3月21日にマレーシアのクアラルンプールを出発し、3月22日の早朝に雲南省臨滄南西部の仕入のベースとなる町に到着しました。こちらに約一ヶ月間滞在し、自然栽培のプーアル茶、紅茶、白茶、緑茶の仕入を行う予定です。

気候について

今年は中華正月以来2日しか雨が降っておらず、非常に乾燥した状態が続いております。
気温は比較的温かいのですが、非常に乾燥していることからお茶の成長が遅く、お茶の品質の点では非常に理想的な天候です。
臨滄地区に到着して以来、徒歩圏内の茶園(1700m付近)、高所の茶園(1900-2100m)とその付近のお茶加工業者を何カ所か訪問しましたが、まだ、ごく一部のお茶が収穫されているだけで、工場は非常にのんびりしておりました。
ただ、昨年も3月26日位までは天気が続いており、その後、状況が急転して雨が連続するという天候になっただけに、今後の天気に関して油断が出来ません。今後雨が降るような場合は、その前に収穫されたお茶のみを仕入れ、雨の影響を受けたお茶の仕入は回避予定です。

現時点におけるお茶の生育状況

現在はまだ全体量の数パーセントすらも収穫されておらず、現時点で収穫されているお茶は、若い木、標高の低い場所、肥料を沢山与えて育ったお茶が多く、品質の点ではベストではありません。お客さんは「はしり」を好む傾向がありますが、品質の点では早ければよいと言うわけではありません。ただ、中には高山で老木でも非常に日当たりがよく温かい場所のお茶に関しては意外に早く収穫されることもあるため、一律に収穫時期だけで品質を語ることが出来ません。

値段について

中国の景気自体は昨年よりも微妙に悪化している傾向が感じられますが、自然栽培、高山、高樹齢の木から作られるような高品質なお茶は十分な需要があり、高い品質を専門としている生産業者に関しては工場や設備への積極的な投資が行われており、中国の不景気は全く影響してないように見受けられました。実際、数社にて、昨年購入したお茶の値段を確認しましたが、基本は昨年の値段の据え置きというのが一般的な状況でした。
ただし、金芽や白毫銀針を初めとする、HOJO特注の単芽のお茶については、お茶摘みコストの上昇から仕入れ値が少し高くなりそうです。

野生茶について

カメリアタリエンシス種の野生茶については他のお茶よりも収穫時期が早く、今週から少しずつ収穫が始まっており、来週がピークになりそうです。例年と比べると一週間ほど収穫が遅れております。

野生茶については、野生紅(野生のお茶から作られた紅茶)の需要が増加していることから、これまで以上に多くの業者が生茶原料の仕入を行っており、お茶摘みが始まったばかりの現時点においては、値段が非常に高騰しております。ただし、産地によって、値段にバラツキがあるため、今度の動向を注視して仕入の判断をしたいと思います。原料に限りがある野生茶の場合、来年以降、更に値段が高騰することが予想されることから、もし今年の品質と値段が理想的な場合、今後も見据えて出来るだけ大量に仕入をしたいと考えております。
今年も大雪山野生茶の毛茶について予約販売を行う予定です。昨年は大雪山の品質が非常によく、餅茶については数日で売り切れてしまうほどの人気でした。今年は出来るだけ沢山のお茶が仕入れられるように、今週の時点で、産地に色々と手を回し段取りをしております。今年はまた、大雪山野生白茶の散茶についても予約販売を行う予定です。このお茶は昨年も発売したのですが、入荷量が少なかったこともあり2日で完売してしまいました。今年はより多くの量を作れるように手配しております。

  

雲南省にシーズン前に来る理由

一般的なお茶の仕入業者は4月以降に現地へ入ります。その頃になれば、多くのお茶が生産されており、1日で必要な量のお茶を仕入れることが出来るためです。
ただし、品質に非常にこだわりのある会社、或いは、現地のお茶に詳しい会社は、一般的に予約注文をするのが一般的です。私も2014年まではお茶が生産された頃に雲南省へ行き、その時点で仕入れられるお茶を選んでおりました。文字通り、「選ぶ」のが私の仕事でした。ただ、この方法だと、本当に良いお茶はその殆どが予約済みで売って貰えません。悔しい経験を重ねた事から、予約することの重要性を理解しました。したがって、2015年以降は全てのお茶に関して予約生産を行っております。
更に、2016年以降、お茶の茶園、摘み方、加工方法についてよりオリジナルの作り方を求めるようになりました。そこでシーズン前に現地へ行き、自分が希望するパラメーターで1kg程度の少量を生産して貰い、OKなら量産、もし問題があった場合は、再度パラメーターを変更して試作という具合に、オリジナルのパラメーターによる特注生産をするようになりました。今の時期は生産業者も暇なため、私の実験に喜んで付き合ってくれます。試作実験をするのは、既存の商品に関しても品質を改善する上で非常に重要です。例えば、今週は白茶の萎凋時間、乾燥方法、プーアル茶の萎凋時間などをテストしております。今の時期は複数の生産者において沢山の試作をお願いしており、製品開発を行っているようなわくわく感があります。

