放茶園産、高山白茶を発売
高山白茶を発売しました。 このお茶の茶園には、次の2つの特徴があります。 1. 標高2200-2300mに位置する茶園 2. 完全に野生化したお茶の木で構成される野放茶園 非常に理想的な環境ゆえに、お茶の品質も素晴らしく …

最新の記事 NEW ARTICLES

佐渡島の渡辺陶三製作:野坂粗土酸化焼成の茶器が入荷
佐渡島の陶芸家、渡辺陶三氏による「野坂粗土酸化焼成」の茶器を発売いたしました。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka.htm   野坂は佐渡島の沢根にある地区名で、相川金山に …
2300mの野放茶園産、高山白茶を発売
高山白茶を発売しました。 このお茶の茶園には、次の2つの特徴があります。 1. 標高2200-2300mに位置する茶園 2. 完全に野生化したお茶の木で構成される野放茶園 非常に理想的な環境ゆえに、お茶の品質も素晴らしく …
標高2100mの無農薬・無肥料茶園産の高山紫茶2024
2024年産の高山紫茶を2種類発売しました。 https://hojotea.com/item/d53.htm 2種類とも、同じ生産者が同じ地域内に保有する茶園の茶葉ですが、茶園の位置が異なり、また、生産日も異なります。 …
大雪山野生茶(普洱生茶)2024の散茶を限定発売
大雪山野生茶は、雲南省臨滄市永徳県の大雪山に自生する野生のカメリアタリエンシスから作られたプーアル生茶です。 野生茶とは 野生茶とは、樹齢が高いお茶や野生化したお茶ではなく、山に自生している天然のお茶を指します。 過去に …
鳳凰単叢烏龍茶の産地、潮州市鳳凰鎮を訪問(2024)
先月、鳳凰単叢烏龍茶の産地である潮州市鳳凰鎮へ、仕入れと生産者との打ち合わせを兼ねて出張しました。ちょうど台風の時期と重なり、山から潮州に戻れなくなるなどのハプニングもありましたが、無事に仕入れを終えました。鳳凰鎮にはこ …
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥急須、宝瓶各種入荷
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥の茶器が入荷しました。 今回入荷したのは、丸型宝瓶、急須、絞り出し、茶海です。 https://hojotea.com/item/maekawa_iga.htm 数百年前に古琵琶湖の湖底に沈殿した …
佐渡島:渡辺陶三作、無名異上赤茶壺と宝瓶が入荷
渡辺陶三氏作の無名異常赤急須および宝瓶が入荷しました。今回の入荷品は、後手タイプが中心です。 https://hojotea.com/item/tozo_joaka.htm 非常に稀少な上赤 「上赤」は、佐渡島の相川金山 …
非常に稀少な野生茶、永徳野生白茶2024を発売
永徳野生白茶を発売しました。このお茶は2021年に一度発売されましたが、瞬く間に売り切れ、その後の入荷はありませんでした。質が高く、個性的な香りで当店でも非常に人気の高いお茶です。 永徳野生茶は、雲南省臨滄市永徳県で、牛 …
2024年産の古樹白茶を発売: 雲南省にて生産監修することで品質向上
2024年産の古樹白茶を発売しました。 今年は、私たちが自ら現地に滞在し、茶葉の選定から生産に至るまで現場で監修したことで、自信のある仕上がりになっております。 https://hojotea.com/item/w25. …
単株茶を含む2022年産の鳳凰単叢老欉を3種類発売
単株を含む、鳳凰単叢の老欉を3種発売しました。今回発売したお茶は以下の三種類です。何れも標高1200mの茶園産の茶葉原料から作られており、濃厚な香りと深い後味がする素晴らしいお茶です。 鳳凰単叢老欉夜来香 2022 鳳凰 …

PAGETOP