img_3472

今年は鳳凰単叢烏龍茶の中でも非常に稀少な「単株」というカテゴリーのお茶を3種類仕入れました。単株とはどのような位置づけのお茶なのか説明したいと思います。

鳳凰烏龍茶の産地における単叢の意味

鳳凰単叢烏龍茶の単叢とは本来「一本の木から収穫されたお茶」という意味です。ただし、近年、生産地において、単叢は「一本の木」という意味では用いられておりません。

img_6332

台湾や日本で一般的な茶園方式:市場に流通している鳳凰烏龍の9割以上はこのような茶園産

現在における単叢の定義は、まず第一にお茶の木が日本や台湾のような茶園方式ではなく一本一本独立した喬木方式で作られていること。次に同じ品種で且つ、同じ場所に生育している同じ樹齢の木をグルーピングして1つの単叢とするのが一般的です。一般的に茶園産ではなく、単叢の場合1バッチが10キロ以下、多くは5kg以下です。

老叢とは

単叢の中でも老叢と呼ばれるカテゴリーがあります。鳳凰烏崠老欉宋種単叢のような書き方をします。単叢に対して、老欉の場合、叢の字に「きへん」が付きます。老叢は単叢であることが前提であり、非常に樹齢が古い木から作られたお茶を意味します。ただ、非常に古い木という点がやや曖昧であり、実際に何歳以上のお茶の木を老叢と呼ぶかという点については明確な定義がありません。老叢の定義は人それぞれであり、100歳以上を老叢と呼ぶ場合もあります。老叢の場合、特定の木のみから作られている場合、また、上記で説明した単叢のように、類似の性質の木をグルーピングして老叢とすることもあり、老欉の取り扱いについては生産者によって異なります。

img_3258

烏崠山の烏崠村周辺における喬木方式の茶園:この中でも老木は老叢として、巨木になると単株茶として販売されます。

img_3219

img_8102

マニアが求める単株

そして最もマニアをしびれさせるのが「単株」というカテゴリーです。単株とは「一本の特定の木のみ」から収穫されたお茶を指す言葉で、近年では鳳凰単叢烏龍だけでなく、プーアル茶でも良く聞く言葉です。HOJOでも今年から単株プーアル茶を仕入、試験的にマレーシアの店舗で販売しております。単株の場合、「特定の一本のお茶の木」と言う意味ゆえに、極端な話、烏崠山に何千本とあるお茶の木の一本を適当に選び、その木のみから収穫すれば、単株と呼べます。ただし、樹齢の古い老欉を単株として販売するのが一般的です。鳳凰単叢烏龍茶の場合、標高も品質に影響を与えるため、烏崠山でも特に標高がエリアの老欉は非常に稀少です。プーアル茶と異なり生産地が限定される鳳凰単叢烏龍茶の単株茶の場合、その木がどのエリアのどの木から収穫されたかを明確にして販売するのが有るべき形です。もともと単株茶として販売されるようなお茶は地元でも有名な木から収穫されているのが一般的だからです。ただし、鳳凰鎮の人誰もが知っているような有名な木から収穫されるお茶は非常に稀少であり、値段の問題だけでなく、事前予約をしないと入手が出来ないのが実情です。

img_3497

文氏が所有する文種と呼ばれる大木

img_3499

単株茶を3種類購入

私は今年3種類の「単株」を仕入れました。何れも非常に有名なお茶の木から収穫されたお茶ですが、その中でも特に有名なのが「文種」と呼ばれる文氏が所有する大木のお茶です。このお茶の木は、鳳凰単叢の書籍にも頻繁に掲載されるほど有名な木であり、鳳凰単叢を代表する木でもあります。今年仕入れた鳳凰単叢烏龍茶は既に入荷しておりますが、日本で再度、低温での火入れをすることで鮮度を回復し、その後ある程度の期間熟成を経たうえで発売する予定です。

img_5900

img_5901

右上の写真は私が今回仕入をした文種の木

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …

最新の記事 NEW ARTICLES

単株茶を含む2022年産の鳳凰単叢老欉を3種類発売
単株を含む、鳳凰単叢の老欉を3種発売しました。今回発売したお茶は以下の三種類です。何れも標高1200mの茶園産の茶葉原料から作られており、濃厚な香りと深い後味がする素晴らしいお茶です。 鳳凰単叢老欉夜来香 2022 鳳凰 …
東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …
雲南省の稀少茶、大雪山野生白茶2024を発売
大雪山野生白茶2024の散茶を発売しました。 このお茶は、私達が実際に現地雲南省の産地に滞在し、現地で生産管理しながら作り上げたお茶です。 雲南省における野生茶の定義 これまで何度も説明しておりますが、雲南省 の人々は例 …
HOJO独自の新製法で実現した香り高い紅茶:雲南での挑戦
雲南省に1.5ヶ月滞在した期間中、良質な白茶やプーアル茶の生産はもちろん重要な課題でしたが、今回の大きな目標は、小ロット生産にも対応した新しい紅茶の生産方法を開発することでした。 一般的に雲南紅茶といえば、当店のラインア …
2024年の雲南省お茶シーズン:予想外の気温と収穫の混乱
長い雲南省の仕入れを終え、現在マレーシアのクアラルンプールに滞在しております。輸入したお茶の評価や海外用のお茶の発送など細かな手配が必要なため、クアラルンプールの会社に来月まで滞在予定です。 今年はシーズンの最初である3 …
2024年の白茶:理想的な天気と現地滞在で品質は上々
私たちが雲南省で力を入れているお茶の一つは白茶です。白茶は昔から、福建省と雲南省で作られてきました。 福建省の白茶は製茶はよく管理されている反面、慣行農園方式で肥料を用いた農業をしているため、原料の質に関して、私は満足で …
雲南のおもてなし文化:食事に込められた思い
中国では、挨拶代わりに「你吃饭了吗?」、つまり、「ご飯食べた?」と言うのが一般的ですが、雲南省にいると、色んな局面で、「吃饭」「吃饭」、ご飯食べていきなさいと言われます。ただ、長く雲南省に携わると、これらのご飯への誘いは …
野生茶を求め雲南省臨滄市南西部の山村へ
現在、雲南省臨滄市の南西部にてお茶の仕入を行っております。 当店にとって重要な商品の1つに野生茶があります。野生茶は製茶はもちろんですが、原料確保が一番大きな課題です。 今回、新たに野生茶が有る場所があるらしいと言う情報 …
雲南省のお茶産地にてプーアル茶、白茶、紅茶の生産
3月24日から中国の雲南省臨滄市の南西部、永德、鎮康県にてお茶の仕入れ、生産を行っております。 雲南省は世界一と言っても過言で無い極上の原料がある反面、生産に対する管理が甘いため、出来合のお茶を仕入れたのでは、理想とする …

PAGETOP