- ホーム >
- お茶の種類
プロが用いる、紅茶を分類する3つの方法
- [2013.01.12] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
一般的な紅茶の常識とは異なる、独自の紅茶分類法を紹介します。オンラインメディアや書籍を見ると、紅茶には色んな種類があり、世の中には様々な分類方法があります。
例えば:
1.産地:ダージリン、中国紅茶、セイロンティ等々
2.形状:フルリーフ、BOP等、CTC等々
どの方法も間違っておりませんが、上記のような産地や茶葉の形状に基づく分類方法の場合、お茶の個性が反映されておりません。
そこで私が紅茶を分類するときは以下の分類法を使っております。
1.半発酵紅茶
2.重発酵紅茶
3.熟成型紅茶
(上記3つに加え、フレーバーティ等の2次加工紅茶があります。)
上記分類法は一般的ではありませんが、これはお茶の加工特性に基づく分類法であり、この方法が紅茶の特徴を表す上で分かり易いと感じております。
これらの分類を説明する前に、紅茶の定義を説明したいと思います。通常、以下の「順番」で作られるお茶が紅茶と定義されます。
萎凋→揉捻→発酵
(因みにダージリンファーストフラッシュは緑色をしており、見た目は紅茶に見えませんが以下の順番で作られるために紅茶として分類されます。)
尚、東方美人などのように発酵度が非常に高いお茶がありますが、東方美人の場合、萎凋&発酵→殺青→揉捻と加工の順番が異なるため、烏龍茶に分類されます。
以下、紅茶の3つの分類を説明したいと思います。
1.半発酵紅茶
これはダージリンティのように萎凋時間を長くし、発酵時間を短めすることで作られた紅茶を指します。
萎凋を長く行うと茶葉の水分が失われるために、その後の発酵が緩やかに起こります。
茶葉には一般的な紅茶に含まれるようなテアフラビンが殆ど含まれず、成分的には烏龍茶と殆ど同じです。この為、ダージリンのエステートマネージャーなどはダージリンファーストフラッシュは烏龍茶だと言う人がおります。
この様に、紅茶特有の色素であるテアフラビンを殆ど含まない紅茶を私は「半発酵紅茶」と呼んでおります。
2.重発酵紅茶
これはいわゆる普通の紅茶です。特徴としては茶葉が明るい茶色をしており、お茶には黄色の色素、テアフラビンが多く含まれます。尚、同カテゴリーでも加工に問題があったお茶は、茶葉が焦げ茶色をしており茶褐色の色素であるテアルビジンが多く含まれます。
雲南紅茶、アッサム紅茶、台湾の紅玉紅茶などがこのカテゴリーに属します。
3.熟成型紅茶
紅茶は脱酸素状態で3年以上熟成させると、非常にフルーティな香りが生成します。勿論、お茶を作るのに3年も待つことは出来ません。実は熟成をを短時間で行う火入れの技術があります。
この技術は元々潮州の鳳凰単叢烏龍や武夷岩茶の生産に使われておりました。100℃以下の茶葉が焦げない低い温度で20時間近くじっくりと茶葉を焙ることで、茶葉を数年熟成したのと同じ種類の香りを引き出すことが出来ます。
非常に手間と経験が必要な製茶技術ゆえに、技術者が殆どおらず、良い品質に出会うことは非常に希です。キームン紅茶、ラプサンスーチョン(但し煙臭いタイプではなく超高級タイプ)が代表的です。
更に、私が販売しているお茶に広西産の「金螺」というお茶があります。このお茶は広西壮族自治区で作られたお茶ですが、キームンの伝統的な製法を取り入れた火入れ熟成により、ローズのような甘い香りがします。
1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!
- メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
- メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!
