- ホーム >
- お茶の産地
2014年のプーアル茶の市場状況
- [2014.04.28] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
4月の上旬から数週間、仕入れのために雲南省へ行ってました。
雲南省へは毎年足を運んでおり、お茶の仕入れに行くのも今年で5年目になります。
2014年のプーアル茶の値段は例年の10-20%増し
今年は雲南省のお茶の値段が高騰していると聞いていたため、内心とても心配しておりました。しかし、実際に行ってみると、値段が高騰しているのは近年急激に名前が有名になった産地のみで、その他一般の産地については平均すると例年の10%程度、高いところでも20%程度の値段上昇にとどまっておりました。
早春の寒波による生産量の減少が値段上昇の直接原因
値段が上昇した主要因は、今年の早春に降った雪と、霜によるところが大きく、標高・緯度の高い地域ほど、冷害により生産量が影響を受けたもようです。昆明から産地に向かってバスで高速道路を走っていたところ、道沿いに生えている広葉樹の葉が一斉に枯れており、早春の霜の影響の大きさを目の当たりにしました。
生茶葉の値段上昇により紅茶とプーアル熟茶の生産量が減少
プーアル生茶の生産者の多くは、副製品として、プーアル熟茶や紅茶の生産をしておりす。しかし、原料茶葉の価格が上がったことから、今年は多くの生産者が紅茶やプーアル熟茶の生産を取りやめており、雲南省における紅茶の仕入れに関しては非常に苦労しました。
道路整備によるアクセス改善が値段上昇に寄与
もう一つの値段上昇の要因として、道路インフラの整備状況が関係していると想定されます。
中国では2008年頃より大規模な道路整備事業が行われており、雲南省の道路事情はここ数年で劇的に改善されました。
例えば、2010年の時点では12時間以上かかった区間が、今では数時間で到着できるようになりました。(2010年は景谷から、双江に抜けるのに2日かかりましたが、現在では数時間です。)
交通インフラが整備された結果、観光客やアマチュアバイヤーがこれまで殆ど近づくことがなかったような場所にまで、自家用車で容易に来られるようになりました。当然その結果、その地域は有名になり、お茶の値段は上昇します。
アマチュアバイヤーによる値段の上昇
アマチュアバイヤーなど、お茶の仕入れに慣れてない人は、「市場価格」というものが理解できておりません。基本的に自己消費を目的としているため、「自分が納得できるかどうかが」が規準となります。
多くの場合、相場よりも高い値段で購入してしまうことが多く、結果的にそれがその土地の相場を引き上げます。
私達の場合、生茶葉の値段を調べ、そこから逆算することで、お茶のコストを算出します。生産にかかる原価がいくらか把握することで、実際の相場を割り出すため、相場よりも高い値段で仕入れることは殆ど有りません。
2013年の時点で殆どの幹線道路が完成しておりましたが、今年は幹線道路 → 茶園の道路がいたるところで建設されており、新しく道路が建設された地域については、10%以上の値段上昇が見られました。
道路が建設されると、私達としては村へ容易に行けるようになりますが、同時に値段が上昇し、また、需要の上昇に伴い農家では肥料を使うようになるため、一般に品質は低下します。
皮肉なことに、せっかく道路が整備されても、良いお茶を、良い値段で仕入れるためには、更に奥地へと、道の整備されてない地域へと入り込む必要があり、私の出張はぜんぜん楽になりません。
1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!
- メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
- メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!
