R0011439.jpg
清香形の高品質な鉄観音

 

今回の出張では安渓にも行きました。安渓と言えば、勿論、鉄観音です。
色んな意見もありますが、製茶法を見る限り、安渓の烏龍茶の歴史は潮州の鳳凰単叢烏龍をルーツとしていると感じております。
鉄観音自体は鳳凰単叢烏龍の作り方と非常に似ているのですが、工程の数カ所が短縮されており、また、分岐しております。鳳凰単叢烏龍の火を入れる前の状態は、鉄観音と味も香りもそっくりです。
鉄観音というと誰もが一度は聞いたことのあるお茶だと思います。
鉄観音という言葉は、品種に由来します。つまり、鉄観音種を用いて作られたお茶ゆえに、鉄観音と呼ばれるようになりました。
現在、鉄観音という名称のお茶は、中国福建省安渓と台湾の木柵という2地域で作られております。
台湾人の多くは閩南人といって、安渓や厦門周辺地域からの移民ゆえに、鉄観音のお茶文化も人の移動と共に持ち込まれたものです。
但し、台湾の鉄観音は高温にて火を強く入れて作られており、本家の安渓鉄観音は火を入れないタイプ(清香形)と低温で長時間火を入れるタイプ(濃香形)が主流です。
マレーシアやシンガポールの肉骨屋にいくと、決まって鉄管音が出てきますが、これまた閩南系の移民が関係しております。閩南由来の食事と閩南由来のお茶である鉄観音が共に出されます。
スーパーでも売られている鉄観音ですが、現地で最も高級クラスになると火が全く入っておりません。
香りは蘭の花に良く例えられますが、私は若い桃のような香りがします。余りにも強い香りがするために、初めて飲んだ人は間違いなく感動するお茶です。逆に、毎日飲み過ぎてしまうと飽きてしまいます。

鉄観音は非常に人気の高いお茶ゆえに、中国国内市場の需要すら満たせておりません。
取引市場が国内中心と言うこともあり、鉄観音を作る際には、農薬が使われることが多く、お茶選びには注意が必要です。
安渓の中心部に行くと、お茶市場があり、農家がその日に作った鉄観音を持ち込んでその場で交易をしております。
面白い事に、この市場の周辺には福建や広州のお茶会社のオフィスが乱立しており、そこに駐在している人の主な仕事は、毎日お茶市場に来ては直接農家からお茶を仕入れ、本部へと発送することです。
この市場で販売されているお茶も、意外に品質は悪くありません。但し、農薬のことを考慮し、私は農薬のトレーサビリティを確立している生産会社から購入する事にしました。
ところで、このお茶市場ですが、農家の人は早く自分たちのお茶を現金化したいものだから、まるで獲物を狙うハンターのようでした。
私達が車で到着するのを見るやいなや、いきなり数人のおばさんに囲まれました。
まるで、インドでも旅行しているかのような状況になり、私がどこへ行こうと5−6人の鉄観音を担いだおばさんにピッタリとマークされ続けました。
代わる代わる、お茶を手にとっては評価するようにと言ってくるため、ゆっくりと見学出来るような状況ではありませんでした。
R0011431.jpg
R0011427.jpg
この手前にいるおばさん達が、終始私をマークしておりました。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

雲南省の自然栽培茶で作った釜炒り緑茶
雲南春尖緑茶を発売しました。 標高2100mにある自然栽培のお茶を原料とした、プーアル茶クラスの長い余韻が特徴のお茶です。 雲南省という比類なき茶葉原料の産地 私はお茶の会社を創業して20年間の間、あらゆるお茶産地を訪問 …
産地の潮州・汕頭で人気の鳳凰単叢八仙2022を発売
2021年以来となる鳳凰単叢八仙の新ロットを発売いたします。 今回発売するお茶は、2022年産のお茶です。数年の熟成期間を経て非常に良い状態に仕上がりましたので、販売することにいたしました。 https://hojote …

最新の記事 NEW ARTICLES

雲南省の自然栽培茶で作った釜炒り緑茶
雲南春尖緑茶を発売しました。 標高2100mにある自然栽培のお茶を原料とした、プーアル茶クラスの長い余韻が特徴のお茶です。 雲南省という比類なき茶葉原料の産地 私はお茶の会社を創業して20年間の間、あらゆるお茶産地を訪問 …
産地の潮州・汕頭で人気の鳳凰単叢八仙2022を発売
2021年以来となる鳳凰単叢八仙の新ロットを発売いたします。 今回発売するお茶は、2022年産のお茶です。数年の熟成期間を経て非常に良い状態に仕上がりましたので、販売することにいたしました。 https://hojote …
大雪山野生白茶 散茶 2025年産の新茶を発売
大雪山野生白茶2025を発売しました。 https://hojotea.com/item/w11.htm 雲南省の山に自生するカメリアタリエンシスを原料に、今年も現地で原料選別から製茶まで関わって生産しました。 野生茶な …
2025年産の古樹白茶と古樹白牡丹を発売
2025年産の古樹白牡丹と古樹白茶、2種類を発売しました。 いずれも無農薬・無肥料で作られたお茶です。 実は少し前から販売していましたが、公式にはお知らせしていなかったため、本記事を書きました。 生産者と共に作り上げるお …
東山生茶2024年産餅茶を発売
東山生茶2024の餅茶を発売しました。2024年産の東山は、以前に散茶を発売し、短期間で売り切れとなりました。今回発売する2024年産の餅茶は同じ原料から作られたお茶です。餅茶は作りたては香りが比較的穏やかな傾向がありま …
雲南省の自然栽培茶を使った薪火釜炒り焙じ茶の開発
現在、私たちは雲南省に滞在し、お茶の生産に取り組んでおります。シーズンも終盤に差しかかっていますが、この時期は特に成長が遅く、質の高いお茶が収穫期を迎えるため、最後まで気が抜けません。プーアル茶と紅茶の製造を主軸としなが …
料理から見る雲南の多様性:少数民族・四川料理の交差点
雲南省に長期滞在してお茶を作っているわけですが、雨の日や生産予定の無い日は、近隣の街のホテルに滞在しております。 ホテルに滞在しているときは、外食するのですが、私達にとって、現地での食事はお茶作りと同等に興味があり、非常 …
渡辺陶三作:秋津無名異、野坂粗土急須他入荷
佐渡島の無名異焼作家、渡辺陶三氏の茶器が多種類入荷しました。 今回は、特に、秋津無名異酸化焼成と野坂炭化還元の急須・茶壺が多数入荷しました。 https://hojotea.com/categ/teaware.htm 秋 …
雲南白茶、理想を形にする現地生産
3月25日に雲南省に入り、現在まで白茶の製造に取り組んでいます。 本コラムでは、雲南省における白茶生産の実情や、その品質、管理のあり方についてご紹介します。 何故雲南省で白茶を作るのか 白茶といえば、まず思い浮かぶのは福 …
現地からのレポート:2025年の雲南省のお茶の状況について
3月25日より雲南省に来ております。 こちらには5月まで滞在し、現地でのお茶の生産や流通・品質管理を行います。 本コラムでは、今年2025年のお茶の生育状況、相場観などについてインプレッションを述べたいと思います。 気候 …

PAGETOP