現地の様子は随時報告しますので、是非楽しみにしていてください。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

ジャスミン茶の常識を覆す!プーアル熟茶を使った斬新な味わいの黒ジャスミン茶(黒茉莉茶)
私たちは完成したジャスミン茶を仕入れるのではなく、自分たちで選んだ原料をジャスミン工場に持ち込むことで、オリジナルのジャスミン茶を特注生産しています。これまでにも、プーアル生茶を原料としたプーアルジャスミン茶、古樹銀針( …
中国でもレアな薫香の高級正山小種、奇種伝統式が登場!
正山小種には、松の木を燃やしてお茶の乾燥を行うことで薫香を呈するタイプと、甘く華やかなフルーツ香が特徴のタイプの2系統のお茶があります。それぞれ全く異なる香りがするお茶ですが、一般的にフルーツの香りがする正山小種は高価な …

最新の記事 NEW ARTICLES

ジャスミン茶の常識を覆す!プーアル熟茶を使った斬新な味わいの黒ジャスミン茶(黒茉莉茶)
私たちは完成したジャスミン茶を仕入れるのではなく、自分たちで選んだ原料をジャスミン工場に持ち込むことで、オリジナルのジャスミン茶を特注生産しています。これまでにも、プーアル生茶を原料としたプーアルジャスミン茶、古樹銀針( …
中国でもレアな薫香の高級正山小種、奇種伝統式が登場!
正山小種には、松の木を燃やしてお茶の乾燥を行うことで薫香を呈するタイプと、甘く華やかなフルーツ香が特徴のタイプの2系統のお茶があります。それぞれ全く異なる香りがするお茶ですが、一般的にフルーツの香りがする正山小種は高価な …
プーアル生茶は発酵茶?それとも緑茶?という議論
プーアル茶というと、発酵茶の代表格のように各書籍には書かれております。 プーアル茶は分類的には、黒茶に分類されることから、後発酵茶と定義されている事が一般的です。 しかし、プーアル茶と言ってもプーアル生茶とプーアル熟茶の …
武家寨古樹生茶 2022 秋茶 散茶を発売
  武家寨古樹生茶 散茶 2022の秋摘み茶を発売しました。 https://hojotea.com/item/d116.htm 秋のお茶は、個性がはっきりしており、春茶とはまた違った美味しさがあります。 高山 …
お茶で絶対にやってはいけない2つの保存法
お茶を保存する上で絶対に避けるべき保存方法を2つ紹介します。 冷蔵庫・冷凍庫での保存が劣化に寄与 お茶は冷蔵庫にいれておけば新鮮という印象がありますが、実は冷蔵庫はお茶を急速に劣化する大きな原因の1つです。 冷蔵庫がなぜ …
HOJOのオリジナル茶、プーアルジャスミンパールが入荷
HOJOのオリジナル商品であるプーアルジャスミンパールの新茶が入荷しました。 このお茶はHOJOの商品の中でも、群を抜いて人気のある銘柄ですが、長いこと在庫切れとなっておりました。 未だ試した事の無い人には、是非試して戴 …
知れば納得!お茶摘み時期と品質の関係
お茶のシーズンが始まると、春一番最初に市場に出てくるお茶は非常に高値で取引されます。 日本に限らず、中国緑茶やダージリンでも同じような傾向が観察されます。 お茶愛好家や茶商の中には早摘み=正義と捉える「早摘み原理主義」の …
舘正規氏作の萬古急須と湯飲みを発売
三重県四日市市の無形文化財、舘正規氏の萬古急須と湯飲みが多数入荷しました。 https://hojotea.com/item/banko.htm 萬古急須は、日本茶やプーアル熟茶、ジャスミン茶、各種花茶などと相性が良い土 …
想像以上に奥が深く面白いお茶の焙煎技術
お茶には焙煎という加工法があります。中国茶における焙煎は非常に奥が深いので、少し掘り下げて紹介したいと思います。 尚、焙煎は、中国のお茶業界では烘焙とか、炭焙などの言葉で呼ばれます。 香ばしさを引き出すだけではない焙煎技 …
サツマイモのような甘い香りがする白茶、甜香白牡丹を発売
甜(てんこう)とは甘い香りを指す言葉です。2020年産の白茶を、約2年間無酸素で熟成させ、独特の甘い香りに仕上げました。 雲南省の茶園標高2000mの自然栽培茶産の1芽1葉の茶葉から作られた2019年産の白茶を数年間保存 …

PAGETOP