- 大雪山野生茶(生茶)2023年・2024年産 同時発売
- 大雪山野生生茶の2023年産と2024年産を発売しました。 2023年産については、マレーシアの倉庫で1年間熟成しております。 https://hojotea.com/item/d27.htm 雲南省でも入 …
- 佐渡無名異焼作家の渡辺陶三作:野坂粗土還元急須が入荷
- 野坂粗土還元焼成の茶器を発売しました。 今回入荷したモデルは、茶壺(後手急須)、フリーカップ、マグカップの3点です。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_reduction.htm …
最新の記事 NEW ARTICLES
- 大雪山野生茶(生茶)2023年・2024年産 同時発売
- 大雪山野生生茶の2023年産と2024年産を発売しました。 2023年産については、マレーシアの倉庫で1年間熟成しております。 https://hojotea.com/item/d27.htm 雲南省でも入 …
- 佐渡無名異焼作家の渡辺陶三作:野坂粗土還元急須が入荷
- 野坂粗土還元焼成の茶器を発売しました。 今回入荷したモデルは、茶壺(後手急須)、フリーカップ、マグカップの3点です。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_reduction.htm …
- 佐渡島の渡辺陶三製作:野坂粗土酸化焼成の茶器が入荷
- 佐渡島の陶芸家、渡辺陶三氏による「野坂粗土酸化焼成」の茶器を発売いたしました。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka.htm 野坂は佐渡島の沢根にある地区名で、相川金山に …
- 2300mの野放茶園産、高山白茶を発売
- 高山白茶を発売しました。 このお茶の茶園には、次の2つの特徴があります。 1. 標高2200-2300mに位置する茶園 2. 完全に野生化したお茶の木で構成される野放茶園 非常に理想的な環境ゆえに、お茶の品質も素晴らしく …
- 標高2100mの無農薬・無肥料茶園産の高山紫茶2024
- 2024年産の高山紫茶を2種類発売しました。 https://hojotea.com/item/d53.htm 2種類とも、同じ生産者が同じ地域内に保有する茶園の茶葉ですが、茶園の位置が異なり、また、生産日も異なります。 …
- 大雪山野生茶(普洱生茶)2024の散茶を限定発売
- 大雪山野生茶は、雲南省臨滄市永徳県の大雪山に自生する野生のカメリアタリエンシスから作られたプーアル生茶です。 野生茶とは 野生茶とは、樹齢が高いお茶や野生化したお茶ではなく、山に自生している天然のお茶を指します。 過去に …
- 鳳凰単叢烏龍茶の産地、潮州市鳳凰鎮を訪問(2024)
- 先月、鳳凰単叢烏龍茶の産地である潮州市鳳凰鎮へ、仕入れと生産者との打ち合わせを兼ねて出張しました。ちょうど台風の時期と重なり、山から潮州に戻れなくなるなどのハプニングもありましたが、無事に仕入れを終えました。鳳凰鎮にはこ …
- 前川淳蔵作の伊賀天然朱泥急須、宝瓶各種入荷
- 前川淳蔵作の伊賀天然朱泥の茶器が入荷しました。 今回入荷したのは、丸型宝瓶、急須、絞り出し、茶海です。 https://hojotea.com/item/maekawa_iga.htm 数百年前に古琵琶湖の湖底に沈殿した …
- 佐渡島:渡辺陶三作、無名異上赤茶壺と宝瓶が入荷
- 渡辺陶三氏作の無名異常赤急須および宝瓶が入荷しました。今回の入荷品は、後手タイプが中心です。 https://hojotea.com/item/tozo_joaka.htm 非常に稀少な上赤 「上赤」は、佐渡島の相川金山 …
- 非常に稀少な野生茶、永徳野生白茶2024を発売
- 永徳野生白茶を発売しました。このお茶は2021年に一度発売されましたが、瞬く間に売り切れ、その後の入荷はありませんでした。質が高く、個性的な香りで当店でも非常に人気の高いお茶です。 永徳野生茶は、雲南省臨滄市永徳県で、牛 …
- HOJO通販新着
- 特集
- メールマガジンバックナンバー
- お茶の種類
- お茶の産地
- 茶器・急須
- お茶のコラム-雑学-歴史-文化
- お茶を楽しむ
- お茶の作り方-製法
- お茶の品質を決める各種要素
- お茶の成分と効能
- お茶の安心と安全
- 食品
- お茶ビジネスの運営・記録
- 趣味活動
- お茶のランキング-おすすめ
- お茶に関する動画
- お茶に関するQ&A
- メディア掲載
- an anにてジャスミンパールが紹介されました。
- an an 「マガジンハウス出版」 No.1865、2013年7月24日号「夏のお取り寄せ」特集で弊社のジャスミンパールが紹介されました。
- マレーシアの全国紙 “Star Newspaper”に掲載して貰いました。
- 先日、マレーシアの全国紙「Star Newspaper」でHOJOの特集をしてくれました。 Starはマレーシアで最も購読数の多い新聞で、マレーシアのメディアでは最も影響力の大きな新聞です。 新聞の内容は、茶器によりお茶 …
住所:Lot No. T-215, 3rd Floor, Mid Valley City, Lingkaran Syed Putra 59200 Kuala Lumpur