- 2300mの野放茶園産、高山白茶を発売
- 高山白茶を発売しました。 このお茶の茶園には、次の2つの特徴があります。 1. 標高2200-2300mに位置する茶園 2. 完全に野生化したお茶の木で構成される野放茶園 非常に理想的な環境ゆえに、お茶の品質も素晴らしく …
- 標高2100mの無農薬・無肥料茶園産の高山紫茶2024
- 2024年産の高山紫茶を2種類発売しました。 https://hojotea.com/item/d53.htm 2種類とも、同じ生産者が同じ地域内に保有する茶園の茶葉ですが、茶園の位置が異なり、また、生産日も異なります。 …
最新の記事 NEW ARTICLES
- 2300mの野放茶園産、高山白茶を発売
- 高山白茶を発売しました。 このお茶の茶園には、次の2つの特徴があります。 1. 標高2200-2300mに位置する茶園 2. 完全に野生化したお茶の木で構成される野放茶園 非常に理想的な環境ゆえに、お茶の品質も素晴らしく …
- 標高2100mの無農薬・無肥料茶園産の高山紫茶2024
- 2024年産の高山紫茶を2種類発売しました。 https://hojotea.com/item/d53.htm 2種類とも、同じ生産者が同じ地域内に保有する茶園の茶葉ですが、茶園の位置が異なり、また、生産日も異なります。 …
- 大雪山野生茶(普洱生茶)2024の散茶を限定発売
- 大雪山野生茶は、雲南省臨滄市永徳県の大雪山に自生する野生のカメリアタリエンシスから作られたプーアル生茶です。 野生茶とは 野生茶とは、樹齢が高いお茶や野生化したお茶ではなく、山に自生している天然のお茶を指します。 過去に …
- 鳳凰単叢烏龍茶の産地、潮州市鳳凰鎮を訪問(2024)
- 先月、鳳凰単叢烏龍茶の産地である潮州市鳳凰鎮へ、仕入れと生産者との打ち合わせを兼ねて出張しました。ちょうど台風の時期と重なり、山から潮州に戻れなくなるなどのハプニングもありましたが、無事に仕入れを終えました。鳳凰鎮にはこ …
- 前川淳蔵作の伊賀天然朱泥急須、宝瓶各種入荷
- 前川淳蔵作の伊賀天然朱泥の茶器が入荷しました。 今回入荷したのは、丸型宝瓶、急須、絞り出し、茶海です。 https://hojotea.com/item/maekawa_iga.htm 数百年前に古琵琶湖の湖底に沈殿した …
- 佐渡島:渡辺陶三作、無名異上赤茶壺と宝瓶が入荷
- 渡辺陶三氏作の無名異常赤急須および宝瓶が入荷しました。今回の入荷品は、後手タイプが中心です。 https://hojotea.com/item/tozo_joaka.htm 非常に稀少な上赤 「上赤」は、佐渡島の相川金山 …
- 非常に稀少な野生茶、永徳野生白茶2024を発売
- 永徳野生白茶を発売しました。このお茶は2021年に一度発売されましたが、瞬く間に売り切れ、その後の入荷はありませんでした。質が高く、個性的な香りで当店でも非常に人気の高いお茶です。 永徳野生茶は、雲南省臨滄市永徳県で、牛 …
- 2024年産の古樹白茶を発売: 雲南省にて生産監修することで品質向上
- 2024年産の古樹白茶を発売しました。 今年は、私たちが自ら現地に滞在し、茶葉の選定から生産に至るまで現場で監修したことで、自信のある仕上がりになっております。 https://hojotea.com/item/w25. …
- 単株茶を含む2022年産の鳳凰単叢老欉を3種類発売
- 単株を含む、鳳凰単叢の老欉を3種発売しました。今回発売したお茶は以下の三種類です。何れも標高1200mの茶園産の茶葉原料から作られており、濃厚な香りと深い後味がする素晴らしいお茶です。 鳳凰単叢老欉夜来香 2022 鳳凰 …
- 東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
- 碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
- HOJO通販新着
- 特集
- メールマガジンバックナンバー
- お茶の種類
- お茶の産地
- 茶器・急須
- お茶のコラム-雑学-歴史-文化
- お茶を楽しむ
- お茶の作り方-製法
- お茶の品質を決める各種要素
- お茶の成分と効能
- お茶の安心と安全
- 食品
- お茶ビジネスの運営・記録
- 趣味活動
- お茶のランキング-おすすめ
- お茶に関する動画
- お茶に関するQ&A
- メディア掲載
- an anにてジャスミンパールが紹介されました。
- an an 「マガジンハウス出版」 No.1865、2013年7月24日号「夏のお取り寄せ」特集で弊社のジャスミンパールが紹介されました。
- マレーシアの全国紙 “Star Newspaper”に掲載して貰いました。
- 先日、マレーシアの全国紙「Star Newspaper」でHOJOの特集をしてくれました。 Starはマレーシアで最も購読数の多い新聞で、マレーシアのメディアでは最も影響力の大きな新聞です。 新聞の内容は、茶器によりお茶 …
住所:Lot No. T-215, 3rd Floor, Mid Valley City, Lingkaran Syed Putra 59200 Kuala Lumpur